乳房星(たらちねぼし)

佐伯達男

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第9話・人生いろいろ

【人生いろいろ・その2】

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A班のメンバーたちがシドニーのステーキハウスでランチを摂っていた頃であった。

場所は、松山市天山の国道33号線の交差点付近にあるジャスコ(イオンスタイル)にて…

ジャスコの中のイオン銀行の契約社員のゆりこは、ランチを摂るために1階のフードコートへ行こうとしていた。

その時に、別の女性従業員さんがゆりこを止めた。

女性従業員さんは、ゆりこに『遠方から大家族の人たちがゆりこさんに会いたいと言うてるけど、どうしますか?』と困った声で言うた。

ゆりこはイヤと断ったが、女性従業員に『大家族の人たちは今のうちにゆりこさんに会いたいと言うてるのよ。』と言い返された。

しぶちんのゆりこは、イヤイヤ頼みを引き受けた。

ゆりこに会うために遠方からやって来た大家族は、言うまでもなくたつろうさんの実家の4・5世帯の家族であった。

ゆりこ…

あの時、イヤと言うて断ったのよ…

それなのに、なんで南紀からわざわざここまで来たのよ…

ところ変わって、松山市古川北の裕介が店長を務めるスタバにて…

店舗の奥のテーブルに、ゆりことたつろうさんの4・5世帯の大家族が座って、話し合いをしている。

話し合いをしている中で、世話焼きの女性店員さんがワゴンに並んでいるトールサイズのマグカップにドリップのセットをして挽きたての豆を入れたあと、専用のポットでフットウしたてのお湯でゆっくりと注いだ。

コーヒーができあがるまでの間、ワゴンに載っているケースの中から、ニューヨークチーズケーキをゆっくりと取りだしてお皿に載せる。

ゆりこは、たつろうさんの実家の4・5世帯の家族に兼次と結婚することを重ねて拒否した。

「ゆりこはあの時イヤと言うて断ったのよ!!それなのにどうして遠方からわざわざここまで来たのよ!!ゆりこがイヤといよんのに、しつこいわね!!今すぐに南紀へ帰ってよ!!」

ゆりこの向かいに座っている優香は、もうしわけない声でゆりこに言うた。

「ゆりこさんにだまってここへ来たことについてはあやまるわよぅ…だけど、新宮(和歌山県新宮市)のおばさま(六郎の姉・兼次の母)が兼次さんの結婚相手はゆりこさんじゃないとダメというてたのよぉ…」
「はぐいたらしいわね(イラつくわね)!!アタシはイヤといよんのよ!!それなのに、兼次の母親はなんでアタシに求めてくるのよ!!」
「だから、兼次さんのお母さまはゆりこさんの方がいいというているのよ。」
「ますますはぐいたらしいわね!!あんたのシュウトの実家の家族はいつからアタシのストーカーになったのよ!!」
「ストーカーなんかしていないわよぉ~」
「あんたらがどう言おうと、ゆりこは結婚なんかせえへんけん!!」
「どうしてかたくなに拒否するのよぉ~」

優香が泣きそうな声でゆりこに言うたので、ゆりこは拒否する理由を優香に言うた。

「ゆりこ…大学生の時に…オジョクを受けた…」
「オジョク…」
「高知の極悪非道のヤクザの男たち数人からオジョクを受けた…」

ゆりこが述べた言葉に対して、優香は納得行かない表情を浮かべた。

ゆりこは、優香に理由を受け入れてほしいと言うた。

「ゆりこは通り魔の被害を受けたのよ!!リーダーの男の赤ちゃんを身ごもった直後に中絶したのよ!!ヘラみないでアタシの話しを聞いてよ!!」

ゆりこの話しをひととおり聞いた優香は、ゆりこにやさしく言うた。

「ゆりこさんのお気持ちはよくわかったわよ…だけどね…性暴力の被害を受けた過去があったけど、幸せになれた人もいるのよ。」

ゆりこは、怒った声で優香に言うた。

「そのように言えるコンキョはどこにあるのよ!?」
「コンキョはあるわよ…由芽さんの同級生のコがそうだったのよ。そのコも集団レイプの被害を受けて、リーダーの男の子供を身ごもったのよ…だけど、結婚相手の人が赤ちゃんの父親になると言うて名乗り出たのよ…それでね…」

(バーン!!)

ブチキレを起こしたゆりこは、平手打ちでテーブルを叩いたあと、優香を怒鳴りつけた。

「はぐいたらしい女ね!!あんたの義妹の知人のコができたからゆりこにもできると言いたいのかしら!?ゆりこはできんと言うたらできんのよ!!」
「ゆりこさん…」
「ゆりこ、帰る…あんたらもケーキ食べたら南紀へ帰ってよ!!」

ゆりこは、たつろうさんの実家の家族に背中を向けたあとそのまま店から出て行った。

ゆりこは、店から50歩先の電柱で派手なシャツを着たチャラい男と会った。

チャラい男と会ったゆりこは、腕を組んでそこから50歩先に停めているオープンカーへ向かった。

その様子を追いかけてきたみつろうが目撃した。

(ブロロロロ!!)

オープンカーは、爆音をあげてその場から走り去った。

ゆりこさん…

どうして…

見ず知らずのチャラい男の車に乗ったのだ…

どうして…

みつろうは、ボーゼンとした表情でたたずんでいた。
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