143 / 153
最終回スペシャル・前編
【春遠からじ・その2】
しおりを挟む
7月2日の朝6時過ぎのことであった。
(ガラガラガラガラガラガラガラガラガラガラガラガラガラガラ…)
私は、電動シャッターが上がる音におどろいて起きあがった。
(コツコツコツコツコツコツコツコツコツコツコツコツ…)
つづいて、かわいたくつおとが聞こえた。
この時、私の目の前に白濁色の作業着姿の目つきの悪い男がやって来た。
男は、鋭い目つきで私をイカクした。
その後で、白濁色の作業着姿の男たち20人がキンショウブロックが積まれているカーゴを倉庫にハンニュウしていた。
ハンニュウが終わったあと、目つきの悪い男は私の前から立ち去った。
(ガラガラガラガラガラガラ…バターン…)
そして、電動シャッターがしまった。
このあと、私はアルミの流しの下にある工具入れを取り出して、準備に取りかかった。
白の長靴をはいて、防水エプロンをつけて、両手に加藤水産のロゴ入りの軍手をつけたあと、私は作業に取り組んだ。
(チョキンチョキンチョキンチョキンチョキンチョキンチョキン…)
私は、はさみを使ってキンショウブロックについているしいたけの実と切れ端をつみ取ってきれいにする。
実は食材用のケースに、切れ端はバケツに分けて入れる…
キンショウブロック1個とばしたら3円、それを1日に1000個とばす…
全部とばしたら、ホースの水でセンジョウする。
夕方6時過ぎに、例の男たちが積みに来る。
できあがった分の積み込みと次とばす分を積んだカーゴのハンニュウが同時に行われる。
そのたびに、目つきの悪い男が私をイカクする。
そしてまた、倉庫から出発した。
それから数分後に、私はたたみの上にあるちゃぶ台に座ったあと、平手打ちでちゃぶ台をバーンとたたいて、両手で頭を抱え込んだ。
なんやねん…
あいつらは、私にどななうらみがあるねん…
地区(ここ)の人間は、チンピラばかりだ!!
小倉(ここ)の水…
私に合わんかもしれへん…
けど、ゆめいろ市に戻りたいとは思ってへん!!
なにがゆめいろいっぱいの学園都市だ!!
なにが天国だ!!
ふざけるな!!
話しは、1987年10月1日の夜のことであった。
場所は、ゆめいろ県ゆめいろ市(空想の地名)の某所にある一戸建ての家にて…
この日、家の中で暴力事件が発生した。
私は、アメリカ合衆国の4年制ハイスクールの1年生を終えたあと、ゆめいろ市のバラ色学園高校に転学した。
校名だけバラ色の与太校である。
家は、学校に在籍している女子生徒・神辺莉江子(16歳で同学年)の家族が暮らしている。
家族構成は、莉江子と両親・智江(選挙主婦)と時彦(管理職)と兄夫婦・滋(経理職)と芳美(パート)の5人家族である。
私は、5人家族と同居していた。
その上に、もうひとり同居人がいた。
もうひとりの同居人・須波勝祝(かつのり)は、生まれた時に両親と別れて、コジインで暮らしていた。
のちに、智江と時彦が勝祝を引き取ったが、養子縁組はくんでない。
私は、神辺の家で暮らすことがイヤなので家出した。
家出した原因は、滋の暴力である。
滋は、外で気に入らんことがあるたびに勝祝に八つ当たりを繰り返していた。
なんで滋は、特定の人間ばかりに暴力をふるうのか?
私には、それが分からない…
10月1日の夜であった。
この日、勝祝は一方的に女性に想いを募らせていたことが原因で、ケーサツからケーコクを受けた。
帰宅した滋は、態度が悪い勝祝をシツヨウに殴りつけた。
「オドレ甘ったれるな!!コーコーセーのブンザイでオナゴにうつつぬかしやがって!!ケーサツからケーコク受けたオドレが全部悪いのだ!!」
芳美は、滋に同調してなまいきな口調で言うた。
「コーコーセーのホンブンはベンキョーでしょ…ドーキューセーたちが必死になってベンキョーしよんのに、あなたはなに考えとんかしらねぇ~」
滋は、勝祝に対してシツヨウに暴力をふるった。
芳美は、なまいきな表情で腕組みしていた。
滋は、家中に怒鳴り声を拡散させてイカクした。
滋の怒鳴り声は、私がいる部屋にも聞こえた。
滋は、勝祝だけではなく、私にも暴言をはきまくった。
滋は、勝祝がよその家の女性にストーカーをしていたことなどをボロクソに言うたが、私には『アメリカ合衆国の教育を受けなければならないのになんで日本へ来たのだ!?』と言うて『ジョウイだジョウイだ!!』とレンコした。
滋から『ジョウイだ!!』とレンコされた私は、激怒した。
ふざけんなよ…
オドレが私にジョウイだと言うのであれば、私もオドレら日本人と徹底抗戦をかまえるぞ!!
その翌日、私は大切なものと生活に必要なものをショルダーバックに詰めて荷造りをすませたあと、家出したった…
私が家出してから4時間半後のことであった。
バラ色学園高校で、恐ろしい事件が発生した。
滋にボコボコにいて回された勝祝は、授業中に暴力事件を起こした。
勝祝は、数人のツッパリの男子生徒に暴行を加えて大ケガを負わせた。
うち、ひとりが頭を強打したことによる脳内出血で死亡した。
勝祝は、このあとも乱闘事件を展開した。
学校は、事件の影響でこの日の授業を打ち切った。
莉江子の家では、勝祝が乱闘事件を起こしたことや私が家出したことよりも、滋の暴力が問題になっていた。
智江は『滋が勝祝くんとイワマツくんにきつい暴行を加えた原因は芳美に全部ある!!』と言うて芳美をボロクソになじりまくった。
芳美は、智江が発した言葉にブチ切れて、智江を怒鳴りつけた。
嫁姑間がひどい大ゲンカを起こした。
近所の人たちは『神辺の家のもんはなに考えとんかしら…』と言うてヒソヒソと話していた。
その間、私はゆめいろ市を出てよその街にいた。
私の心は、怒りに満ちていた。
同時に、日本で暮らして行くことがイヤになった。
こななことになるのであれば…
アメリカ合衆国のハイスクールに帰りたい…
日本の学校におったら…
私はつぶれてしまう…
(ガラガラガラガラガラガラガラガラガラガラガラガラガラガラ…)
私は、電動シャッターが上がる音におどろいて起きあがった。
(コツコツコツコツコツコツコツコツコツコツコツコツ…)
つづいて、かわいたくつおとが聞こえた。
この時、私の目の前に白濁色の作業着姿の目つきの悪い男がやって来た。
男は、鋭い目つきで私をイカクした。
その後で、白濁色の作業着姿の男たち20人がキンショウブロックが積まれているカーゴを倉庫にハンニュウしていた。
ハンニュウが終わったあと、目つきの悪い男は私の前から立ち去った。
(ガラガラガラガラガラガラ…バターン…)
そして、電動シャッターがしまった。
このあと、私はアルミの流しの下にある工具入れを取り出して、準備に取りかかった。
白の長靴をはいて、防水エプロンをつけて、両手に加藤水産のロゴ入りの軍手をつけたあと、私は作業に取り組んだ。
(チョキンチョキンチョキンチョキンチョキンチョキンチョキン…)
私は、はさみを使ってキンショウブロックについているしいたけの実と切れ端をつみ取ってきれいにする。
実は食材用のケースに、切れ端はバケツに分けて入れる…
キンショウブロック1個とばしたら3円、それを1日に1000個とばす…
全部とばしたら、ホースの水でセンジョウする。
夕方6時過ぎに、例の男たちが積みに来る。
できあがった分の積み込みと次とばす分を積んだカーゴのハンニュウが同時に行われる。
そのたびに、目つきの悪い男が私をイカクする。
そしてまた、倉庫から出発した。
それから数分後に、私はたたみの上にあるちゃぶ台に座ったあと、平手打ちでちゃぶ台をバーンとたたいて、両手で頭を抱え込んだ。
なんやねん…
あいつらは、私にどななうらみがあるねん…
地区(ここ)の人間は、チンピラばかりだ!!
小倉(ここ)の水…
私に合わんかもしれへん…
けど、ゆめいろ市に戻りたいとは思ってへん!!
なにがゆめいろいっぱいの学園都市だ!!
なにが天国だ!!
ふざけるな!!
話しは、1987年10月1日の夜のことであった。
場所は、ゆめいろ県ゆめいろ市(空想の地名)の某所にある一戸建ての家にて…
この日、家の中で暴力事件が発生した。
私は、アメリカ合衆国の4年制ハイスクールの1年生を終えたあと、ゆめいろ市のバラ色学園高校に転学した。
校名だけバラ色の与太校である。
家は、学校に在籍している女子生徒・神辺莉江子(16歳で同学年)の家族が暮らしている。
家族構成は、莉江子と両親・智江(選挙主婦)と時彦(管理職)と兄夫婦・滋(経理職)と芳美(パート)の5人家族である。
私は、5人家族と同居していた。
その上に、もうひとり同居人がいた。
もうひとりの同居人・須波勝祝(かつのり)は、生まれた時に両親と別れて、コジインで暮らしていた。
のちに、智江と時彦が勝祝を引き取ったが、養子縁組はくんでない。
私は、神辺の家で暮らすことがイヤなので家出した。
家出した原因は、滋の暴力である。
滋は、外で気に入らんことがあるたびに勝祝に八つ当たりを繰り返していた。
なんで滋は、特定の人間ばかりに暴力をふるうのか?
私には、それが分からない…
10月1日の夜であった。
この日、勝祝は一方的に女性に想いを募らせていたことが原因で、ケーサツからケーコクを受けた。
帰宅した滋は、態度が悪い勝祝をシツヨウに殴りつけた。
「オドレ甘ったれるな!!コーコーセーのブンザイでオナゴにうつつぬかしやがって!!ケーサツからケーコク受けたオドレが全部悪いのだ!!」
芳美は、滋に同調してなまいきな口調で言うた。
「コーコーセーのホンブンはベンキョーでしょ…ドーキューセーたちが必死になってベンキョーしよんのに、あなたはなに考えとんかしらねぇ~」
滋は、勝祝に対してシツヨウに暴力をふるった。
芳美は、なまいきな表情で腕組みしていた。
滋は、家中に怒鳴り声を拡散させてイカクした。
滋の怒鳴り声は、私がいる部屋にも聞こえた。
滋は、勝祝だけではなく、私にも暴言をはきまくった。
滋は、勝祝がよその家の女性にストーカーをしていたことなどをボロクソに言うたが、私には『アメリカ合衆国の教育を受けなければならないのになんで日本へ来たのだ!?』と言うて『ジョウイだジョウイだ!!』とレンコした。
滋から『ジョウイだ!!』とレンコされた私は、激怒した。
ふざけんなよ…
オドレが私にジョウイだと言うのであれば、私もオドレら日本人と徹底抗戦をかまえるぞ!!
その翌日、私は大切なものと生活に必要なものをショルダーバックに詰めて荷造りをすませたあと、家出したった…
私が家出してから4時間半後のことであった。
バラ色学園高校で、恐ろしい事件が発生した。
滋にボコボコにいて回された勝祝は、授業中に暴力事件を起こした。
勝祝は、数人のツッパリの男子生徒に暴行を加えて大ケガを負わせた。
うち、ひとりが頭を強打したことによる脳内出血で死亡した。
勝祝は、このあとも乱闘事件を展開した。
学校は、事件の影響でこの日の授業を打ち切った。
莉江子の家では、勝祝が乱闘事件を起こしたことや私が家出したことよりも、滋の暴力が問題になっていた。
智江は『滋が勝祝くんとイワマツくんにきつい暴行を加えた原因は芳美に全部ある!!』と言うて芳美をボロクソになじりまくった。
芳美は、智江が発した言葉にブチ切れて、智江を怒鳴りつけた。
嫁姑間がひどい大ゲンカを起こした。
近所の人たちは『神辺の家のもんはなに考えとんかしら…』と言うてヒソヒソと話していた。
その間、私はゆめいろ市を出てよその街にいた。
私の心は、怒りに満ちていた。
同時に、日本で暮らして行くことがイヤになった。
こななことになるのであれば…
アメリカ合衆国のハイスクールに帰りたい…
日本の学校におったら…
私はつぶれてしまう…
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...
MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。
ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。
さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?
そのほかに外伝も綴りました。
母の下着 タンスと洗濯籠の秘密
MisakiNonagase
青春
この物語は、思春期という複雑で繊細な時期を生きる少年の内面と、彼を取り巻く家族の静かなる絆を描いた作品です。
颯真(そうま)という一人の高校生の、ある「秘密」を通して、私たちは成長の過程で誰もが抱くかもしれない戸惑い、罪悪感、そしてそれらを包み込む家族の無言の理解に触れます。
物語は、現在の颯真と恋人・彩花との関係から、中学時代にさかのぼる形で展開されます。そこで明らかになるのは、彼がかつて母親の下着に対して抱いた抑えがたい好奇心と、それに伴う一連の行為です。それは彼自身が「歪んだ」と感じる過去の断片であり、深い恥ずかしさと自己嫌悪を伴う記憶です。
しかし、この物語の核心は、単なる過去の告白にはありません。むしろ、その行為に「気づいていたはず」の母親が、なぜ一言も問い詰めず、誰にも告げず、ただ静かに見守り続けたのか——という問いにこそあります。そこには、親子という関係を超えた、深い人間理解と、言葉にされない優しさが横たわっています。
センシティブな題材を、露骨な描写や扇情的な表現に頼ることなく、あくまで颯真の内省的な視点から丁寧に紡ぎ出しています。読者は、主人公の痛みと恥ずかしさを共有しながら、同時に、彼を破綻から救った「沈黙の救済」の重みと温かさを感じ取ることでしょう。
これは、一つの過ちと、その赦しについての物語です。また、成長とは時に恥ずかしい過去を背負いながら、他者の無償の寛容さによって初めて前を向けるようになる過程であること、そして家族の愛が最も深く現れるのは、時に何も言わない瞬間であることを、静かにしかし確かに伝える物語です。
どうか、登場人物たちの静かなる心の襞に寄り添いながら、ページをめくってください。
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
秘書と社長の秘密
廣瀬純七
大衆娯楽
社内の調査のため、社長・高橋健一はこっそり秘書・木村由紀と不思議なアプリで入れ替わることに。
突然“社長役”を任された由紀と、自由に動ける立場を手に入れた高橋。
ふたりの秘密の入れ替わり作戦は、どの様な結末になるのか?
同じアパートに住む年上未亡人美女は甘すぎる。
ピコサイクス
青春
大学生の翔太は、一人暮らしを始めたばかり。
真下の階に住むのは、落ち着いた色気と優しさを併せ持つ大人の女性・水無瀬紗夜。
引っ越しの挨拶で出会った瞬間、翔太は心を奪われてしまう。
偶然にもアルバイト先のスーパーで再会した彼女は、翔太をすぐに採用し、温かく仕事を教えてくれる存在だった。
ある日の仕事帰り、ふたりで過ごす時間が増えていき――そして気づけば紗夜の部屋でご飯をご馳走になるほど親密に。
優しくて穏やかで――その色気に触れるたび、翔太の心は揺れていく。
大人の女性と大学生、甘くちょっぴり刺激的な同居生活(?)がはじまる。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる