【最恐マミーオカルト】いらくさの家

佐伯達男

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第20話

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7月21日のことであった。

中学校の修学旅行が近づいていたので、ふさこと同じ学年の子たちは修学旅行へ行く準備をしていた。

しかし、ふさこはひねくれていたので、修学旅行へ行く準備をしなかった。

今のふさこの気持ちは、修学旅行に向いていなかった。

多香子は、ふさこが楽しく修学旅行の準備をしているだろうなと想って、夕食は沖縄料理を作ろうと思っていた。

しかし、多香子はBS12チャンネルで毎日放映されている韓流ドラマに夢中になっていたので、材料の買い出しに行く時間をきれいに忘れていた。

多香子は、その上にBS11チャンネルで放映されている韓流ドラマも続きが気になっていたので続けてテレビを見ていた。

夕方6時前になって、食材の買い出しに行く時間をきれいに忘れていたことに気がついたので、うろたえていました。

仕方がないので、おとなりさんの奥さまからゆうべの残り物のカレーをいただいて、カレーライスに変更した。

そんな時であったが、あきひこは職場の若い従業員さんたちの晩ごはんのお世話を主任から頼まれていたので、晩ごはんはいらないと多香子に電話をした後、若い従業員さんたち8人と副主任の男性と一緒に下妻駅の商店街の中にある居酒屋へ行った。

あきひこは、上司から若い従業員さんたちの晩ごはんのお世話を頼むと連日のように言われ続けていたので、ものすごくイヤな表情をしていた。

主任は、あきひこに『若い従業員さんたちは親御さんから『男子チュウボウに入るべからず』と厳しく言われていて料理をすることができないのだよぅ…フケーキでお給料をあげることができないからお嫁さんをもらうことができなくなったから、ガマンするしかないのだよ…(今は野党になっている政党の)政権が犯したあやまちが原因で国力が落ちているから景気が悪い状態がずっとつづくからお給料をあげることができないのだよぅ…』と言うて、若い従業員さんたちを助けてほしいとお願いしていた。

しかし、あきひこは『何が男子チュウボウに入るべからずだ!!いいわけばかりを言って甘ったれているようだ!!』と怒っている。

主任が『若い従業員さんたちのお給料が上がるまでの間まではガマンしてくれ…』とあきひこに言ったので、あきひこは若い従業員さんたちに強烈な声で言うことができなかった。

ところ変わりまして、居酒屋の座敷席にて…

テーブルの上には、お料理15品と瓶ビールの瓶がたくさん並べられていた。

若い従業員さんたち8人は、毎晩のようにあきひこのサイフばかりをあてにしていたので『このままでは、ぼくたちはダメになってしまう。』とより強い危機感を抱いていた。

それと同時に、彼らはものすごく気まずい表情をしていた。

「なあ…」
「なんだよぅ…」
「やりずれーじゃねえかよ…」
「なに言うとんぞ…」
「毎晩毎晩、三河島さんのサイフばかりをあてにして飲み食いばかり続けていたら…オレたち…ホンマにダメになってしまうよ…」
「何を言っているのだよ…」
「だってそうじゃねえかよ…」
「おれたち、このままだと一生独身になってしまうのだぞ…」
「そうだよ。」
「やっぱり、共稼ぎでもいいから結婚したいよぅ…」
「そうだな…」
「お嫁さんは専業主婦に限るなんて言うから、おれたちは結婚できないのだよ。」
「そうだな…」

あきひこは、さらにしかめた表情で彼らをみつめていたので、若い従業員さんたち8人はますますイヤな表情になっていた。

あきひこがものすごくしかめた表情になっていたのを見た主任は、冷や汗まみれの表情になっていたが、おだやかな声で8人の若い従業員さんたちに言うた。

「ああ…みんな…せっかく三河島さんが費用を出して下さると言っているのだから、みんなで楽しく過ごしたらどうかなァ…」

しかし、彼らは主任の言葉に対して、ものすごくつらそうな表情で言うた。

「楽しく過ごせと言ってもだ…」
「そうだよ…」
「主任は、毎晩毎晩三河島さんのサイフばかりをあてにしているけど、そんなことしていたらどうなるのかわかっているのでしょうか?」
「そうですよ…このままでは、オレたちはホンマにダメになってしまうねん。」
「そうだよ…」
「三河島さんにもうしわけないと想うねん。」
「主任、どうしてぼくたちは結婚できんのですか?」
「少ないお給料だからお嫁さんを養えないと言うからできないのですよ。」
「共稼ぎの夫婦はダメと言うたけど、それはどういう意味なのでしょうか!?」
「そういう主任の家はどうなのでしょうか?」
「説明せえよ!!」

8人の若い従業員さんたちは、口々に男性に文句を言いまくっていたので、主任はものすごく困った表情で言うた。

「みんなの気持ちはよくわかるよ…三河島さんにもうしわけないと思っているのであればお給料が上がるように努力すればいいだけのことじゃないのかなぁ…そのためにはまずお腹いっぱいにごはんを食べて、力をつけることだと思うのだけど…」

主任の問いに対して、8人の若い従業員さんたちは『はいそうです。』と力ない声で答えた。

主任は彼らにこう言うた。

「みんなのお給料が上がったら、三河島さんに恩返しをすればいいだけのことじゃないか…せっかく三河島さんが費用を出して下さるのだから晩ごはんを食べなさい…そして、明日もまた元気な顔で出勤して働きなさい。」

主任の言葉を聞いた8人の若い従業員さんたちは『わーいうれしいなぁ。』とうれしい表情で言うたあと、飲食を始めた。

あきひこは、会計場でおかんじょうを済ませたあと、居酒屋から出て行った。

その間に、彼らはあきひこが費用を全部出して下さると思い上がっていたので、大量にアルコール類の追加注文を続けていた。

主任も、あきひこが追加料金を払うだろうと想っていたので、8人の若い従業員さんたちを甘やかすだけ甘やかしていた。

さて、その頃でありました。

多香子とふさこは、家の居間でわびしい夕食を摂っていました。

多香子は、ふさこに『今夜は沖縄料理を作るから楽しみにしていてね。』と言ったのに、おとなりさんのお残りのカレーライスに変更したので、ものすごくもうしわけない表情をしていた。

どうしよう…

ふさこちゃんにどうやっておわびを言えばいいのかわからない…

どうしよう…

多香子は、ふさこを傷つけないようにと想って、やさしい声で言うた。

「ふさこちゃん…もうすぐ修学旅行よね…ふさこちゃんは沖縄の班だったかなぁ…」
「……………」
「ふさこちゃん、修学旅行の準備は進んでいるかなぁ…」
「…………………」
「ふさこちゃん…ふさこちゃん、みんなは修学旅行の準備をしているのよ!!修学旅行の準備をしないと修学旅行に行くことができなくなるのよ!!」

(バシャッ!!)

ものすごくイラついていたふさこは、タンブラーに入っているミネラルウォーターを多香子に思いきりかけた。

「ふさこちゃん!!どうしてそんなに怒っているのよ!!おかーさんはふさこちゃんが楽しく修学旅行の準備をしているかなって聞いただけなのに…」
「やかましいわね!!何なのよあんたは一体!!修学旅行のおカネをドロボーしておいて何なのよ!!」
「ふさこちゃん…修学旅行の費用を払わなかったって…それどういうわけなのかしら!?」
「アタシの修学旅行の費用をおとーさんがドロボーした!!おかーさんはドロボーをヨウゴしたから許さない!!」

(ガラガラガラガシャーン!!)

ふさこは、食卓をひっくり返した後に手当たり次第に多香子に物を投げつけて攻撃した。

どうして…

どうしてなの…

アタシ…

なーんにも悪いことしていないのに…

どうしてふさこちゃんから暴力をふるわれないといけないのよ…

どうしてなの…

ねえ、どうしてなのよ…

そして、深夜4時過ぎに深刻な事件が発生した。

あきひこのおごりで飲食をしていた8人の若い従業員さんたちは、追加料金でオーダーのアルコール類を大量に注文して、ぐでんぐでんに酔っぱらってしまうまで飲みつづけていたので、その場から動けなくなっていた。

この時、主任は顧客からのクレームの電話があったので、8人の若い従業員さんたちに『クレームの電話がかかってきたので、対応が終わったら戻ってくるから…』と言うて、店から出て行った。

深夜4時過ぎても、主任はクレーム対応に手間取っていたので、彼らのもとへ戻ることができなかった。

そんな中であった。

店では、ラストオーダーを70分以上過ぎているのに奥座敷からお客様が出て来ないので店員さんが駆けつけてきた。

この時、8人の若い従業員さんたちが大きなイビキをかいて寝ていた。

店員さんが彼らを起こそうとしていたが、彼らは『起きれない』『しんどい』などと言うて、再びイビキをかいて寝ていた。

この時、一番年齢が下の若い従業員さんのズボンのポケットからサイフがこぼれ落ちていたので、店員さんがサイフを広げてみた。

そしたら、サイフの中が空っぽになっていたことに店員さんが気がついたので、顔が真っ青になっていた。

他の7人の若い従業員さんたちも、サイフを持っていなかったので、彼らが無銭飲食をしていたことが発覚した。

「店長!!ケーサツ呼んでくれ!!ムセンインショクだ!!」

8人の若い従業員さんたちは、大きなイビキをかいて寝ている間にかけつけて来た警察官たち24人にボコボコになるまで暴行されたあと、強制的に連行された。

8人の若い従業員さんたちは、それから数時間後に警察署の留置場に収容された。

彼らは、強制的にケーサツに連行されたあと、取調室で20人以上の刑事たちから暴行を受けて、ボロボロに傷ついてしまった。

それから二時間半後のことであった。

多香子とふさこがいる部屋にあきひこの職場の上司から電話がかかっていたので、多香子が電話の応対に出ていた。

「もしもし…ダンナはまだ帰宅をしていません…分かりました…ダンナが帰ってきましたら電話をするように伝えておきます…ごめいわくをおかけいたしましてすみませんでした…」

多香子が受話器を置いた時に、あきひこが真っ青な表情で帰宅した。

多香子は、あきひこの顔を見るなりくってかかっていった。

「あなた!!あなたは一体何を考えて行動しているのかしら!!」
「多香子…」
「今さっき職場の上司からあんたに電話がかかってきたのよ!!ゆうべ、8人の若い従業員さんたちがムセンインショクをしていたので、ケーサツに逮捕されてしまった…従業員さんたちが取調室で刑事たちからよりきつい暴行を受けてしまったのよ!!あんたはその間どこで何をしていたのかしら!!」
「多香子…多香子…」

多香子は、思いきりキレていたので、あきひこを突き飛ばして倒した後、手当たり次第にあきひこに物を投げつけて攻撃をして、硬い物であきひこの背中をシツヨウに殴り付けた。

「多香子…多香子…許してくれ…」
「やかましいわね!!家の貯金をドロボーしておいてまだいいわけばかり言うのね!!ドロボーテイシュ!!あんたと再婚したのでアタシはボロボロに傷ついてしまったのよ!!どーしてくれるのよ!!」

多香子は、あきひこがボロボロに傷つくまで殴り付けた後『家庭よりも職場の若い従業員さんの方がかわいいと言うのだったら出て行きなさい!!』と言うたあと、足であきひこをふみつけてグチョグチョに傷つけて、家から追いだした。

家から追い出されたあきひこは、フラフラと歩いてどこかへ行っていた。

サイアクだわ…

どうしてアタシはドロボーテイシュと再婚なんかしたのかな…

こんなことになるのだったら…

再婚しない方がよかったみたい…
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