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死期取扱株式会社
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「こんにちは!
死期取扱株式会社から参りました、遠藤と申します。」
その男が私の元にやってきたのはよく晴れた夏の日だった。
「死期取扱株式会社?そんなの聞いたことないね。」
「えぇ、何しろ最近出来たばかりの会社でして。」
男のニコニコした顔が私をイラつかせた。
「へー、具体的にあんたらはどういう活動をしてんの?」
「私たちの仕事はごく簡単なことでございます。
余命が一週間以内の方々の家を訪問し、残りの命を有意義に過ごしてもらう。というプロジェクトをしております。」
この男は何を言っているのだろう。
私が一週間で死ぬとでもいいたいのか。
「あいにく、私は健康そのものでね、死ぬ予定はまだまだないんだ。
他を当たってくれたまえ。」
「いえ、あなたの死因は病死ではなく、打撲による出血死で、死亡予定時刻は3日後となってございますので、健康は関係ないのです。」
男は私が死ぬのが確定事項といった風潮でそう言った。
「詐欺にしてももっとうまいやり方があると思うがね。
とにかく、もう帰ってくれ。」
「ならば、せめてパンフレットだけでもお受けとりください!」
「いらん!」
「お願いします。もらってくれれば帰ります。」
帰るのならと、私はパンフレットを受け取った。
しかしそれ以上にこの会社に興味を持ち始めている自分がいた。
男が帰った後、私はパンフレットを見ることにした。
パンフレットは数十ページに渡り、事業に対する熱い思いが感じられた。
簡単に言うと彼らは独自の技術で余命を明確に読み当てる技術を持っており、それを使って余命宣告を行なっているのだそうだ。
詐欺にしては妙に凝った作りとなっていた。
パンフレットを読み終えた頃、時刻はすでに10時となっており、仕事で疲れていた私はそのまま眠りに落ちてしまった。
次の日、日曜日にもかかわらず男は朝の10時に現れた。
「パンフレットお読みになっていただけたでしょうか。」
「あぁ、読んだよ詐欺にしては立派なパンフレットだったな。」
「詐欺ではありません!
これは本当のことなのです。」
「じゃぁ証拠を見せてくれよ。」
そう言うと、男は待ってましたと言わんばかりの風貌で時計を見た。
「そう言われると思ったので、今日死亡予定の男が近くにいるので見に行きませんか?」
男は不気味なほどニコニコした顔でそう言う。
「へぇ、見せれるものなら見せてくれよ」
私は男について行くことにした。
男は私を近くの踏み切りまで誘導した。
「反対車線の踏み切りに入る左側の男性がいるでしょ。あの男性今から5秒後に線路に飛び込み自殺します」
男がそう言う放つと、電車は踏切を通過しようと
こちらに向かってきた。
すると、男のいう通り、反対車線の男性は線路に飛び込み、自殺をしてしまった。
「嘘だろ、、」
「まだ信じてくれませんか。」
「知ってたならなぜ助けなかった!」
「運命は変えては行けないことになっておるのです。」
「お、俺もあんなふうに、死ぬのか?」
「どうゆう死に方か、詳しくは私にもわかりませぬが、打撲による出血死と聞いております。」
私の頭の中にある考えが浮かんだ。
「お、お前らが殺したんだ!
運命とか、何とか、言って本当はおまえらがころしたんだろ!」
「いえ、そんなことはございません。
あの男は自分の意思で飛び込んだのです。」
「俺は殺されないぞ!」
私は逃げた。
奴らに見つかったら殺される。
男はどこまでも追ってきた。いくら逃げても奴は平然とした顔でこう言うのだった。
「残された時間を有意義にお過ごしください!」
その手には乗ってたまるか。
私は逃げに逃げ、きたことのない街のビルまで来ていた。
「時間はあと少ししかごさいません。
どうか有意義なことに時間を使ってください。」
奴がきた。
わたしはビルの二階へ、三階へ、そして屋上へと逃げた。
しかし、男はどこまでも追ってきた。
「やめろ、俺を殺さないでくれ。」
「殺す気などございません。」
ふと下を見ると、そこには硬そうなコンクリートが広がっていた。
「わかった、ここから俺を落とす気だろ?
お前に落とされるくらいなら俺は自分から落ちるぞ。」
男は黙っている。
「じゃぁな」
私が地面から体を離すと、重力に従い私は真っ直ぐに落ちていった。
途切れる意識の中で屋上にいる男がこう呟いた。
「死期をお守り頂き、誠にありがとうございます!」
死期取扱株式会社から参りました、遠藤と申します。」
その男が私の元にやってきたのはよく晴れた夏の日だった。
「死期取扱株式会社?そんなの聞いたことないね。」
「えぇ、何しろ最近出来たばかりの会社でして。」
男のニコニコした顔が私をイラつかせた。
「へー、具体的にあんたらはどういう活動をしてんの?」
「私たちの仕事はごく簡単なことでございます。
余命が一週間以内の方々の家を訪問し、残りの命を有意義に過ごしてもらう。というプロジェクトをしております。」
この男は何を言っているのだろう。
私が一週間で死ぬとでもいいたいのか。
「あいにく、私は健康そのものでね、死ぬ予定はまだまだないんだ。
他を当たってくれたまえ。」
「いえ、あなたの死因は病死ではなく、打撲による出血死で、死亡予定時刻は3日後となってございますので、健康は関係ないのです。」
男は私が死ぬのが確定事項といった風潮でそう言った。
「詐欺にしてももっとうまいやり方があると思うがね。
とにかく、もう帰ってくれ。」
「ならば、せめてパンフレットだけでもお受けとりください!」
「いらん!」
「お願いします。もらってくれれば帰ります。」
帰るのならと、私はパンフレットを受け取った。
しかしそれ以上にこの会社に興味を持ち始めている自分がいた。
男が帰った後、私はパンフレットを見ることにした。
パンフレットは数十ページに渡り、事業に対する熱い思いが感じられた。
簡単に言うと彼らは独自の技術で余命を明確に読み当てる技術を持っており、それを使って余命宣告を行なっているのだそうだ。
詐欺にしては妙に凝った作りとなっていた。
パンフレットを読み終えた頃、時刻はすでに10時となっており、仕事で疲れていた私はそのまま眠りに落ちてしまった。
次の日、日曜日にもかかわらず男は朝の10時に現れた。
「パンフレットお読みになっていただけたでしょうか。」
「あぁ、読んだよ詐欺にしては立派なパンフレットだったな。」
「詐欺ではありません!
これは本当のことなのです。」
「じゃぁ証拠を見せてくれよ。」
そう言うと、男は待ってましたと言わんばかりの風貌で時計を見た。
「そう言われると思ったので、今日死亡予定の男が近くにいるので見に行きませんか?」
男は不気味なほどニコニコした顔でそう言う。
「へぇ、見せれるものなら見せてくれよ」
私は男について行くことにした。
男は私を近くの踏み切りまで誘導した。
「反対車線の踏み切りに入る左側の男性がいるでしょ。あの男性今から5秒後に線路に飛び込み自殺します」
男がそう言う放つと、電車は踏切を通過しようと
こちらに向かってきた。
すると、男のいう通り、反対車線の男性は線路に飛び込み、自殺をしてしまった。
「嘘だろ、、」
「まだ信じてくれませんか。」
「知ってたならなぜ助けなかった!」
「運命は変えては行けないことになっておるのです。」
「お、俺もあんなふうに、死ぬのか?」
「どうゆう死に方か、詳しくは私にもわかりませぬが、打撲による出血死と聞いております。」
私の頭の中にある考えが浮かんだ。
「お、お前らが殺したんだ!
運命とか、何とか、言って本当はおまえらがころしたんだろ!」
「いえ、そんなことはございません。
あの男は自分の意思で飛び込んだのです。」
「俺は殺されないぞ!」
私は逃げた。
奴らに見つかったら殺される。
男はどこまでも追ってきた。いくら逃げても奴は平然とした顔でこう言うのだった。
「残された時間を有意義にお過ごしください!」
その手には乗ってたまるか。
私は逃げに逃げ、きたことのない街のビルまで来ていた。
「時間はあと少ししかごさいません。
どうか有意義なことに時間を使ってください。」
奴がきた。
わたしはビルの二階へ、三階へ、そして屋上へと逃げた。
しかし、男はどこまでも追ってきた。
「やめろ、俺を殺さないでくれ。」
「殺す気などございません。」
ふと下を見ると、そこには硬そうなコンクリートが広がっていた。
「わかった、ここから俺を落とす気だろ?
お前に落とされるくらいなら俺は自分から落ちるぞ。」
男は黙っている。
「じゃぁな」
私が地面から体を離すと、重力に従い私は真っ直ぐに落ちていった。
途切れる意識の中で屋上にいる男がこう呟いた。
「死期をお守り頂き、誠にありがとうございます!」
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