ヒアカムザサン

NaRu

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颯太の相手を探そうとお店でいろんな人に声かけてみた。
でもみんな笑ってとりあってくれへん。
やっぱ世間的には男同士って難しいんかな?
俺はなんとも思わんけど。
颯太は優しいし綺麗やし可愛いし。
誰でも好きになると思うんやけどな。
そんな時、まともに話を聞いてくれそうな男の子発見。
よく来てくれる常連の閑ちゃん。
また髪の色変えてるわぁ。

「閑ちゃん、今日は一人なんか?」

「うん。」

あれ?
なんか元気ないなぁ。
いつも一緒にきてる悠真がおらんし。

「どないしたんや。」

「悠真とケンカした。」

「なんでや、二人めっちゃ仲良かったやん。」

二人は幼馴染みで小中校ずっと一緒で今でも仲がいい。

「悠真がキスしてん。」

「え?」

「俺にキスしてきてん。」

「酔っぱらってノリでとかじゃなく?」

「うん。シラフのときに。で、言うてきてん。好きやって。」

「え?!」

「で、俺はパニクって逃げてもてん。でも、あかんと思って話しようと家に行ったら女の子家に連れ込んでて。」

で、ケンカしたんか。

「閑ちゃんはどう思ってるん?悠真のこと。」

「優しいし、可愛いとこもあるし、一緒におったら楽しいし、落ち着くし。」

それって俺が颯太に思ってることと一緒やな。

「確かに他の女とおるとこ見て、ちょっと嫉妬した。」

「そうか。閑ちゃんは悠真が好きなんやな。」

「うん。やっと気付いたわ。」

「悠真のとこ行ったり。きっとめっちゃ落ちこんでるで。」

俺は閑ちゃんを送り出した。
颯太の相手見つけるって意気込んでたけど、実際見つかって上手くいった時俺は喜べるんかな?
今だって巽とかいう奴と、、、

「どーしてん、お前さっきから百面相やで。」

畑ちゃんに聞かれるまで気付かんかった。

「いや、なんでもない。」

「望、こないだ来てた巽とかいう奴と上手くいったみたいやで。」

「え?」

「見たらわかるわ。ほら、迎えにきてるし。」

二人が仲良く帰っていく後ろ姿を見た。
じゃあ颯太は、一人になってもたんか。

「畑ちゃん、ごめん。店閉めといてくれる?」

俺はそう言って颯太の元に向かった。
颯太の家はなんとなく覚えてて探してたらタクシーが一台止まった。
颯太が降りてきて、男がタクシーから手を振っている。
そうか、、、
俺分かってなかった。
颯太は巽じゃなくてもいいんや。
誰でもいいってことなんや。

「秋?どないしたん?」

颯太が近づいてくる。

「颯太は誰でもエエんやな。俺、分かってなかった。」

「え?」

「ごめん、俺もう颯太の相手探されへんわ。」

そう言って俺は逃げた。
どこにいけばいいのか。
どこにいきたいのか。
でも、ただ1つ分かってることがある。
俺は

俺は颯太が好きなんだということ。
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