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幼少期編
3.家族の秘密
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夜になり、お父さんとお母さんが僕と向き合う様に座った。
お父さんは息を吐いてから「テオの生まれについて話す」とお父さんに言われた。
僕は固まった。その時が来たのだと。
その隣でお母さんは静かに聞いていた。
「テオは私と母と違ってヒトではない。だが、私たちの子だ」
僕は戸惑った。
「え…どういうことですか?」と恐る恐るお父さんに聞いた。
「お母さんには、赤ん坊がいたんだ。産まれた時には死んでいた。揺り籠に蓋をして、私たちは埋めたんだ」
お父さんは話を続けた。
「5年前に、お墓を建てた場所にいつも通りに来ていたら、埋めた筈の揺り籠が置いてあった。そのお墓は無くなっていた、最初は掘り返されたのかと驚いた」
「私はすぐに気づいた。運命だと思った。きっと私たちの子を神様は生まれ変わらせたのだと。」
「その墓はその後どうなったの?」と僕は聞いた。
「私とお母さんはお墓があった所を掘り返してみたが、元から何も無かった状態だった」
そして、お母さんが口を開いた。
「似た様な事例があるか調べたら、凄い文献があったのよ。数百年前に黄泉還りというものがあったらしいのよ。きっとテオは神様に命を与えてくださったのよ」
僕は戸惑った。顔にも口に表情が出せなかった。耳と尻尾はどうなっているかは気にしない。転生先が死んだ赤ん坊だったことはわかった。それを聞いて黒い影の仕業なのだと思った。
「分かる事はここまでだが、テオがどんな姿になっても家族だ!」とお父さんは笑顔で言ってくれた。
その事を聞いて、お母さんに泣きそうな顔で「抱っこ」と言った。精神的にも子供になった僕は表情がわかりやすいのだ。このフサフサな耳と尻尾があるお陰でだ。
「あらあら、今日はここまでにしましょうか」と笑顔で、お母さんはお父さんの方に向けて頷いた。お母さんは、僕を抱っこして寝室に向かった。
僕はお父さんとお母さんの子だとわかってから嬉しかった反面、黒い影の事を笑顔は趣味が悪いなと思い出しながら寝付くのであった。
◇
●アルロ
テオに出生を話した後、机の上にある招待状の事で悩んでいた。
私たちの家族には様々な秘密がある。
私の妻エラ以外に、テオの生まれについても伝えていないし、猫人族である事も誰にも言っていない。
私の父上は、この世には既にいないが、前王の王弟殿下であった。これはエラの公爵家と王族一部のみの秘密である。
私が執事だった理由は、王族の執事をしていた為、血縁者である者しかできないからだ。
他には私の妻エラが元公爵家の理由だ。
私が15際の頃、当時王女殿下の執事であった私がエラの誕生日パーティーに招待され、王女殿下と挨拶をする時に「王女殿下の執事を私に下さいっ!」というのが発端だった。つまりは婚約者となって下さいと言っていると同じだった。
当時10歳のエラの誕生日で、私に一目惚れをした。エラは私の主人に手伝ってもらい、エラの婚約者になった。婚期は15歳で、王女殿下の執事をしていたので、任期で2年程ズレてしまったが、エラは待ってくれており、家族になった。
今はエラと可愛いテオが居てくれるお陰で、幸せに暮らしている。だが、今ある幸せもいつまで続くかはわからない中、私はテーブルの上にある招待状を見つめる。
エラの兄であり、その子供である。クロリーチェ公爵家の娘が5歳を迎える為、誕生日に呼ばれている事だ。勿論行かない訳にも行かず、テオの事を連れて行く事に頭を悩ますのだった。
テオが猫人族な事は勿論だが、何より姿が幼い時のエラに似ており、それに猫耳と尻尾が付いているのだ。本当に男の子なのか?テオは…
◇
●次の日
テオは「すぐ近くの森にお出掛けしてくる」と言って、エラに「いってらっしゃい」と言ってテオが出たのを見送った後に、アルロはエラに相談した。
「エラの兄上の娘が誕生日の招待状が送って来ているんだけど、確実にテオの事に気づいている」
「それはここ数年間、貴方が顔をデレデレしながら仕事していたからでしょう」
「ああ、反省してる。けど、テオが成長する毎に可愛くなっているんだ」
「それは同意見ね。フサフサの耳と尻尾は反則だわ」
その頃、話し込んでいた時、外からこっそり僕の耳をピョコピョコ動かしながら、お父さんとお母さんの話を聞いていた。すぐに話が脱線したので、聞くのを止めた。
内容はテオが可愛いという親バカ話ばかりだった。
お父さんは息を吐いてから「テオの生まれについて話す」とお父さんに言われた。
僕は固まった。その時が来たのだと。
その隣でお母さんは静かに聞いていた。
「テオは私と母と違ってヒトではない。だが、私たちの子だ」
僕は戸惑った。
「え…どういうことですか?」と恐る恐るお父さんに聞いた。
「お母さんには、赤ん坊がいたんだ。産まれた時には死んでいた。揺り籠に蓋をして、私たちは埋めたんだ」
お父さんは話を続けた。
「5年前に、お墓を建てた場所にいつも通りに来ていたら、埋めた筈の揺り籠が置いてあった。そのお墓は無くなっていた、最初は掘り返されたのかと驚いた」
「私はすぐに気づいた。運命だと思った。きっと私たちの子を神様は生まれ変わらせたのだと。」
「その墓はその後どうなったの?」と僕は聞いた。
「私とお母さんはお墓があった所を掘り返してみたが、元から何も無かった状態だった」
そして、お母さんが口を開いた。
「似た様な事例があるか調べたら、凄い文献があったのよ。数百年前に黄泉還りというものがあったらしいのよ。きっとテオは神様に命を与えてくださったのよ」
僕は戸惑った。顔にも口に表情が出せなかった。耳と尻尾はどうなっているかは気にしない。転生先が死んだ赤ん坊だったことはわかった。それを聞いて黒い影の仕業なのだと思った。
「分かる事はここまでだが、テオがどんな姿になっても家族だ!」とお父さんは笑顔で言ってくれた。
その事を聞いて、お母さんに泣きそうな顔で「抱っこ」と言った。精神的にも子供になった僕は表情がわかりやすいのだ。このフサフサな耳と尻尾があるお陰でだ。
「あらあら、今日はここまでにしましょうか」と笑顔で、お母さんはお父さんの方に向けて頷いた。お母さんは、僕を抱っこして寝室に向かった。
僕はお父さんとお母さんの子だとわかってから嬉しかった反面、黒い影の事を笑顔は趣味が悪いなと思い出しながら寝付くのであった。
◇
●アルロ
テオに出生を話した後、机の上にある招待状の事で悩んでいた。
私たちの家族には様々な秘密がある。
私の妻エラ以外に、テオの生まれについても伝えていないし、猫人族である事も誰にも言っていない。
私の父上は、この世には既にいないが、前王の王弟殿下であった。これはエラの公爵家と王族一部のみの秘密である。
私が執事だった理由は、王族の執事をしていた為、血縁者である者しかできないからだ。
他には私の妻エラが元公爵家の理由だ。
私が15際の頃、当時王女殿下の執事であった私がエラの誕生日パーティーに招待され、王女殿下と挨拶をする時に「王女殿下の執事を私に下さいっ!」というのが発端だった。つまりは婚約者となって下さいと言っていると同じだった。
当時10歳のエラの誕生日で、私に一目惚れをした。エラは私の主人に手伝ってもらい、エラの婚約者になった。婚期は15歳で、王女殿下の執事をしていたので、任期で2年程ズレてしまったが、エラは待ってくれており、家族になった。
今はエラと可愛いテオが居てくれるお陰で、幸せに暮らしている。だが、今ある幸せもいつまで続くかはわからない中、私はテーブルの上にある招待状を見つめる。
エラの兄であり、その子供である。クロリーチェ公爵家の娘が5歳を迎える為、誕生日に呼ばれている事だ。勿論行かない訳にも行かず、テオの事を連れて行く事に頭を悩ますのだった。
テオが猫人族な事は勿論だが、何より姿が幼い時のエラに似ており、それに猫耳と尻尾が付いているのだ。本当に男の子なのか?テオは…
◇
●次の日
テオは「すぐ近くの森にお出掛けしてくる」と言って、エラに「いってらっしゃい」と言ってテオが出たのを見送った後に、アルロはエラに相談した。
「エラの兄上の娘が誕生日の招待状が送って来ているんだけど、確実にテオの事に気づいている」
「それはここ数年間、貴方が顔をデレデレしながら仕事していたからでしょう」
「ああ、反省してる。けど、テオが成長する毎に可愛くなっているんだ」
「それは同意見ね。フサフサの耳と尻尾は反則だわ」
その頃、話し込んでいた時、外からこっそり僕の耳をピョコピョコ動かしながら、お父さんとお母さんの話を聞いていた。すぐに話が脱線したので、聞くのを止めた。
内容はテオが可愛いという親バカ話ばかりだった。
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