そこは夢の詰め合わせ

らい

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紫蘭

48.道の途中

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そこは道の途中。ある店がある。団子を売っている道の途中の店。その木の扉を開けて中に入るとそこには綺麗な黒髪をした女性が旅人に団子を渡しているところだった。

「あ~いらっしゃいませ!団子屋『紫蘭』へようこそいらっしゃいました。お好きな席にお座りくださいね」

私は言われるがままに外の風景が見れる窓の近くに座った。私は抹茶と三色団子を頼むとその分のお金を払い、外の風景を見ていた。

「どうぞ~団子と抹茶です。ゆっくりしていってくださいね。」

彼女はここでなぜ団子屋を開いているのか、なぜこんな人のいなさそうな場所なのか、疑問はいくつかあったのだが、別段聞くつもりもない。彼女はここで団子屋をしているだけなのだ。私には関係ない。

「ではまたいつか。何処かで。行ってらっしゃいませ。」

彼女は全てのお客にそう言って送り出していた。和服姿の彼女はとてもその仕事を楽しんでいるようだ。私はどうしても彼女の名前を聞きたくなった。

「私の名前は『紫蘭』と言います。」

それだけ聞くと、私はその店から旅立った。
そしてもう一度あの店に寄ろうと思った。
何故だか彼処は居心地が良かったから。
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