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キリン
6.路上に響く歌声
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「•*¨*•.¸¸♬︎」
歌が聞こえる。吸い寄せられるような美しい歌声だった。遠くから聞こえたその歌の主を探すように、僕は人ごみを掻き分けて声の方へと走った。そこには金髪の女性がギターを持って歌っていた。
「綺麗だ・・・」
凛として立ち、ギターを持ち、音楽と共に出る歌声はこの路上の人々の心を踊らせた。スピーカーの横に立てかけてある看板には『琴ノ緒きりん』と書かれていた。おそらく彼女の名前だろう。路上のはずなのに、そこは小さな小さなライブ会場だった。
「皆が来てくれるのをずーっと首を長くして待ってたよ!」
彼女が元気よく話す。僕は無言で、食い入るように彼女の歌を、歌声を聞いていた。いつの間にか、人集りは大きく大きくなって行った。数ある有名人はこうやって有名になるのだと、この時初めて僕は分かった気がした。
「•*¨*•.¸¸♬︎」
子供、青年、大人まで彼女の歌を聞き続けた。それは星空がはっきりと見えるようになるまで路上のライブは続けられた。
「星空が見えたことだし、今日はここまでにするね~!また何処かで会えたら、また歌声を、私の歌を聞きに来てね!」
それから僕はめっきり彼女を見かけなかった。しかし数年後、あるポスターを見た時だった。それは彼女だった。僕が知らない間に彼女は有名な歌姫にへと変わっていったのである。そんな僕が彼女を思い出したポスターにはやはりこう書いてあった。
皆と会えるのを首を長くして待ってるね!
歌が聞こえる。吸い寄せられるような美しい歌声だった。遠くから聞こえたその歌の主を探すように、僕は人ごみを掻き分けて声の方へと走った。そこには金髪の女性がギターを持って歌っていた。
「綺麗だ・・・」
凛として立ち、ギターを持ち、音楽と共に出る歌声はこの路上の人々の心を踊らせた。スピーカーの横に立てかけてある看板には『琴ノ緒きりん』と書かれていた。おそらく彼女の名前だろう。路上のはずなのに、そこは小さな小さなライブ会場だった。
「皆が来てくれるのをずーっと首を長くして待ってたよ!」
彼女が元気よく話す。僕は無言で、食い入るように彼女の歌を、歌声を聞いていた。いつの間にか、人集りは大きく大きくなって行った。数ある有名人はこうやって有名になるのだと、この時初めて僕は分かった気がした。
「•*¨*•.¸¸♬︎」
子供、青年、大人まで彼女の歌を聞き続けた。それは星空がはっきりと見えるようになるまで路上のライブは続けられた。
「星空が見えたことだし、今日はここまでにするね~!また何処かで会えたら、また歌声を、私の歌を聞きに来てね!」
それから僕はめっきり彼女を見かけなかった。しかし数年後、あるポスターを見た時だった。それは彼女だった。僕が知らない間に彼女は有名な歌姫にへと変わっていったのである。そんな僕が彼女を思い出したポスターにはやはりこう書いてあった。
皆と会えるのを首を長くして待ってるね!
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