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イバラ
84.塔
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昔、昔のことだ。そこは美しい街だった。
澄んだ空気に透明感のある水が流れる川、自然豊かな森の中に調和するように建てられた建物。太陽が顔を出せば暗い森も活気を取り戻す。その街の真ん中にシンボルのように立っていた時計塔があった。
ただの時計塔ではなく、大きな鐘が付いており毎日夜と昼の12時に鐘が鳴る。これは必ず鳴らさねばならなかった。
若者が一度鳴らし忘れた時、大勢から責められるくらいにその鐘の音は人々にとって大切な物だった。
しかしどんな古い文献にもその鐘の事は多くは書かれていない。ただ街が出来た時にはもう鐘と時計塔はあったのだ。
ある夜 塔 その屋根に
「なんだ・・・あれは・・・!」
一人の若者が時計塔を指さした事から始まった。そこには三角錐の屋根に巻き付くようにして人ならざるものが居た。そして人々は理解した。鐘と時計塔はかの怪物が建て、作ったのだと。
━━━━━━━そこからは蹂躙だった。
見るも無残な街並みとなってしまったその街はある年を境に地図から消えた。人知れず、そしてその森は管理する人が居なくなってしまったため、荒れに荒れた。
いつしか錆れたその街は時計塔を残して消えた。文字通り消えたのだ。何も瓦礫があった訳でもない。砂となった訳でもない。何もそこには無かったかのように消えたのだ。
「LaーーLaーーー!」
時計塔の上で、朽ちた塔の上で彼女は一人。
一人で歌う。綺麗であるが憎悪の声、怨嗟と憎悪の声は聞く人の恐怖を煽る。
一見は綺麗な女性なのだ。しかしなにか違う。その目は何も見ていない。『無』である
その目はさながら「蛇睨み」
蛇に睨まれた蛙は動けなくなるように、ただ獲物を狩るだけの何か。それがそこに居た
澄んだ空気に透明感のある水が流れる川、自然豊かな森の中に調和するように建てられた建物。太陽が顔を出せば暗い森も活気を取り戻す。その街の真ん中にシンボルのように立っていた時計塔があった。
ただの時計塔ではなく、大きな鐘が付いており毎日夜と昼の12時に鐘が鳴る。これは必ず鳴らさねばならなかった。
若者が一度鳴らし忘れた時、大勢から責められるくらいにその鐘の音は人々にとって大切な物だった。
しかしどんな古い文献にもその鐘の事は多くは書かれていない。ただ街が出来た時にはもう鐘と時計塔はあったのだ。
ある夜 塔 その屋根に
「なんだ・・・あれは・・・!」
一人の若者が時計塔を指さした事から始まった。そこには三角錐の屋根に巻き付くようにして人ならざるものが居た。そして人々は理解した。鐘と時計塔はかの怪物が建て、作ったのだと。
━━━━━━━そこからは蹂躙だった。
見るも無残な街並みとなってしまったその街はある年を境に地図から消えた。人知れず、そしてその森は管理する人が居なくなってしまったため、荒れに荒れた。
いつしか錆れたその街は時計塔を残して消えた。文字通り消えたのだ。何も瓦礫があった訳でもない。砂となった訳でもない。何もそこには無かったかのように消えたのだ。
「LaーーLaーーー!」
時計塔の上で、朽ちた塔の上で彼女は一人。
一人で歌う。綺麗であるが憎悪の声、怨嗟と憎悪の声は聞く人の恐怖を煽る。
一見は綺麗な女性なのだ。しかしなにか違う。その目は何も見ていない。『無』である
その目はさながら「蛇睨み」
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