そこは夢の詰め合わせ

らい

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三角錐

91.聞こえるはずだった声

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「君にこの声は聞こえているだろうか」

俺には大切な人が居た。この世で一番大切人だ。もうその一番は無くなってしまったけれど。俺はきっとあの青い空で君が聞いていることを願う。

しかし、それだけ自分を騙しても、どれだけ頭ではわかっていたとしても、現実は受け入れられない。いつも舞台で歌ったら涙が零れ落ちてしまう。それを気づかれないように、汗を拭うように隠している。

どうしても家に帰ると自然と涙が零れ落ちてしまう。名前を偽り、隠し、ネットで歌っている時が本当に約束を忘れられる。

「でも、それじゃダメなんだ。」

まだ俺はきっと舞台に立たなくちゃ行けないんだ。そして聞かせなくてはいけないんだ。

それが頭から離れない。
ある舞台に立った時、それは彼女と見た星空ととても似ていて、歌を歌い続ける事が出来なかった。

俺は舞台に立っていることも忘れ空に向かって叫んでしまった。

「ああっ・・・君は見ているだろうか!もし声が聞こえたら、君はなんて言うだろうか!は感謝を伝えたい!もう居なくなってしまった君への感謝を!」

舞台に叩きつけた腕からカシャカシャと機械音がする。痛みは無い。感触もない。弾力さえ感じれない。

「でも、きっと君はこんな泣き顔だと、怒るだろうなぁ・・・」

そうだろう?きっと星空から聴いてくれていると信じているよ。きっと笑ってくれているよね。『正星せいら

悲しい三角錐とは違って正しい、空に輝く一等星。
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