そこは夢の詰め合わせ

らい

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紫蘭ママ

94.蛇の岩山

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『蛇』それは足の無いロープのような長い動物。彼らは不死と再生の象徴である。

ある旅人の記した日記。それに蛇を操り、愛する女性がいたという文書がある。それを少し語っていこうと思う。

その旅人の日記によると高い高い岩山の上に満月の光で照らされた一人の女性がいたと言う。
その山は普通に三角錐のような山ではなく片方だけをえぐり取られたような穴が開いていたそうだ。それは何かな尻尾のような。

旅人は山を越えようと山に入ったがどうにも岩しかなく植物のひとつも生えていない。しかし虫はいるためそこまで深く考えなかった。

「こんな夜に旅の方?」

「え、あ、あぁ・・・」

少し声の低い女性?のような声が聞こえた。
旅人は声の聞こえた方を見たそうだ。
すると岩山の一番上にはいた。
大きな大きな大蛇を愛でながら、こちらを向く細く鋭い目が。

目を見てしまった旅人は蛇に睨まれた蛙のように身体が固まってしまった。指の一本も動かせない。

気がついたら彼女が乗っているやまだと思っていたものは尻尾であるということに気づいた。なぜなら遠くからでは分からなかったが針が付いている。

それはのような。
それはのような。
それはのような。

彼はそこで消息を絶った。
じゃあこの日記は誰が書いたものなのだ。この日記を書いたのは彼女かもしれない。次は誰の元に岩山と共に現れるのだろう。

それを知るのは彼女だけである。
満月に照らされた岩山の上で蛇を愛でる彼女だけが。
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