そこは夢の詰め合わせ

らい

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秋名

119.路地裏に咲く光

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何気なくBARの多い路地裏を歩いて居た時だった。そこまで考えていたなかったがそんな路地裏の一番端、行き止まりと思うそのギリギリにあった「Autumu」と言うBARに入った。

「いらっしゃいませ」

落ち着く雰囲気に響く低い声。
カウンターでボトルを並べていた店員がこちらを見る。

「こんな人気ひとけのない店へようこそ。ゆっくり飲んでいってください。」

メニュー表がトサッという音をかなでながらカウンターに置かれる。それを開くとほかのBARには無い、沢山のお酒があった。

「聞いた事のないお酒・・・」

「そうですね。企業秘密ですね」

口元を抑えながら低く笑う彼をみて私は言うのだ。

「じゃあこのBARでのオススメでお願いします」

「オススメですね。わかりました。」

赤色と白色が混ざり合う。赤色が強かったのか朱色で止まった。

グラスに椛の葉が置かれ、最後に氷を削ったものをかけて出された。

そしてこれが仕上げというように「バラ」の花と一緒に出される。

「当店の、『私の』おすすめであるです。」

綺麗な朱色のそれを少し口にする。
それはそれは今まで飲んだお酒よりも美味しく感じた。

「では、またいらしてください。私めはここでお待ちしております。」

ギィーという音と共に扉を閉めた。
その扉には木の看板で「OPEN」とだけ書かれていた。朱色の綺麗な文字で。
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