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くもり
156、化け物、獣は夢の跡
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きっかけは夜。真夜中の事だっただろう。
蒼白い月の光だけがその街を照らしていた。
街灯は少なく、頼りになるのは月の光だけ。
そんな中に静かに静かに何かを引きずる音が聞こえると言う。
その街に怪異なんてない。
その街に化け物なんて居ない。
その街に獣なんて、居ないはずなのに。
何か大きな大きな何かを引きずる音がする。
硬い殻のようなものを引きずる音。
街の中に響く鈍くて低い音。
誰も思わない。
誰もそれが人に化けているなんて。
でもそれを見た人は言うんだ。
「見たことある人間の顔が上半身。下半身は蛇だったんだ!」
酔っていたんだろう。と笑いものにされていたけれど。彼女はずっとそれを聞いて笑っていた。
いつの間にか夜の帳が降りても怪異は現れなくなった。しかし、その代わり鴉が異様に増えた。
どの怪異が無くなってもあたらしい怪異が増えていく。必ずそれらが重なることは無かったが。
「みんな目を背ける。みんな無かったことにする。誰も原因が分からないね」
一人の女性がビルの上から街を歩く人々を見下ろす。怪異の原因はこの人ならざるもののせいだが、それを知るものは誰もいない。
夕焼けが彼女のいた場所を照らす。
そこには一羽の鴉が飛び立っているところだった。夕焼けに照らされたその翼は七色に輝いた黒だった。
蒼白い月の光だけがその街を照らしていた。
街灯は少なく、頼りになるのは月の光だけ。
そんな中に静かに静かに何かを引きずる音が聞こえると言う。
その街に怪異なんてない。
その街に化け物なんて居ない。
その街に獣なんて、居ないはずなのに。
何か大きな大きな何かを引きずる音がする。
硬い殻のようなものを引きずる音。
街の中に響く鈍くて低い音。
誰も思わない。
誰もそれが人に化けているなんて。
でもそれを見た人は言うんだ。
「見たことある人間の顔が上半身。下半身は蛇だったんだ!」
酔っていたんだろう。と笑いものにされていたけれど。彼女はずっとそれを聞いて笑っていた。
いつの間にか夜の帳が降りても怪異は現れなくなった。しかし、その代わり鴉が異様に増えた。
どの怪異が無くなってもあたらしい怪異が増えていく。必ずそれらが重なることは無かったが。
「みんな目を背ける。みんな無かったことにする。誰も原因が分からないね」
一人の女性がビルの上から街を歩く人々を見下ろす。怪異の原因はこの人ならざるもののせいだが、それを知るものは誰もいない。
夕焼けが彼女のいた場所を照らす。
そこには一羽の鴉が飛び立っているところだった。夕焼けに照らされたその翼は七色に輝いた黒だった。
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