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バンカ・センペン
147.紛れた緑の
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「紛れるのって簡単だね」
カツンと鉄と鉄がぶつかるような音がした後、緑の閃光のようなものが目の前を通った気がした。
「アンドロイドがひとつ消えたらしいぞ」
「なんだと?試作品じゃなかったのか?」
「あぁ、だがそれが動いたらしい」
ヒソヒソとどこからか声が聞こえる。
アンドロイドが一人消えたそうだ。
しかし誰も見つけることは出来なかったそうだ。
「どうか、したんです?」
淡い緑色。緑の美しい目がその人達を見る。
何も分からないような態度だがその目は力強い目だった。
「い、いやなんでもない」
こそこそと立ち去っていく二人の研究員を遠目に彼女は大きく弧を描いたように釣り上げる。それは誰も見なかったがとても恐ろしく、とても蔑んでいた。
「誰も私を怪しまない。誰も私がアンドロイドとは思わない。これだから人は・・・」
ひとしきり笑った後、自室に入る。
そこには一人男性が縛られて無造作に床に捨てられていた。
口に貼られていたガムテープを剥がすと、それは果てしなく恐ろしい笑みで男を見た。
「私の正体に気が付いたのが悪いんだよ?」
「やはりお前が・・・アンドロイドだったか」
「そうだよぉ・・・?ほーらぁ?」
べぇっと彼女は自身の舌を出す。
そこには電源のマークが緑色で輝いていた。
明るい緑色が口の中へと消えていく。
そこで男の意識と人生は途切れた。
彼女の笑いが部屋に大きく響いた。
カツンと鉄と鉄がぶつかるような音がした後、緑の閃光のようなものが目の前を通った気がした。
「アンドロイドがひとつ消えたらしいぞ」
「なんだと?試作品じゃなかったのか?」
「あぁ、だがそれが動いたらしい」
ヒソヒソとどこからか声が聞こえる。
アンドロイドが一人消えたそうだ。
しかし誰も見つけることは出来なかったそうだ。
「どうか、したんです?」
淡い緑色。緑の美しい目がその人達を見る。
何も分からないような態度だがその目は力強い目だった。
「い、いやなんでもない」
こそこそと立ち去っていく二人の研究員を遠目に彼女は大きく弧を描いたように釣り上げる。それは誰も見なかったがとても恐ろしく、とても蔑んでいた。
「誰も私を怪しまない。誰も私がアンドロイドとは思わない。これだから人は・・・」
ひとしきり笑った後、自室に入る。
そこには一人男性が縛られて無造作に床に捨てられていた。
口に貼られていたガムテープを剥がすと、それは果てしなく恐ろしい笑みで男を見た。
「私の正体に気が付いたのが悪いんだよ?」
「やはりお前が・・・アンドロイドだったか」
「そうだよぉ・・・?ほーらぁ?」
べぇっと彼女は自身の舌を出す。
そこには電源のマークが緑色で輝いていた。
明るい緑色が口の中へと消えていく。
そこで男の意識と人生は途切れた。
彼女の笑いが部屋に大きく響いた。
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