そこは夢の詰め合わせ

らい

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ゆうひ

160.夕焼けより甘い一時

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彼が仕事から帰って来た。
そんないつもと変わらない夕方の事。
ソファの上で彼がネクタイを緩め、上着をそっと脱いだ。

ゆうひは何かくるものがあったのか分からないが彼に近づき、ソファの上でだらけていた彼の上に乗る。

「うぉっ!どうした?ゆうひ」

「なんとなく・・・甘えたかっただけ・・・」

「可愛いね」

「うるせっ」

彼に撫でられながら言われてゆうひは恥ずかしそうに、しかしとても満足気な表情だった。

「あ、飴取ってよ飴!」

彼からそう言われ、机に置いてある飴を彼に渡した。彼は何か考えるような仕草をした後、飴の包装を解き口の中に放り入れた。

そしてそれをぼぉっと見ていたゆうひの後頭部に手を置き、もう片方の手で邪魔なゆうひの髪を耳にかけた。

耳が弱かったのか、少し身体を震わせもじもじと恥ずかしそうにしていた。

それを見て構うものかと、彼は逃げないように腰に手を回し、ゆうひの口へ転がしていた飴をキスと共に押し込んだ。

何事かと驚いたゆうひだったが、そっと彼の口へ飴を戻すと、舌と一緒にまた飴が転がり込んでくる。甘いレモンの味が二人の口の中に溶け込んでいった。

飴が溶けきった時、ゆうひはとても恥ずかしそうに顔を赤く染めていた。そして彼を一度だけ弱々しく殴る。

彼はゆうひをそっと抱きしめた。
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