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戻ってきた夜
6、教会
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「りっくん・・・。なぜ・・・。あれだけ夜は出てはいけないとこの街では言われていたのに・・・。」
ライトの街にはある規則が一つだけ厳しく設定されている。それは『深夜』は絶対に外に出ては行けないというものだ。それは彼女、天使が出したものであり、ある人物が関わってくる。
夢遊病をご存知だろうか。夢遊病とは寝ている間に立ったり動いたりしてしまう病のことだ。普通の夢遊病なら部屋の中だけやすぐ近くだけなど、そこまで移動したりはしない。
しかし、彼女は違うのである。彼女は『夜のピエロ』や、『虐殺ピエロ』などと呼ばれた何かがいた。
それは今日も夜を徘徊する。外へ出て動く何かを壊すために、壊すのを楽しむために。
「あはははっ・・・あはははははははっ・・・。」
ブリキのような何かが高い女性のような声を上げる。普通に聞けば女性の高笑いだった、しかし、ブリキのような動き方で、闇へと消えた彼女は恐ろしく何かおかしい笑い方だった。それを見たのは、人ではない、白い白い猫だった。彼はそれを見た後、どこかへ消えた。その後羽ばたいたような音が聞こえた気がする。
「ライセちゃん。レイラちゃんは・・・?今日はまだ落ち着いてる?」
「はい、シスター。今日はまだ落ち着いています。明日は動くと思います。」
「そう・・・なの・・・。彼女とお話出来ればいいのだけれども、彼女は話す前に動いちゃうと言うかなんというか・・・。」
「仕方ありません。彼女は・・・。すいません。」
「ライセちゃんが謝ることじゃないから大丈夫よ。私が絶対お話できるようにするもん!」
むん!と力を入れるシスター。なぜそう聞くのか、それはライセと呼ばれた彼女に宿る、もう一つの人格のせいである。ライセにはふたつの人格なるものがある。ひとつは日中シスター兼天使のお世話をする。もうひとつは、この街に夜店がない原因でもあり、外に出ては行けないというルールを作らねばならなかった元凶、『夜のピエロ』こと、レイラである。正直なところ、レイラの方が体の隅々まで使えるのだ。しかし、セイラは自分に制限をかけているため、あまり体を自由に使えることはできない。レイラが話せる相手であれば良かったのだろうが、彼女は殺す衝動にしか駆られない、言葉は通じるが聞く耳を持たないのである。天使マコが会話を求めているのは、この街の人を殺さないためである。しかし、未だにその会話が成功したことは無い。そして、ついに出てしまったのだ、仲の良い仲間から彼女に殺される犠牲者が・・・。
シスターはりくの亡骸を街はずれにある街が一望できる丘の上に埋めた。彼女が立てた木の板には『稀代の鍛冶師りく、ここに眠る』そう書いてあった。天使の力を使っても、数時間たった者を生き返らせることは出来ない、らいが急いで教会へ向かえば、生き返らせることはできたであろう。らいもそれは分かっていた、しかし、ここで呼び戻したところで何か違うと、らいの頭の中で思った。ここで彼を呼び戻すことが、この現世という地獄に呼び戻すことは彼にはできなかった。
りくが亡くなった日。その夕方の出来事。
「今日すまないが、言っていた武器を取りに着たい。しかし、俺は夜にしかあいにくここへ来ることが出来ない。場所を記した地図を入れておく、そこへ武器を取りに来るから来てくれないだろうか?」
伝書鳩に括り付けられていた紙にはそう書いてあった。彼は別に構わないと思い、頼まれた武器を持って場所へと向かった。そこには彼ではない、ブリキのような音と共に、マネキンのような動き方をする、彼女がいた。しかし、彼はそれがこの街が夜出歩けないルールのための元凶であるなんて知ることはない。誰も知らない。
「あの、大丈夫ですか・・・?何か変な音が・・・。」
そこで、りくの意識は真っ黒に包まれ、赤い鮮血が石畳に広がった。りくが最後に聞いたのは、気味の悪い、『笑い声』だった。
「はははは!あいつほんとに死にやがった!これで邪魔者が1人消えたぜ!これでまた俺達が動くことが簡単になる!傑作だなぁ!おい!」
「ほんとにな、武器を持って場所まで来いって言うだけですぐに来るんだもんな!あ、親切に持ってきた武器は大切に使ってあげような~。あはははははははは!」
それは影から聞こえる2人の話し声だった。彼らが何者かはわからない。しかし、そんな会話を見聞きしている奴が居た。
これも白い猫だった。それを聞いた後、またどこかへ消えた。誰もその白猫の事を見れることは無い。見えない。それがかの、白い猫なのだ。彼は一体、何を思い、何を報告するために動いて居るのだろう。それはひと握りの人物にしか、わからない。
「そうか、あいつらは成功したか。」
「はっ、先程通達が来ました。かの、鍛冶師は消えたようです。あとは魔導書の店主とその横に居るユニークモンスター、あとはシスターと、その取り巻き、最後に冒険者達ですね。ここまですんなりいくと、面白みがありませんね。」
笑いながらそう言う。
「そうだな、俺がこの街を取るのももうすぐに来るだろう。楽しみだ。はははははは!」
密閉された空間だからだろうか?
それはとても嫌な響き方をしていた。
ライトの街にはある規則が一つだけ厳しく設定されている。それは『深夜』は絶対に外に出ては行けないというものだ。それは彼女、天使が出したものであり、ある人物が関わってくる。
夢遊病をご存知だろうか。夢遊病とは寝ている間に立ったり動いたりしてしまう病のことだ。普通の夢遊病なら部屋の中だけやすぐ近くだけなど、そこまで移動したりはしない。
しかし、彼女は違うのである。彼女は『夜のピエロ』や、『虐殺ピエロ』などと呼ばれた何かがいた。
それは今日も夜を徘徊する。外へ出て動く何かを壊すために、壊すのを楽しむために。
「あはははっ・・・あはははははははっ・・・。」
ブリキのような何かが高い女性のような声を上げる。普通に聞けば女性の高笑いだった、しかし、ブリキのような動き方で、闇へと消えた彼女は恐ろしく何かおかしい笑い方だった。それを見たのは、人ではない、白い白い猫だった。彼はそれを見た後、どこかへ消えた。その後羽ばたいたような音が聞こえた気がする。
「ライセちゃん。レイラちゃんは・・・?今日はまだ落ち着いてる?」
「はい、シスター。今日はまだ落ち着いています。明日は動くと思います。」
「そう・・・なの・・・。彼女とお話出来ればいいのだけれども、彼女は話す前に動いちゃうと言うかなんというか・・・。」
「仕方ありません。彼女は・・・。すいません。」
「ライセちゃんが謝ることじゃないから大丈夫よ。私が絶対お話できるようにするもん!」
むん!と力を入れるシスター。なぜそう聞くのか、それはライセと呼ばれた彼女に宿る、もう一つの人格のせいである。ライセにはふたつの人格なるものがある。ひとつは日中シスター兼天使のお世話をする。もうひとつは、この街に夜店がない原因でもあり、外に出ては行けないというルールを作らねばならなかった元凶、『夜のピエロ』こと、レイラである。正直なところ、レイラの方が体の隅々まで使えるのだ。しかし、セイラは自分に制限をかけているため、あまり体を自由に使えることはできない。レイラが話せる相手であれば良かったのだろうが、彼女は殺す衝動にしか駆られない、言葉は通じるが聞く耳を持たないのである。天使マコが会話を求めているのは、この街の人を殺さないためである。しかし、未だにその会話が成功したことは無い。そして、ついに出てしまったのだ、仲の良い仲間から彼女に殺される犠牲者が・・・。
シスターはりくの亡骸を街はずれにある街が一望できる丘の上に埋めた。彼女が立てた木の板には『稀代の鍛冶師りく、ここに眠る』そう書いてあった。天使の力を使っても、数時間たった者を生き返らせることは出来ない、らいが急いで教会へ向かえば、生き返らせることはできたであろう。らいもそれは分かっていた、しかし、ここで呼び戻したところで何か違うと、らいの頭の中で思った。ここで彼を呼び戻すことが、この現世という地獄に呼び戻すことは彼にはできなかった。
りくが亡くなった日。その夕方の出来事。
「今日すまないが、言っていた武器を取りに着たい。しかし、俺は夜にしかあいにくここへ来ることが出来ない。場所を記した地図を入れておく、そこへ武器を取りに来るから来てくれないだろうか?」
伝書鳩に括り付けられていた紙にはそう書いてあった。彼は別に構わないと思い、頼まれた武器を持って場所へと向かった。そこには彼ではない、ブリキのような音と共に、マネキンのような動き方をする、彼女がいた。しかし、彼はそれがこの街が夜出歩けないルールのための元凶であるなんて知ることはない。誰も知らない。
「あの、大丈夫ですか・・・?何か変な音が・・・。」
そこで、りくの意識は真っ黒に包まれ、赤い鮮血が石畳に広がった。りくが最後に聞いたのは、気味の悪い、『笑い声』だった。
「はははは!あいつほんとに死にやがった!これで邪魔者が1人消えたぜ!これでまた俺達が動くことが簡単になる!傑作だなぁ!おい!」
「ほんとにな、武器を持って場所まで来いって言うだけですぐに来るんだもんな!あ、親切に持ってきた武器は大切に使ってあげような~。あはははははははは!」
それは影から聞こえる2人の話し声だった。彼らが何者かはわからない。しかし、そんな会話を見聞きしている奴が居た。
これも白い猫だった。それを聞いた後、またどこかへ消えた。誰もその白猫の事を見れることは無い。見えない。それがかの、白い猫なのだ。彼は一体、何を思い、何を報告するために動いて居るのだろう。それはひと握りの人物にしか、わからない。
「そうか、あいつらは成功したか。」
「はっ、先程通達が来ました。かの、鍛冶師は消えたようです。あとは魔導書の店主とその横に居るユニークモンスター、あとはシスターと、その取り巻き、最後に冒険者達ですね。ここまですんなりいくと、面白みがありませんね。」
笑いながらそう言う。
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