シャンフロSS

らい

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永遠

楽永3

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それは珍しく、楽郎が永遠を迎え来た日の事、楽郎が借りているマンションの近くで撮影があり、そのまま楽郎の家に行こうとなったので楽郎が迎えに行くことになった。

「楽君~。どうだった?愛しのお姉さんの撮影は?」

「おーいつも通り綺麗だったぞー」

「そこは外道ムーブしても良かったんじゃないかなー?まぁそれだけ私に惚れてくれたのかな?らーく君?」

「告白してきたのはお前だけどな」

「シャラップ!シャラーーップ!そういうのは言っちゃダメだって習わなかったの!?」

「ちょっと分からないなぁ・・・」

「まったく・・・外で待ってて、着替えて行くから。」

「了解」

楽郎が外に出て数分すると、帽子をかぶり、サングラスをした永遠が出てきた。

「じゃあ行くぞ永遠」

「はーい」

流石首都圏と言える人混みを二人で歩く。マンションまでは数分位でつくのではあるが、いかんせん人が多く、少し遠回りで行くことになった。楽郎は二人で帰ることに満足しているようだったが、彼女は違うようだった。

(手とか繋げないかなぁ・・・)

彼女はこっそりと心の中で思う。チラチラと彼女は何も持っていない手を見る。そして小指の先が触れるくらいまで近づける。その瞬間、少し近づいた彼の手に彼女の手が触れてしまった。

「どうした?」

「そういうのは聞かないのがマナーじゃない?」

彼女の耳や首筋はとても真っ赤だった。それを見て楽郎は少しSなところが働いたのか分からないが彼女に聞いてみることにした。

「何がしたかったのか言わないと俺は分からないんだよねえ?それともスーパーカリスマモデルさんは自分のした事すら言えないのかなぁ?」

「うぐっ・・・そういうとこちょっとダメだとお姉さん思うなー・・・」

「ほら、何したかったのか言いな?」

「サイテーだよ楽君、女性に言わせるなんて・・・ハイハイそうですよ、手が繋ぎたかったんですぅー!私だって普通の女の子なんだからね!」

「ほら、これでいいのか?」

「えっ・・・ちょっ・・・!」

楽郎は永遠の手を握った。それも強く。永遠は楽郎がそんな事をしてくれるなんて思ってもいなかったため、不意をつかれ顔が真っ赤に染まってしまった。

「顔真っ赤だぞ」

「言わないで欲しいなー」

「帰ったら何食べたい?」

「楽君の手料理」

「魚料理しか作れんが」

「それでいい」

「了解」

二人は歩く速度を少し落として、ゆっくり帰ったという。そして手を繋いでいる所を記者に撮られ、一波乱あるのもまた別の話。
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