笑っていられるんですか?

矢野 零時

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日本人はウグイスである。

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 「人は考える葦である。」という言葉を、フランスの哲学者パスカルは、彼の著書「パンセ」の中で述べている。パスカルが言いたかったのは、「人間は脆く弱い存在であるが、考える力を持ち、自分や世界について深く理解する能力を備えている。」ということらしい。
 残念ながら、私は首を傾げてしまう。人間が他の生き物たちに比して、特に優れていると思っていないからだ。いまはすべての生き物の遺伝子解析ができる時代だ。それを見ると他の生き物との差はないとしか思えないのだ。

 あえて、私は「日本人はウグイスである。」と言いたい。

 ウグイスは、スズメ目ウグイス科ウグイス属に分類される鳥である。
 形態はオスが16センチ、メスが14センチの大きさだ。
 食性は雑食で、夏場は小型の昆虫たちを、冬場は植物の種子や木の実を食べている。木に横穴式の壺形の巣をつくり、メスは4から6個の卵を産み、一生懸命にヒナを育てる。中には,オスが給餌をするものもいるそうだ。
 その鳴き声は美しく、オスが声をだす時は、巣に餌を運ぶメスに対して、安全であることを知らせ続けているのだ。敵が現れた場合には、敵への威嚇のためにさえずり、メスに対して敵の存在を知らせて、巣から出てこないようにしている。
 この鳥は日本全国に分布し暮らしている。そのけなげな姿は、まるで日本人と同じだと思ってしまう。

 だが、そんなウグイスの生活を利用して生きていく鳥がいる。カッコウだ。その利用は托卵(たくらん)。
 その方法は、カッコウは自分の卵を託すために、ウグイスが住みついていて、それができやすい巣をまずみつけることだ。カッコウの卵は、ウグイスの卵に似ているので気づかれることもない。さらに巣に自分の卵を産む時には、ウグイスの卵を一つ巣から落として数をあわせておくのだ。卵からかえったカッコウは、巣からウグイスの卵やヒナを押し出して、巣の中で唯一のひなとなって親鳥から餌をもらい続け、成鳥となって飛び去っていく。

 ともかくウグイスに死に絶えられては、カッコウは托卵をさせることができなくなってしまう。だから、ウグイスが滅ぶことは望んではいない。だが、実質的にカッコウはウグイスを食い物にして生きている鳥なのだ。それにカッコウはウグイス以外の鳥、モズ、ホオジロなどへも托卵を行っている不届きな生き物なのだ。

 それでは、あなたに問う。日本人のそばにいるカッコウは、どこにいると思いますか?
 日本人にカッコウなんかいる訳がないよ。なんて、言わないでください。いますよ。間違いなく。

 彼らは、美しい日本などについて語り、理想や愛国心が必要だと話をする。地位のある立場にいて学歴もあり、詳細な法律を述べることができてしまう。人望も厚く、誰からも好かれる。その上、容姿も良く、家柄もある。
 日本人のカッコウは、そんな姿をしているのではないですか?

 カッコウが入り込んで、巣からヒナのウグイスたちを押し出してしまえば、ウグイスの生存数がどんどん減ってしまうことは間違いない。それと同じことが、日本にも起きているんじゃありませんか?




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