いつも、隼斗(はやと)

矢野 零時

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1出会い

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 私は竹内葉月。 
 隼斗(はやと)を初めて知ったのは、岡山小学校に通っていた時だ。
 私は三年生になっていた。二時間目後の休み時間は二〇分ある。私は同じクラスの石田松美と廊下にでて、立ち話をしていた。
 そんな時、隣のクラス、三年四組のドアが開き、三人の男の子たちがでてきた。私たちから少し離れて、かれらは窓ぎわによって話をしている。名前まで覚えていないが隣のクラスの男の子たちを、よく知っているつもりでいた。だが、その中で、私が見たことのない男の子が一人いた。彼はべつに大声を出したわけではないのに、話している声が気持ち良く聞こえてきたのだ。そして、その男の子は明るく笑い、どこか輝いて見えた。
「葉月。あんな子、いたっけ?」と、松美は、メガネをかけ直しながら、私に聞いてきた。松美は、眼が悪く小学生の頃からメガネをかけていた。私は松美の視線を追った。松美が言うように、その男の子は見かけたことのない顔だった。
「もしかしたら、転校生かな?」と、私は首を傾げた。
 三年四組の教室から、山田裕子がでてきた。私が幼稚園に行っていた時の同級生だ。
「裕ちゃん。ちょっと」
 私は手招きをした。
「何よ。葉月ちゃん」
 やっぱり、幼稚園からの友達はお互いに幼い呼び方をしてしまう。
「私の知らない子がいるでしょう?」
「あっ、隼斗くんね」
「はやと?」
「三宮隼斗(みやはやと)。先週、横浜から転校してきた子よ」

 隼斗は他の男の子たちにない明るさ、オーラがあったのだ。私はそんな隼斗に魅入られていったのかもしれない。
 次の日から、私は休み時間、昼休みに男の子たちの中に隼斗を探すようになった。隼斗は、どこにいても軽やかに動き回っていた。
 腰の位置が高い。
 足が長い。
 手のふりが、しなやかだ。
 隼斗を見つけられないと不安になる。隼斗を見つけると私は安心をし、いつものすべき事ができるようになるのだった。
 
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