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6遭遇
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松美は今まで以上に勉強に力を入れ出した。明らかに美人と言える弘子を負かしてやりたいと思ったからだ。そのお蔭で、常に学年の三位以内に入るようになっていた。私も、松美の影響を受けて、勉強に力を入れ出した。私も松美と同じ考えだったのだが、残念ながら学校の成績の方はそれほど伸びることはなかった。同時に書道部の活動にも力を入れていた。それは筆で字を無心に書いていると、隼斗のことを考えないでいられたからだ。おかげで、秋の学生書道展に入選をすることができた。
どうやっても、同じクラスにいる隼斗を見ないでいることはできない。教室に、体育館に、グランドに隼斗はいる。私はテレビでやっている学園ドラマを見るように隼斗を見ることに決めていた。
その日の朝。私はいつものように、日の元通りをカバンを手に提げて学校に向かって歩いていた。朝のこの時間、小学生、中学生も私たち高校生と一緒に歩いている。それは、この通りの先に岡山小学校、明星中学校があったからだ。この通りは狭い道路はなのに車まで走っていた。
うなる音が聞こえた。私は後ろを振り返る。一台のトラックが車道からそれて歩道に向かってきたのだ。
「あぶない」
私は声をあげた。だが、一緒に歩いていた学生たちは、私の方に顔を向けたが、近づいてくるトラックに気づいてはいなかった。トラックはスピードを落とさない。いや、それどころか、歩道を狙ったようにスピードをあげていた。私はすぐに車道ぞいを歩いていた小学生の女の子の手を引っぱった。女の子は驚いている。なぜ、引っぱられたか、分からなかったのだろう。一緒に歩いていた男の子は、女の子の動きにつられて道路ぞいにとび出てきてしまった。このままでは男の子がトラックにひかれてしまう。そう思われた時に、隼斗が走ってきた。男の子の傍までくると、男の子を突き飛ばしていた。私は男の子を受けとめ、しっかりと抱きしめた。隼斗は、襲いかかってきたトラックの下に隠れ見えなくなり、私は叫び声をあげた。
トラックは私の背に風を当てながら、通り過ぎ、道路沿いに立っていた電柱にぶつかり、動きをとめた。
男の子は私にしがみつき、私は男の子を抱きしめ続けていた。
トラック下部の暗がりから隼斗の上半身が見えていた。遠くからサイレンが聞こえだしパトカーや救急車が街角から現れ出してきた。
救急車から救急隊員たちが降りてきて、隼斗をトラックの下から引出しストレチャーにのせて、車の中に運んでいった。本当は隼斗と一緒に救急車に乗り込みたかった。だが、男の子をだいている私はそれができなかった。やがて、救急車はサイレンを鳴らし走り去っていった。
事故を起こした男がトラックからおりてきた。青い顔をして髭の濃い男だった。恐怖のせいか、私には青鬼のように見えた。彼は数人の警察官に囲まれ、何か、話をしていた。
警察官の一人が近づいてきて、立ち尽くしていた女の子に話を聞いていた。
そのおかげだろうか。
やがて、私が手を引いて助けた女の子の母親がやってきて、私に頭をさげていた。
「助けていただいたそうで」
次に、男の子の母親がやってきた。
「有難うございます。助けてくださったそうで」
「いえ、私じゃありません。隼斗です。隼斗が助けてくれたんです」
私はそう声をあげた。男の子は、私から離れて母親に抱きついていった。そして今、泣き出していた。
どうやっても、同じクラスにいる隼斗を見ないでいることはできない。教室に、体育館に、グランドに隼斗はいる。私はテレビでやっている学園ドラマを見るように隼斗を見ることに決めていた。
その日の朝。私はいつものように、日の元通りをカバンを手に提げて学校に向かって歩いていた。朝のこの時間、小学生、中学生も私たち高校生と一緒に歩いている。それは、この通りの先に岡山小学校、明星中学校があったからだ。この通りは狭い道路はなのに車まで走っていた。
うなる音が聞こえた。私は後ろを振り返る。一台のトラックが車道からそれて歩道に向かってきたのだ。
「あぶない」
私は声をあげた。だが、一緒に歩いていた学生たちは、私の方に顔を向けたが、近づいてくるトラックに気づいてはいなかった。トラックはスピードを落とさない。いや、それどころか、歩道を狙ったようにスピードをあげていた。私はすぐに車道ぞいを歩いていた小学生の女の子の手を引っぱった。女の子は驚いている。なぜ、引っぱられたか、分からなかったのだろう。一緒に歩いていた男の子は、女の子の動きにつられて道路ぞいにとび出てきてしまった。このままでは男の子がトラックにひかれてしまう。そう思われた時に、隼斗が走ってきた。男の子の傍までくると、男の子を突き飛ばしていた。私は男の子を受けとめ、しっかりと抱きしめた。隼斗は、襲いかかってきたトラックの下に隠れ見えなくなり、私は叫び声をあげた。
トラックは私の背に風を当てながら、通り過ぎ、道路沿いに立っていた電柱にぶつかり、動きをとめた。
男の子は私にしがみつき、私は男の子を抱きしめ続けていた。
トラック下部の暗がりから隼斗の上半身が見えていた。遠くからサイレンが聞こえだしパトカーや救急車が街角から現れ出してきた。
救急車から救急隊員たちが降りてきて、隼斗をトラックの下から引出しストレチャーにのせて、車の中に運んでいった。本当は隼斗と一緒に救急車に乗り込みたかった。だが、男の子をだいている私はそれができなかった。やがて、救急車はサイレンを鳴らし走り去っていった。
事故を起こした男がトラックからおりてきた。青い顔をして髭の濃い男だった。恐怖のせいか、私には青鬼のように見えた。彼は数人の警察官に囲まれ、何か、話をしていた。
警察官の一人が近づいてきて、立ち尽くしていた女の子に話を聞いていた。
そのおかげだろうか。
やがて、私が手を引いて助けた女の子の母親がやってきて、私に頭をさげていた。
「助けていただいたそうで」
次に、男の子の母親がやってきた。
「有難うございます。助けてくださったそうで」
「いえ、私じゃありません。隼斗です。隼斗が助けてくれたんです」
私はそう声をあげた。男の子は、私から離れて母親に抱きついていった。そして今、泣き出していた。
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