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第三話
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養父は自分の父が建てた今の家に愛着があると言う。それは私も同じだし、光希もそうだと思う。
本家に比べたらだいぶこじんまりしているけど、白壁に青い西洋瓦の二階建ては個性的でモダンな外観をしている。中へ入れば普通の和洋折衷で、暖炉や書斎があるわけではない。それでも、養母たちとの思い出は詰まっているし、ずっと暮らしてきた愛着もある。
「断れなかった……」
養父は電話を終えるとリビングのソファに戻り、大きなため息を吐いて頭を抱えた。
本家に行って来てから一週間。
我が家では「どうやって断るか」が真剣に話し合われてきたわけだけど、いい解決法は浮かばないままだ。本家からは何度も「決心はついたか」と電話がかかってきて、そのたびに返事を先延ばしにしている。
「お父さんだけ残るっていうのはどうだろ? 光希と有希乃は本家で跡取りとして暮らすってのは」
「やだよ。そのうちマジで結婚しなきゃなんなくなる流れだろ」
「私もそれはやだな」
祖父はともかく、実母と双子の姉は、私を歓迎しない気がする。
あの日は体調がよくないというので姉に会えずに帰ってきた。まだ写真すら見たことのない姉は、私のことをどう思っているんだろう。後継ぎとして親元に残されたのに病気になって、これじゃ子孫残せないから双子の妹を戻すなんて言われて……歓迎してくれるとはとても思えない。
「今の電話で聞いたんだけど、分家筆頭のじいさんが、自分とこの孫を有希乃の婿養子にって言ってきてるそうだ」
「はあっ!?」
思わず大きな声が出てしまった。
「分家筆頭っていうと、竜馬?」
光希が知らない名前を口にすると、養父が渋い顔でうなずく。
「あいつ、ずっと橙子のこと狙ってたくせになんだよ。本命は本家そのものだったのかよ」
それが本当なら最低だ。
「橙子さんの彼氏だったの?」
「いや、橙子は嫌って寄せつけなかった。見抜いてたのかもな」
「じいさんの意向ならともかく、竜馬本人も野心持ってるならめんどくさいことになる」
「だな……有希乃、この顔を覚えておけよ。真ん中が竜馬だ」
光希はスマホを差し出してきて、画像を見せた。若い男女が五人並んで写っている。ズームしてよく見ると、ややマッチョで日焼けした――自分のことをかっこいいと思ってそうなタイプだ。
「かなり強引なやつだから、どんなふうに接触してくるかわかんない。念のため気をつけろ」
「ええ……やだな。まじで?」
「大丈夫だと言ってやれなくてすまんな」
養父までそんなことを言うなんて、いったいどんなやつなんだと、私は少し怖くなってきた。
「それでな、結納はまだ先のこととしても、五月の連休におまえたち二人のことを親族に知らせてしまおうって話になってな……」
さっきの「断れなかった」は、このことだったのか。
「段取りは?」
腹をくくったらしい光希が腕組みして養父をじろっと見た。養父は申し訳なさそうな表情で硬くなっている。
「本家に集めた親族の前で、有希乃のお披露目と光希との婚約を発表するそうだ」
「お披露目って、本家に戻るとか跡取りとか、なんにも返事してないのに」
「有希乃、言いづらいが、竜馬以外にもおまえの婿の座を狙いそうなやつが数人いる……返事してないとか断るとか言ったって、そいつらがおとなしくしてるとは限らないんだ」
「背に腹は代えられないってこと。その場は俺が矢面に立ってやるから、おまえも腹くくれ」
言葉は頼もしいけど、光希の表情は苦いものでもかじったみたいな複雑なものだった。
「橙子が会いたいそうだから、明日、一時間早く来てもらえるかしら?」
大型連休真っ只中、実母から電話がかかってきた。
「具合、大丈夫なんですか?」
「少しはね。明日も親族会には出られないけど、その前に有希乃に会っておきたいって言ってるの」
「わかりました」
あいかわらず冷静でドライな実母だけど、私だって少しも甘えたい気持ちにならないし、情のないやり取りだなとは思うものの、ショック的なものはない。逆に泣きながら抱きつかれたり、必死に謝られる方が対処に困るというか。養子と聞いて育ったせいかもしれないけど、私も相当ドライな性格だなとは思う。
「一緒に行ってやろうか? 橙子の部屋まで」
電話を聞いていたらしく、光希が心配してくれた。
養父ほど感情豊かではないけど、この義兄は昔から面倒見が良い。中学高校と生徒会長なんかやってたような人だから、誰かのために動くのが苦じゃない性格なんだろう。
「いいよ、平気」
なぜかわからないけど、光希と一緒には行かない方がいいような気がした。
普通にぐっすり眠って翌日、早起きした私たち家族は養父の運転する車で本家へ向かった。
「有希乃も変なところで度胸あるよなあ。お父さん、昨夜は変な夢ばっかりみてよく眠れなかったよ」
養父は運転しながらしきりに呼吸を整えていた。
「計画的に破談にすることになってるなんて、バレたらどうしよう」
「お父さんが本家でそういうこと口に出さない限り、バレないよ」
光希の言う通りだ。
「小声でも隠れてでも、絶対に本家では言うなよ。誰に聞かれるかわかんないんだから」
「……わかった」
やがて本家の大きな門が見えてきて、私たちはまたお手伝いさんに迎えられて奥へ通された。といっても、こないだの奥座敷ではなく書斎のような洋室だった。
「光太郎さんたちはこちらでお待ちください」
私だけ更に奥へ案内され、渡り廊下のような通路の先にある別棟にたどり着いた。普通の玄関ドアのような扉を、お手伝いさんはノックしてから開けた。中に入ると、そこはダイニングキッチンのような部屋になっていた。母屋よりだいぶ新しそうだ。
「おはよう、有希乃」
和服姿の実母が、奥のドアから顔を出す。洋服の時より変な迫力がある。姐さんって感じだ。
「おはようございます」
「橙子が待ってるわ」
いよいよ、と思うとちょっとは緊張する。
「私と橙子はこの離れで暮らしてるの」
ダイニングの先も普通の平屋の家のような造りで、橙子の部屋は一番奥だった。実母がドアを開けると、十畳ぐらいの洋室で、窓際のベッドにほっそりした女の子が座っていた。逆光で顔がよく見えない。
「はじめまして」
私の方から挨拶してみた。
「はじめてじゃないはずだけど」
トゲのある言葉に、なんとなく笑ってしまった。あまりにも予想通りだったから。
「そうだね、生まれるまでは一緒にいたわけだし」
なぜかするっと自然に、くだけた口調になる。無意識だった。
「なに笑ってるの? 感じ悪いわね」
「橙子、よしなさい」
「ごめんママ、二人きりにしてくれる?」
実母は心配そうな顔をしたけど、それは私ではなく、橙子の体調に向けられた心配だろう。
「早く」
橙子が強く言うので、実母は私をチラッと見てから部屋を出て行った。わかってるわね、とクギを刺された気がした。
「立ってないで座れば」
室内にはラブソファと学習机の椅子とドレッサーのスツールがあったけど、私はすたすたとベッドに近寄って、橙子の隣に腰かけた。
「ちょっと、なんのつもり?」
横を見ると、私ととてもよく似た造形の顔が目の前にある。驚きや動揺を隠そうと虚勢を張っているような表情だ。
「橙子の顔、よく見たかったから」
「双子なんだから鏡でも見たらいいじゃない」
「鏡の自分と橙子は違うよ」
私はにっこりと笑いかけた。
「橙子の方が愛らしい感じだね。キュートっていうか」
パーツは同じなのに、微妙に配置が違うんだろうか。私は愛想のない冷たい顔立ちだけど、橙子は可愛げのある女の子らしい顔をしている。
「ご機嫌取りのつもり? だまされないからね」
言い放たれても、不思議なほど不快じゃなかった。
「ね、橙子は私の存在、知ってた? 知った時どう思った?」
「小学生の頃、馬鹿な親戚が、頼みもしないのに教えてくれたわ。有希乃って名前も知ってた。でも、ずっと知らないふりしてた」
「そっか。私はこないだ初めて知ったよ」
「だから会いたかったとでも言うの?」
橙子はベッドに両足を上げて、私と距離を取った。
「悪いけど、私は会いたくなかった。成人してもこの家に招くつもりなんて……なのに、なんでこんなことに」
橙子は体育座りみたいなかっこうでひざを抱え、大きく息を吐いた。
「つらいなら横になりなよ」
「あんたに心配なんかされたくない」
「見ててうっとうしいから言ってるだけだけど?」
言葉に詰まったらしく、橙子は黙って布団にもぐり、枕を高くしてそれに寄りかかった。
「光太郎さんちで育てられたんでしょ? 光希くんと一緒に」
「うん」
「本家に戻すって言われて、勝手だと思わないの?」
さっきよりだいぶ素直な物言いだ。
「そりゃ、思うよ。でも橙子に会ってみたかったし」
「ママやパパには?」
「うーん……あんまり。私にとって両親ってのは光太郎と亜希だから」
橙子はふうんと言って、私をじっと見た。
「でも光希くんと結婚するってことは、彼は兄じゃなかったわけね?」
なかなか鋭いところを突いてくる。
「兄だったけど、それだけじゃないっていうか」
「……ずるいな」
橙子は泣きそうな声で言うと、突然ずるっと横に倒れた。
「えっ、橙子! 橙子!?」
あわてて抱き起こし、声をかけたけど、返事がないし意識もなさそうだ。
「嘘、ちょっと、起きてよ!」
私は橙子を寝かせ、急いでドアを開けた。
「おか……おば……ふ、藤乃さーん!」
本家に比べたらだいぶこじんまりしているけど、白壁に青い西洋瓦の二階建ては個性的でモダンな外観をしている。中へ入れば普通の和洋折衷で、暖炉や書斎があるわけではない。それでも、養母たちとの思い出は詰まっているし、ずっと暮らしてきた愛着もある。
「断れなかった……」
養父は電話を終えるとリビングのソファに戻り、大きなため息を吐いて頭を抱えた。
本家に行って来てから一週間。
我が家では「どうやって断るか」が真剣に話し合われてきたわけだけど、いい解決法は浮かばないままだ。本家からは何度も「決心はついたか」と電話がかかってきて、そのたびに返事を先延ばしにしている。
「お父さんだけ残るっていうのはどうだろ? 光希と有希乃は本家で跡取りとして暮らすってのは」
「やだよ。そのうちマジで結婚しなきゃなんなくなる流れだろ」
「私もそれはやだな」
祖父はともかく、実母と双子の姉は、私を歓迎しない気がする。
あの日は体調がよくないというので姉に会えずに帰ってきた。まだ写真すら見たことのない姉は、私のことをどう思っているんだろう。後継ぎとして親元に残されたのに病気になって、これじゃ子孫残せないから双子の妹を戻すなんて言われて……歓迎してくれるとはとても思えない。
「今の電話で聞いたんだけど、分家筆頭のじいさんが、自分とこの孫を有希乃の婿養子にって言ってきてるそうだ」
「はあっ!?」
思わず大きな声が出てしまった。
「分家筆頭っていうと、竜馬?」
光希が知らない名前を口にすると、養父が渋い顔でうなずく。
「あいつ、ずっと橙子のこと狙ってたくせになんだよ。本命は本家そのものだったのかよ」
それが本当なら最低だ。
「橙子さんの彼氏だったの?」
「いや、橙子は嫌って寄せつけなかった。見抜いてたのかもな」
「じいさんの意向ならともかく、竜馬本人も野心持ってるならめんどくさいことになる」
「だな……有希乃、この顔を覚えておけよ。真ん中が竜馬だ」
光希はスマホを差し出してきて、画像を見せた。若い男女が五人並んで写っている。ズームしてよく見ると、ややマッチョで日焼けした――自分のことをかっこいいと思ってそうなタイプだ。
「かなり強引なやつだから、どんなふうに接触してくるかわかんない。念のため気をつけろ」
「ええ……やだな。まじで?」
「大丈夫だと言ってやれなくてすまんな」
養父までそんなことを言うなんて、いったいどんなやつなんだと、私は少し怖くなってきた。
「それでな、結納はまだ先のこととしても、五月の連休におまえたち二人のことを親族に知らせてしまおうって話になってな……」
さっきの「断れなかった」は、このことだったのか。
「段取りは?」
腹をくくったらしい光希が腕組みして養父をじろっと見た。養父は申し訳なさそうな表情で硬くなっている。
「本家に集めた親族の前で、有希乃のお披露目と光希との婚約を発表するそうだ」
「お披露目って、本家に戻るとか跡取りとか、なんにも返事してないのに」
「有希乃、言いづらいが、竜馬以外にもおまえの婿の座を狙いそうなやつが数人いる……返事してないとか断るとか言ったって、そいつらがおとなしくしてるとは限らないんだ」
「背に腹は代えられないってこと。その場は俺が矢面に立ってやるから、おまえも腹くくれ」
言葉は頼もしいけど、光希の表情は苦いものでもかじったみたいな複雑なものだった。
「橙子が会いたいそうだから、明日、一時間早く来てもらえるかしら?」
大型連休真っ只中、実母から電話がかかってきた。
「具合、大丈夫なんですか?」
「少しはね。明日も親族会には出られないけど、その前に有希乃に会っておきたいって言ってるの」
「わかりました」
あいかわらず冷静でドライな実母だけど、私だって少しも甘えたい気持ちにならないし、情のないやり取りだなとは思うものの、ショック的なものはない。逆に泣きながら抱きつかれたり、必死に謝られる方が対処に困るというか。養子と聞いて育ったせいかもしれないけど、私も相当ドライな性格だなとは思う。
「一緒に行ってやろうか? 橙子の部屋まで」
電話を聞いていたらしく、光希が心配してくれた。
養父ほど感情豊かではないけど、この義兄は昔から面倒見が良い。中学高校と生徒会長なんかやってたような人だから、誰かのために動くのが苦じゃない性格なんだろう。
「いいよ、平気」
なぜかわからないけど、光希と一緒には行かない方がいいような気がした。
普通にぐっすり眠って翌日、早起きした私たち家族は養父の運転する車で本家へ向かった。
「有希乃も変なところで度胸あるよなあ。お父さん、昨夜は変な夢ばっかりみてよく眠れなかったよ」
養父は運転しながらしきりに呼吸を整えていた。
「計画的に破談にすることになってるなんて、バレたらどうしよう」
「お父さんが本家でそういうこと口に出さない限り、バレないよ」
光希の言う通りだ。
「小声でも隠れてでも、絶対に本家では言うなよ。誰に聞かれるかわかんないんだから」
「……わかった」
やがて本家の大きな門が見えてきて、私たちはまたお手伝いさんに迎えられて奥へ通された。といっても、こないだの奥座敷ではなく書斎のような洋室だった。
「光太郎さんたちはこちらでお待ちください」
私だけ更に奥へ案内され、渡り廊下のような通路の先にある別棟にたどり着いた。普通の玄関ドアのような扉を、お手伝いさんはノックしてから開けた。中に入ると、そこはダイニングキッチンのような部屋になっていた。母屋よりだいぶ新しそうだ。
「おはよう、有希乃」
和服姿の実母が、奥のドアから顔を出す。洋服の時より変な迫力がある。姐さんって感じだ。
「おはようございます」
「橙子が待ってるわ」
いよいよ、と思うとちょっとは緊張する。
「私と橙子はこの離れで暮らしてるの」
ダイニングの先も普通の平屋の家のような造りで、橙子の部屋は一番奥だった。実母がドアを開けると、十畳ぐらいの洋室で、窓際のベッドにほっそりした女の子が座っていた。逆光で顔がよく見えない。
「はじめまして」
私の方から挨拶してみた。
「はじめてじゃないはずだけど」
トゲのある言葉に、なんとなく笑ってしまった。あまりにも予想通りだったから。
「そうだね、生まれるまでは一緒にいたわけだし」
なぜかするっと自然に、くだけた口調になる。無意識だった。
「なに笑ってるの? 感じ悪いわね」
「橙子、よしなさい」
「ごめんママ、二人きりにしてくれる?」
実母は心配そうな顔をしたけど、それは私ではなく、橙子の体調に向けられた心配だろう。
「早く」
橙子が強く言うので、実母は私をチラッと見てから部屋を出て行った。わかってるわね、とクギを刺された気がした。
「立ってないで座れば」
室内にはラブソファと学習机の椅子とドレッサーのスツールがあったけど、私はすたすたとベッドに近寄って、橙子の隣に腰かけた。
「ちょっと、なんのつもり?」
横を見ると、私ととてもよく似た造形の顔が目の前にある。驚きや動揺を隠そうと虚勢を張っているような表情だ。
「橙子の顔、よく見たかったから」
「双子なんだから鏡でも見たらいいじゃない」
「鏡の自分と橙子は違うよ」
私はにっこりと笑いかけた。
「橙子の方が愛らしい感じだね。キュートっていうか」
パーツは同じなのに、微妙に配置が違うんだろうか。私は愛想のない冷たい顔立ちだけど、橙子は可愛げのある女の子らしい顔をしている。
「ご機嫌取りのつもり? だまされないからね」
言い放たれても、不思議なほど不快じゃなかった。
「ね、橙子は私の存在、知ってた? 知った時どう思った?」
「小学生の頃、馬鹿な親戚が、頼みもしないのに教えてくれたわ。有希乃って名前も知ってた。でも、ずっと知らないふりしてた」
「そっか。私はこないだ初めて知ったよ」
「だから会いたかったとでも言うの?」
橙子はベッドに両足を上げて、私と距離を取った。
「悪いけど、私は会いたくなかった。成人してもこの家に招くつもりなんて……なのに、なんでこんなことに」
橙子は体育座りみたいなかっこうでひざを抱え、大きく息を吐いた。
「つらいなら横になりなよ」
「あんたに心配なんかされたくない」
「見ててうっとうしいから言ってるだけだけど?」
言葉に詰まったらしく、橙子は黙って布団にもぐり、枕を高くしてそれに寄りかかった。
「光太郎さんちで育てられたんでしょ? 光希くんと一緒に」
「うん」
「本家に戻すって言われて、勝手だと思わないの?」
さっきよりだいぶ素直な物言いだ。
「そりゃ、思うよ。でも橙子に会ってみたかったし」
「ママやパパには?」
「うーん……あんまり。私にとって両親ってのは光太郎と亜希だから」
橙子はふうんと言って、私をじっと見た。
「でも光希くんと結婚するってことは、彼は兄じゃなかったわけね?」
なかなか鋭いところを突いてくる。
「兄だったけど、それだけじゃないっていうか」
「……ずるいな」
橙子は泣きそうな声で言うと、突然ずるっと横に倒れた。
「えっ、橙子! 橙子!?」
あわてて抱き起こし、声をかけたけど、返事がないし意識もなさそうだ。
「嘘、ちょっと、起きてよ!」
私は橙子を寝かせ、急いでドアを開けた。
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