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第19話才色兼備の銀髪ヒロインは問題発言と言う爆弾を放つ
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昼、屋上にて。
俺はとても肩身の狭い思いをしていた。
周囲からの軽蔑の眼差しが痛い。とにかく痛い。
俺の右にはクール系美少女の西園寺、左には可愛い系美少女でありアイドルでありマドンナである凛桜(神威情報)。
そして、目の前にはニートボールを差し出して来る相葉。
相葉はバイトの先輩だった。良い先輩だった。
だが、まさかのここでも先輩だと発覚して驚いている。
「貴女達、どうして私達『恋人』の邪魔をするんですか!」
「別に邪魔なんてしてませんよ~ただ、私は伊集院君と仲良くしたいなって思っているんですよ。前に助けて貰いましたし」
「バイトでも良い関係を気づきたいからね。仕方ないね。うん」
両手に花⋯⋯なのだろうか?
圧の三角形が愛海無くても出来るように成って俺は心底辛い。
授業と授業の隙間の時間で神威と話したりして居る時が1番気が休まる。
その時に西園寺が俺の膝に乗って来たりするけど、あんまり気にしてない。
なんか西園寺と同棲しているからか、妹にも良くしていたからか、違和感はないんだよね。
何かほっとけないって言うか、それが前からあったような、そんな感じ。
他の人の目が痛いけど。
3人の口喧嘩を聞き流しながら弁当を食べる。
愛海の弁当は本当に美味しいな。母さんに料理教わっていた時もあったよな~。
⋯⋯な、なんだ。この感覚は?
やばい。何かがやばい。
今すぐにこの場所から西園寺を連れて逃げ出さないといけないと俺の本能が告げている。
神が、本能が、全ての全神経がこの場を離れろと言っている。
だが、遅かった。
「そもそも西園寺さんは伊集院君とどんな仲なんですか!」
「お、それは私も気になるなぁ。大切な後輩の事情は気になる」
「一緒に寝た(寝落ち)関係ですよ」
「ね」
「た」
「「はああああああああ! ちょっと伊集院君どう言うことおおお!」」
「⋯⋯誤解だ! だから野次馬共、スマホのボイスレコーダーを付けるな! 先生達にスマホ隠し持っているけど告げ口すんぞ!」
皆素直にしまうが、その目は未だに俺を睨んでいる。
周囲には鬼がいて、目の前と左には憤怒の塊が居て、右にはキョトンと可愛らしく顔を傾げている人がいる。
さて、どうしたもんか。どうやってこの超問題発言を解決するか。
ベストアンサーを絞りだせ。
◇
ブフーえ、待ってどう言う事?
やっべーこれはやっべー。最高のネタをゲットしたわ。
いやー隠れて2人を観察してて良かった。
うちの目は間違って居なかった。
噂も何も無いよく分からない生徒、伊集院拓海と西園寺財閥の三女、絶対零度の西園寺雪姫。
この2人の関係はとてもいいネタだわ~。
彼も喜んでくれるしね。
新聞部としての株も上がるわ!
それにしても同棲か。
通りで毎日2人でイチャイチャしながら登校する訳だわ。
同棲か。同棲。
同棲とは一緒に住むと言う事。
うちも彼氏としてみたいな~。
いいネタの反面、姉貴の暴走が心配やな。
西園寺財閥と桜井財閥は最古から犬猿の中。
だが、今の主、父ちゃんと西園寺の旦那様は同級生。
しかも、めっさ仲良いんだよなぁ。
姉貴は気づいて無いようだけど、西園寺財閥と桜井財閥は共に新たな事業を初めようとしている。
日本四大財閥の2つが共同すると⋯⋯はぁ考えたくもない。
ま、そこが問題な訳じゃないんやけど。
問題は、財閥の主の気の軽さだ。
つまり、姉貴が「伊集院君とビッチの仲を深めさせる訳にはいかない! 私も住む!」と父に懇願する。
すると父は「あぁ。分かった。チョックラ聞いてみるわ⋯⋯あ、もしもしカクカクシカジカカワカワ」と言う。
そして相手は「ん~雪姫にも友達は欲しいしなぁ良いだろう」となる。
うちにはその確信がある。
そもそも西園寺雪姫と伊集院が別れた所で西園寺財閥の不利益はない。
ただ、父親として最低な事をするだけだ。
いや、多分あの人は娘の西園寺雪姫の思いを尊重する筈。
もしかしたらこれを利用して伊集院の気持ちを確かめるかもしれんなぁ。
「よし。うちは頑張って姉貴のその暴走を阻止するかいな!」
だが、うちは甘かった。
プリンよりも砂糖よりも甘かった。
そうだね。ざっくり言うと、姉貴は狂人だ。
今晩。
父ちゃんが帰宅する。母ちゃんも帰って来ている。
父の跡を継ぐために特訓している和樹、通称かずにーである。
基本名前に桜を入れる事の多い我が家だが、かずにーは違う。
かずにーは皆を支える樹木としての意味を込めて、樹の漢字が入っている。
「お父様!」
「おぉ。どうした凛桜」
昔は「どうした我が可愛いき凛桜よ」だったが、姉貴の素を知ったら可愛いは無くなった。
それでも大切な娘な事は変わりないだろう。
さて、今度はうちの出番や。
「姉貴ちょっと」
「黙れ今お父様に話あるの」
「ひゃい」
「凛桜、怖いぞ。そんな顔だと彼⋯⋯」
「黙れ」
「ひゃい」
かずにーと一緒に縮こまる。
母ちゃんがそそくさと逃げた。こっからの話聞きたくないんだね。分かるよ。
「お父様。私、伊集院君と暮らしたい」
「誰だソイツ! 儂の可愛い娘に手を出したのか! 許せん! ソイツを地獄の果まで⋯⋯」
「お父様(ニッコリ)」
「すみましぇん。で、誰なんだその彼は?」
「私の運命の人」
かずにーとコソコソ話をする。
「誰?」
「姉貴が好きな相手。尚彼女持ち」
「え」
「しかも西園寺雪姫」
「え」
「結構ラブラブ」
「無理やん」
「やろ?」
姉貴の目が怖いのでこの話は止めよう。
「なんでも西園寺雪姫さんが過ごしている所に住んでいるらしいんだよね。私もそこで暮らしたい!」
「分かった。ちょっと聞いてくるわ。⋯⋯あ、もしもし」
『もしもし?』
「カクカクシカジカカワカワなんだよね」
『あーなるほどカクカクシカジカカワカワね。分かった。あっちのメイドにも伝えておくわ。荷物纏めておいて』
「どもー。じゃ。良いってさ」
「やった!」
「凛桜だけだと怖いから愛桜を連れて行くと言い。社会勉強だ」
はい?
うち彼氏持ち。
分かれよ。
「愛桜、ファイト」
「なんでうちの家は姉貴に誰も逆らえないんだあああ!」
「「怖いからだよ」」
「そんな失礼な!」
実際に怖いんだよ!
姉貴はクレイジーモンスター! 姉貴はキチガイ! 姉貴の頭はハッピーセット!
「地獄と閻魔、どっちが良い?」
「せめて天国で」
「はーい」
まじで来ないでよ!
はぁ。
諦めて荷物を纏めようか。
あー胃が痛い。
相葉先輩経由で伊集院拓海の連絡先聞いて先に伝えておこう。
◇
ラインが来た。誰だよ。名前が愛桜?
なんで。
『こんばんわ』
『相葉先輩経由で連絡しています』
『私達双子姉妹がそちらに引っ越す事になりました』
『よろしくお願いします』
⋯⋯⋯⋯⋯⋯は?
俺はとても肩身の狭い思いをしていた。
周囲からの軽蔑の眼差しが痛い。とにかく痛い。
俺の右にはクール系美少女の西園寺、左には可愛い系美少女でありアイドルでありマドンナである凛桜(神威情報)。
そして、目の前にはニートボールを差し出して来る相葉。
相葉はバイトの先輩だった。良い先輩だった。
だが、まさかのここでも先輩だと発覚して驚いている。
「貴女達、どうして私達『恋人』の邪魔をするんですか!」
「別に邪魔なんてしてませんよ~ただ、私は伊集院君と仲良くしたいなって思っているんですよ。前に助けて貰いましたし」
「バイトでも良い関係を気づきたいからね。仕方ないね。うん」
両手に花⋯⋯なのだろうか?
圧の三角形が愛海無くても出来るように成って俺は心底辛い。
授業と授業の隙間の時間で神威と話したりして居る時が1番気が休まる。
その時に西園寺が俺の膝に乗って来たりするけど、あんまり気にしてない。
なんか西園寺と同棲しているからか、妹にも良くしていたからか、違和感はないんだよね。
何かほっとけないって言うか、それが前からあったような、そんな感じ。
他の人の目が痛いけど。
3人の口喧嘩を聞き流しながら弁当を食べる。
愛海の弁当は本当に美味しいな。母さんに料理教わっていた時もあったよな~。
⋯⋯な、なんだ。この感覚は?
やばい。何かがやばい。
今すぐにこの場所から西園寺を連れて逃げ出さないといけないと俺の本能が告げている。
神が、本能が、全ての全神経がこの場を離れろと言っている。
だが、遅かった。
「そもそも西園寺さんは伊集院君とどんな仲なんですか!」
「お、それは私も気になるなぁ。大切な後輩の事情は気になる」
「一緒に寝た(寝落ち)関係ですよ」
「ね」
「た」
「「はああああああああ! ちょっと伊集院君どう言うことおおお!」」
「⋯⋯誤解だ! だから野次馬共、スマホのボイスレコーダーを付けるな! 先生達にスマホ隠し持っているけど告げ口すんぞ!」
皆素直にしまうが、その目は未だに俺を睨んでいる。
周囲には鬼がいて、目の前と左には憤怒の塊が居て、右にはキョトンと可愛らしく顔を傾げている人がいる。
さて、どうしたもんか。どうやってこの超問題発言を解決するか。
ベストアンサーを絞りだせ。
◇
ブフーえ、待ってどう言う事?
やっべーこれはやっべー。最高のネタをゲットしたわ。
いやー隠れて2人を観察してて良かった。
うちの目は間違って居なかった。
噂も何も無いよく分からない生徒、伊集院拓海と西園寺財閥の三女、絶対零度の西園寺雪姫。
この2人の関係はとてもいいネタだわ~。
彼も喜んでくれるしね。
新聞部としての株も上がるわ!
それにしても同棲か。
通りで毎日2人でイチャイチャしながら登校する訳だわ。
同棲か。同棲。
同棲とは一緒に住むと言う事。
うちも彼氏としてみたいな~。
いいネタの反面、姉貴の暴走が心配やな。
西園寺財閥と桜井財閥は最古から犬猿の中。
だが、今の主、父ちゃんと西園寺の旦那様は同級生。
しかも、めっさ仲良いんだよなぁ。
姉貴は気づいて無いようだけど、西園寺財閥と桜井財閥は共に新たな事業を初めようとしている。
日本四大財閥の2つが共同すると⋯⋯はぁ考えたくもない。
ま、そこが問題な訳じゃないんやけど。
問題は、財閥の主の気の軽さだ。
つまり、姉貴が「伊集院君とビッチの仲を深めさせる訳にはいかない! 私も住む!」と父に懇願する。
すると父は「あぁ。分かった。チョックラ聞いてみるわ⋯⋯あ、もしもしカクカクシカジカカワカワ」と言う。
そして相手は「ん~雪姫にも友達は欲しいしなぁ良いだろう」となる。
うちにはその確信がある。
そもそも西園寺雪姫と伊集院が別れた所で西園寺財閥の不利益はない。
ただ、父親として最低な事をするだけだ。
いや、多分あの人は娘の西園寺雪姫の思いを尊重する筈。
もしかしたらこれを利用して伊集院の気持ちを確かめるかもしれんなぁ。
「よし。うちは頑張って姉貴のその暴走を阻止するかいな!」
だが、うちは甘かった。
プリンよりも砂糖よりも甘かった。
そうだね。ざっくり言うと、姉貴は狂人だ。
今晩。
父ちゃんが帰宅する。母ちゃんも帰って来ている。
父の跡を継ぐために特訓している和樹、通称かずにーである。
基本名前に桜を入れる事の多い我が家だが、かずにーは違う。
かずにーは皆を支える樹木としての意味を込めて、樹の漢字が入っている。
「お父様!」
「おぉ。どうした凛桜」
昔は「どうした我が可愛いき凛桜よ」だったが、姉貴の素を知ったら可愛いは無くなった。
それでも大切な娘な事は変わりないだろう。
さて、今度はうちの出番や。
「姉貴ちょっと」
「黙れ今お父様に話あるの」
「ひゃい」
「凛桜、怖いぞ。そんな顔だと彼⋯⋯」
「黙れ」
「ひゃい」
かずにーと一緒に縮こまる。
母ちゃんがそそくさと逃げた。こっからの話聞きたくないんだね。分かるよ。
「お父様。私、伊集院君と暮らしたい」
「誰だソイツ! 儂の可愛い娘に手を出したのか! 許せん! ソイツを地獄の果まで⋯⋯」
「お父様(ニッコリ)」
「すみましぇん。で、誰なんだその彼は?」
「私の運命の人」
かずにーとコソコソ話をする。
「誰?」
「姉貴が好きな相手。尚彼女持ち」
「え」
「しかも西園寺雪姫」
「え」
「結構ラブラブ」
「無理やん」
「やろ?」
姉貴の目が怖いのでこの話は止めよう。
「なんでも西園寺雪姫さんが過ごしている所に住んでいるらしいんだよね。私もそこで暮らしたい!」
「分かった。ちょっと聞いてくるわ。⋯⋯あ、もしもし」
『もしもし?』
「カクカクシカジカカワカワなんだよね」
『あーなるほどカクカクシカジカカワカワね。分かった。あっちのメイドにも伝えておくわ。荷物纏めておいて』
「どもー。じゃ。良いってさ」
「やった!」
「凛桜だけだと怖いから愛桜を連れて行くと言い。社会勉強だ」
はい?
うち彼氏持ち。
分かれよ。
「愛桜、ファイト」
「なんでうちの家は姉貴に誰も逆らえないんだあああ!」
「「怖いからだよ」」
「そんな失礼な!」
実際に怖いんだよ!
姉貴はクレイジーモンスター! 姉貴はキチガイ! 姉貴の頭はハッピーセット!
「地獄と閻魔、どっちが良い?」
「せめて天国で」
「はーい」
まじで来ないでよ!
はぁ。
諦めて荷物を纏めようか。
あー胃が痛い。
相葉先輩経由で伊集院拓海の連絡先聞いて先に伝えておこう。
◇
ラインが来た。誰だよ。名前が愛桜?
なんで。
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『よろしくお願いします』
⋯⋯⋯⋯⋯⋯は?
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