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物理系魔法少女、がしゃどくろを登る
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そこそこ距離が離れているな。
全力で走る。
「スケルトンナイトがまるでゴミのようだ。ほんと、G」
『絶対意味変わってる』
『Gはゴミ、ゴキ⋯⋯、ゴッド』
『なんか強くなったぞ』
スケルトンナイトに接近すると、その身長は二メートルはあった。
俺よりも大きい。
「邪魔だ!」
薙ぎ払われる剣よりも俺は素早く拳を突き出して、スケルトンナイトを砕いた。
俺の拳が叩き出した衝撃は一体だけでは終わらず、後ろにいたスケルトンナイトが吹き飛んだ。
「しゃっら!」
横に回り込んでいたスケルトンナイト達も倒しながら吹き飛ばす。
盾を持ってようが関係ない。その全てを打ち砕く。
「⋯⋯ッ!」
目の前に迫って、剣の先端に影ができるくらいには近くにあった剣をギリギリで回避した。
怖いなっ!
「こちとら少女だぞ!」
殴り飛ばす。
『果たして?』
『これを少女と称して良いのか、少々謎』
『見た目は少女だけどな』
数が多くて前に進めないな。
がしゃどくろにはまだ距離があるのだが、その高さは既に十メートルを超えていると思う。
本当にでかいな。
「と、余所見している場合は⋯⋯ないな!」
スケルトンナイトは剣と盾のセットだけでは無い。
槍や弓矢を持っている奴らもあり、その種類はかなり多いと思う。
だけどスケルトン本体の性能は全員同じであり、一撃で沈む。
「だけど⋯⋯」
数が減っている気がしない。いちいち相手をしていても意味が無い。
突っ切るか。
「あん?」
俺の真上に魔法陣が出現した。
紫色の魔法陣がビリビリと電気をほとばしらせながら、色が濃くなり、光が強くなる。
自分の第六感、嫌な感じがアラームを告げる。
「考えている暇なんてない!」
回避は間に合わないなら防ぐのみだろ。
俺はステッキを鉄製にして、形は鳥かごのようにする。先端が少し伸びしている。
それを魔法陣に向かって、垂直にぶん投げた。
空気を切り裂きながら突き進んだステッキ。放たれた紫電はステッキに誘われたように集中して、吸収された。
「ギリギリセーフ⋯⋯って、ナイトの攻撃は止まらないよね」
スケルトンの顔面を足場にして俺は前に進んだ。進めば進む程にがしゃどくろの巨大さが分かり、ついには見上げないとか顔が分からなくなる。
『こっからが序章だな』
『こうなったら応援するしかできないよ!』
『ルミナスさんみたいに、コメントが常に見れるような何かがあれば』
『雷の魔法を使うなら、電気系の魔法を得意とするがしゃどくろかな?』
『アカツキちゃんってあんまり電気に強いイメージが⋯⋯』
『ネクロマンサーの電気も受けたしな⋯⋯頑張って』
「ぬお!」
足を掴まれて地面に倒され、複数の剣が突き出される。
横に転がりながら回避する。その時にスケルトンナイトの足を破壊し、武器や盾を破壊していた。
『まじで暴走トラックになってますやんw』
『本気転がりでマジカルローラー』
『そろそろ本体に近づきそうだな』
俺の上に大量の魔法陣が現れる。
ステッキを手元に戻してうちわにする。放たれる魔法は青色の妖艶な炎だった。
「吹き飛べや!」
うちわを全力で振るって吹き飛ばす。
「なっ!」
だけど魔法はその一回では終わらず、二重に重なっていた。
次に降り注いだのは闇の塊のような魔法だった。球体だ。
「まだまだ!」
俺は跳躍して、ステッキをバットにする。
「これが、ホームラン確定のフルスイングじゃ!」
闇の魔法をぶっぱなして、魔法陣を通過して本体にダメージを与えた⋯⋯事はなかった。
攻撃が命中して土煙が舞うが、それだけで無傷である。
再生能力があるのなら、その程度のダメージは意味無い事になる。
「より近くで、より強い攻撃を与えないとダメか」
まずは足元に向かって、そこからよじ登る。
着地する。
腕を前に出して、足に力を込めて俺は走り出した。
剣だろうが槍だろうが砕いて、まっすぐ突き進む。
「くっそ、屍が!」
そんな事をしてたら目の前に集まって、屍の壁ができあがった。
そのせいで少しだけスピードが落ちた、ので殴って破壊した。
それを繰り返してようやく、足元に到着した。
それでも落ち着いて休める時間はなかった。
とにかく動いてよじ登る。
「容赦なく魔法を撃ちやがって」
数が多すぎる。打ち返すとか考える暇すらない。
がしゃどくろの身体をよじ登る。自分の身体に当たるとかお構い無しに魔法は放たれる。
「まじでスケルトンナイトの数がえぐいな」
下を見れば、白色のうじゃうじゃしたものが動いているようにしか見えない。
それだけ数がいるのだ。
「止まっている暇はないか」
魔法が当たらないように気をつけながら心臓に向かって走る。
心臓までがこれまた遠い。
身体を攻撃するべきだろうが、ここで攻撃しても意味が無いだろう。
心臓部に到達したら、そこを集中的に攻撃する。
「⋯⋯おい待て待て」
がしゃどくろの骨がゼリーのように柔らかくなり、身体から何かが分離して出て来る。
そいつは形を変えて、背中に六本の手、合計八本の手を持ったスケルトンナイトが出現した。
その全ての手に剣を所持している。
「クソッタレ。そんなんありかよ」
全力で走る。
「スケルトンナイトがまるでゴミのようだ。ほんと、G」
『絶対意味変わってる』
『Gはゴミ、ゴキ⋯⋯、ゴッド』
『なんか強くなったぞ』
スケルトンナイトに接近すると、その身長は二メートルはあった。
俺よりも大きい。
「邪魔だ!」
薙ぎ払われる剣よりも俺は素早く拳を突き出して、スケルトンナイトを砕いた。
俺の拳が叩き出した衝撃は一体だけでは終わらず、後ろにいたスケルトンナイトが吹き飛んだ。
「しゃっら!」
横に回り込んでいたスケルトンナイト達も倒しながら吹き飛ばす。
盾を持ってようが関係ない。その全てを打ち砕く。
「⋯⋯ッ!」
目の前に迫って、剣の先端に影ができるくらいには近くにあった剣をギリギリで回避した。
怖いなっ!
「こちとら少女だぞ!」
殴り飛ばす。
『果たして?』
『これを少女と称して良いのか、少々謎』
『見た目は少女だけどな』
数が多くて前に進めないな。
がしゃどくろにはまだ距離があるのだが、その高さは既に十メートルを超えていると思う。
本当にでかいな。
「と、余所見している場合は⋯⋯ないな!」
スケルトンナイトは剣と盾のセットだけでは無い。
槍や弓矢を持っている奴らもあり、その種類はかなり多いと思う。
だけどスケルトン本体の性能は全員同じであり、一撃で沈む。
「だけど⋯⋯」
数が減っている気がしない。いちいち相手をしていても意味が無い。
突っ切るか。
「あん?」
俺の真上に魔法陣が出現した。
紫色の魔法陣がビリビリと電気をほとばしらせながら、色が濃くなり、光が強くなる。
自分の第六感、嫌な感じがアラームを告げる。
「考えている暇なんてない!」
回避は間に合わないなら防ぐのみだろ。
俺はステッキを鉄製にして、形は鳥かごのようにする。先端が少し伸びしている。
それを魔法陣に向かって、垂直にぶん投げた。
空気を切り裂きながら突き進んだステッキ。放たれた紫電はステッキに誘われたように集中して、吸収された。
「ギリギリセーフ⋯⋯って、ナイトの攻撃は止まらないよね」
スケルトンの顔面を足場にして俺は前に進んだ。進めば進む程にがしゃどくろの巨大さが分かり、ついには見上げないとか顔が分からなくなる。
『こっからが序章だな』
『こうなったら応援するしかできないよ!』
『ルミナスさんみたいに、コメントが常に見れるような何かがあれば』
『雷の魔法を使うなら、電気系の魔法を得意とするがしゃどくろかな?』
『アカツキちゃんってあんまり電気に強いイメージが⋯⋯』
『ネクロマンサーの電気も受けたしな⋯⋯頑張って』
「ぬお!」
足を掴まれて地面に倒され、複数の剣が突き出される。
横に転がりながら回避する。その時にスケルトンナイトの足を破壊し、武器や盾を破壊していた。
『まじで暴走トラックになってますやんw』
『本気転がりでマジカルローラー』
『そろそろ本体に近づきそうだな』
俺の上に大量の魔法陣が現れる。
ステッキを手元に戻してうちわにする。放たれる魔法は青色の妖艶な炎だった。
「吹き飛べや!」
うちわを全力で振るって吹き飛ばす。
「なっ!」
だけど魔法はその一回では終わらず、二重に重なっていた。
次に降り注いだのは闇の塊のような魔法だった。球体だ。
「まだまだ!」
俺は跳躍して、ステッキをバットにする。
「これが、ホームラン確定のフルスイングじゃ!」
闇の魔法をぶっぱなして、魔法陣を通過して本体にダメージを与えた⋯⋯事はなかった。
攻撃が命中して土煙が舞うが、それだけで無傷である。
再生能力があるのなら、その程度のダメージは意味無い事になる。
「より近くで、より強い攻撃を与えないとダメか」
まずは足元に向かって、そこからよじ登る。
着地する。
腕を前に出して、足に力を込めて俺は走り出した。
剣だろうが槍だろうが砕いて、まっすぐ突き進む。
「くっそ、屍が!」
そんな事をしてたら目の前に集まって、屍の壁ができあがった。
そのせいで少しだけスピードが落ちた、ので殴って破壊した。
それを繰り返してようやく、足元に到着した。
それでも落ち着いて休める時間はなかった。
とにかく動いてよじ登る。
「容赦なく魔法を撃ちやがって」
数が多すぎる。打ち返すとか考える暇すらない。
がしゃどくろの身体をよじ登る。自分の身体に当たるとかお構い無しに魔法は放たれる。
「まじでスケルトンナイトの数がえぐいな」
下を見れば、白色のうじゃうじゃしたものが動いているようにしか見えない。
それだけ数がいるのだ。
「止まっている暇はないか」
魔法が当たらないように気をつけながら心臓に向かって走る。
心臓までがこれまた遠い。
身体を攻撃するべきだろうが、ここで攻撃しても意味が無いだろう。
心臓部に到達したら、そこを集中的に攻撃する。
「⋯⋯おい待て待て」
がしゃどくろの骨がゼリーのように柔らかくなり、身体から何かが分離して出て来る。
そいつは形を変えて、背中に六本の手、合計八本の手を持ったスケルトンナイトが出現した。
その全ての手に剣を所持している。
「クソッタレ。そんなんありかよ」
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