126 / 179
物理系魔法少女、精霊が合流した
しおりを挟む
確かに俺は「全力で来い」と発言したさ。
だけどな、それは卑怯じゃないか?
「空飛べない相手に空を飛んで戦うな! 降りて来なさい!」
鳥のような翼を紫炎で形成して広げ、空を飛んでいる。
当然、俺の言葉は届く事はなく、返事の代わりに来たのは無数の炎の矢である。
精霊達は森が壊れるのを嫌う。
うちわだと一回振るった隙に撃たれたら対処できない。
「必殺マジカルシリーズ」
だったら、全体的に一気に吹き飛ばすのではなく、一つ一つ確実に砕く。
「本気連打」
光り輝く拳を高速で突き出して矢を次々に破壊していく。
矢が終わるタイミングを見て、地面を思いっきり蹴る。
飛べないけと跳べる。
アオイさんの高さまでジャンプしようと思ったら、できるのが魔法少女だ。
手刀の形を作る。
「必殺マジカルシリーズ、本気手刀打」
片方の翼目掛けて、俺は全力でチョップを繰り出した。
片翼を失えばバランスを崩して、地面に向かって落ちる。
それも炎を利用して着地するけどね。
「それでも飛ぶか」
だが、魔法で形成された翼は破壊されても何度でも蘇る。
落ちながら再び翼を作り出して空を飛んでしまった。
俺が再びジャンプのために膝を曲げていると、全方位から紫炎の鳥が迫る。
落ちている途中で地面に用意していたのだう。
「オラッ!」
両手を組んで、地面に向かって叩き落とす。
それが生み出す衝撃波で炎の鳥を破壊したのだが、今度は上から鳥が迫ってくる。
俺に自動防衛なんて羨ましいモノは備わってない、それを見破られたのだろう。
だから貫通力よりも火力を優先し、広範囲かつ火力も高そうであり、扱いやすそうな鳥にしたのだろう。
普段から自由な鳥は魔法を使う時のイメージもかなりしやすいのだ。
空飛ぶカエルや水中を泳ぐ鳥、普段は見ない存在だとイメージは難しい。
イメージで幻術を使えて、魔法が使えると知られてからちまちまみんなで遊んでいた結果、そう分かっている。
イメージだけで顕現できる魔法は確かに強力だが、その分扱いが難しい時もあるのだ。
「そんなん。いくらやっても変われねぇよ!」
一個一個砕く。
俺もさっき地面にクレーターを作ったばかりだけど、元凶と戦っているので精霊達は許してくれるご都合解釈で、今の俺は戦っている。
正面から迫る炎の鳥達を見て拳を固めるが、それを察知してから軽やかな動きで周囲を包囲する形になった。
「めんどくさいな」
そう呟くと、強い風が拭いて炎の鳥が細切れになって消える。
風の斬撃ってのは通ると何となく分かるけど、基本見にくいので厄介だ。
風魔法ってかなり強いな。
「うちの想いは助けたい。せやけどな、アオイちゃんを蝕む痛みから解放してやりたいのも本音や」
アオイさんを正気に戻すまで戦う間、彼女は苦しむだろう。
痛みから即刻開放される場合、アオイさんを殺す事になる。
どっちも本音か。
「少しでも正気があるなら、答えてやアオイちゃん。自分はどないして欲しいねん!」
そんな難しい質問を上空にいるアオイさんに投げかける。
その声が届いたのか分からない。だけど魔法は飛んで来る。
しかし、その魔法はゆらゆらと揺れてとても遅い、そして美しかった。
「花?」
「アサガオや。⋯⋯うちは。アオイちゃんを助けたい。アオイちゃんが自ら悪魔から助かると信じてる! だから、少しでも暴走状態を弱めるために、戦う」
「分かった。そんじゃ、一旦地面に落とす。足場をお願い」
俺がそう言うと、察してくれたのかミドリさんは刃を分裂させて足場をアオイさんに伸ばす。
その刃を使って高速で接近する。
「くっ」
放たれる魔法を諸にくらうが、歯を食いしばって耐えて、腕を掴んだ。
身体を捻って、力任せに地面に向かって投げる。
炎を使って落下速度を弱めて、炎をクッションのように形成して着地する。
そのタイミングでミドリさんが魔法を使って炎を薙ぎ払う。
俺には炎の鳥が、ミドリさんには炎の矢が飛ぶ。
「しゃらくせぇ!」
「魔力をもっと消費しーや!」
互いに炎を破壊する。
アオイさんが両手を天に掲げ、巨大な鳥の炎が形成される。
「フェニックスドライブ⋯⋯そんな魔法アオイちゃん使えんだ。知らなかった」
「暴走状態だから、戦いに関してのセンスが上がっているのかもね」
魔法にそんな名前のがあるんだな。
俺の知っている魔法を使う人達って、大抵がイメージだし、ミズノだって案外シンプルな名前だ。
イメージだけで大規模な魔法を構築する⋯⋯厄介な。
「うちの全力で止めてみせる」
ミドリさんが魔法陣を展開した。
そういえば、今までは魔法陣を展開せずに風を操っていた。
剣を使うと当時に魔法を使っていたよな。あの剣には色んな能力がありそうだ。
巨大な魔法に備えていると、急激に炎が小さくなり始めた。それでも巨大だが。
さらに、ダンジョンの中なのに雲が濃くなり、大雨が降る。
その雨が炎をさらに弱める。
「近くに居てくれて良かったのじゃ。さぁやるのじゃ!」
「全く」
「こんな面倒事を持ち込んで⋯⋯」
火の精霊と水の精霊が幻の精霊の後ろからやってくる。
強者感溢れる二人の登場だったが、身体が少しだけ薄い気がする。
本当に色んなところの問題に対処して来たのだろう。
良くあるモノで考えれば、力を使って魔力が減っているから、身体が薄くなっているのだろう。
「ありがとうございます。あれだけ弱くなれば、コイツで壊せる!」
俺はステッキを強く握りしめる。
だけどな、それは卑怯じゃないか?
「空飛べない相手に空を飛んで戦うな! 降りて来なさい!」
鳥のような翼を紫炎で形成して広げ、空を飛んでいる。
当然、俺の言葉は届く事はなく、返事の代わりに来たのは無数の炎の矢である。
精霊達は森が壊れるのを嫌う。
うちわだと一回振るった隙に撃たれたら対処できない。
「必殺マジカルシリーズ」
だったら、全体的に一気に吹き飛ばすのではなく、一つ一つ確実に砕く。
「本気連打」
光り輝く拳を高速で突き出して矢を次々に破壊していく。
矢が終わるタイミングを見て、地面を思いっきり蹴る。
飛べないけと跳べる。
アオイさんの高さまでジャンプしようと思ったら、できるのが魔法少女だ。
手刀の形を作る。
「必殺マジカルシリーズ、本気手刀打」
片方の翼目掛けて、俺は全力でチョップを繰り出した。
片翼を失えばバランスを崩して、地面に向かって落ちる。
それも炎を利用して着地するけどね。
「それでも飛ぶか」
だが、魔法で形成された翼は破壊されても何度でも蘇る。
落ちながら再び翼を作り出して空を飛んでしまった。
俺が再びジャンプのために膝を曲げていると、全方位から紫炎の鳥が迫る。
落ちている途中で地面に用意していたのだう。
「オラッ!」
両手を組んで、地面に向かって叩き落とす。
それが生み出す衝撃波で炎の鳥を破壊したのだが、今度は上から鳥が迫ってくる。
俺に自動防衛なんて羨ましいモノは備わってない、それを見破られたのだろう。
だから貫通力よりも火力を優先し、広範囲かつ火力も高そうであり、扱いやすそうな鳥にしたのだろう。
普段から自由な鳥は魔法を使う時のイメージもかなりしやすいのだ。
空飛ぶカエルや水中を泳ぐ鳥、普段は見ない存在だとイメージは難しい。
イメージで幻術を使えて、魔法が使えると知られてからちまちまみんなで遊んでいた結果、そう分かっている。
イメージだけで顕現できる魔法は確かに強力だが、その分扱いが難しい時もあるのだ。
「そんなん。いくらやっても変われねぇよ!」
一個一個砕く。
俺もさっき地面にクレーターを作ったばかりだけど、元凶と戦っているので精霊達は許してくれるご都合解釈で、今の俺は戦っている。
正面から迫る炎の鳥達を見て拳を固めるが、それを察知してから軽やかな動きで周囲を包囲する形になった。
「めんどくさいな」
そう呟くと、強い風が拭いて炎の鳥が細切れになって消える。
風の斬撃ってのは通ると何となく分かるけど、基本見にくいので厄介だ。
風魔法ってかなり強いな。
「うちの想いは助けたい。せやけどな、アオイちゃんを蝕む痛みから解放してやりたいのも本音や」
アオイさんを正気に戻すまで戦う間、彼女は苦しむだろう。
痛みから即刻開放される場合、アオイさんを殺す事になる。
どっちも本音か。
「少しでも正気があるなら、答えてやアオイちゃん。自分はどないして欲しいねん!」
そんな難しい質問を上空にいるアオイさんに投げかける。
その声が届いたのか分からない。だけど魔法は飛んで来る。
しかし、その魔法はゆらゆらと揺れてとても遅い、そして美しかった。
「花?」
「アサガオや。⋯⋯うちは。アオイちゃんを助けたい。アオイちゃんが自ら悪魔から助かると信じてる! だから、少しでも暴走状態を弱めるために、戦う」
「分かった。そんじゃ、一旦地面に落とす。足場をお願い」
俺がそう言うと、察してくれたのかミドリさんは刃を分裂させて足場をアオイさんに伸ばす。
その刃を使って高速で接近する。
「くっ」
放たれる魔法を諸にくらうが、歯を食いしばって耐えて、腕を掴んだ。
身体を捻って、力任せに地面に向かって投げる。
炎を使って落下速度を弱めて、炎をクッションのように形成して着地する。
そのタイミングでミドリさんが魔法を使って炎を薙ぎ払う。
俺には炎の鳥が、ミドリさんには炎の矢が飛ぶ。
「しゃらくせぇ!」
「魔力をもっと消費しーや!」
互いに炎を破壊する。
アオイさんが両手を天に掲げ、巨大な鳥の炎が形成される。
「フェニックスドライブ⋯⋯そんな魔法アオイちゃん使えんだ。知らなかった」
「暴走状態だから、戦いに関してのセンスが上がっているのかもね」
魔法にそんな名前のがあるんだな。
俺の知っている魔法を使う人達って、大抵がイメージだし、ミズノだって案外シンプルな名前だ。
イメージだけで大規模な魔法を構築する⋯⋯厄介な。
「うちの全力で止めてみせる」
ミドリさんが魔法陣を展開した。
そういえば、今までは魔法陣を展開せずに風を操っていた。
剣を使うと当時に魔法を使っていたよな。あの剣には色んな能力がありそうだ。
巨大な魔法に備えていると、急激に炎が小さくなり始めた。それでも巨大だが。
さらに、ダンジョンの中なのに雲が濃くなり、大雨が降る。
その雨が炎をさらに弱める。
「近くに居てくれて良かったのじゃ。さぁやるのじゃ!」
「全く」
「こんな面倒事を持ち込んで⋯⋯」
火の精霊と水の精霊が幻の精霊の後ろからやってくる。
強者感溢れる二人の登場だったが、身体が少しだけ薄い気がする。
本当に色んなところの問題に対処して来たのだろう。
良くあるモノで考えれば、力を使って魔力が減っているから、身体が薄くなっているのだろう。
「ありがとうございます。あれだけ弱くなれば、コイツで壊せる!」
俺はステッキを強く握りしめる。
0
あなたにおすすめの小説
役立たずと言われダンジョンで殺されかけたが、実は最強で万能スキルでした !
本条蒼依
ファンタジー
地球とは違う異世界シンアースでの物語。
主人公マルクは神聖の儀で何にも反応しないスキルを貰い、絶望の淵へと叩き込まれる。
その役に立たないスキルで冒険者になるが、役立たずと言われダンジョンで殺されかけるが、そのスキルは唯一無二の万能スキルだった。
そのスキルで成り上がり、ダンジョンで裏切った人間は落ちぶれざまあ展開。
主人公マルクは、そのスキルで色んなことを解決し幸せになる。
ハーレム要素はしばらくありません。
最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。
みこみこP
ファンタジー
高校2年の夏。
高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。
地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。
しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。
ゲームコインをザクザク現金化。還暦オジ、田舎で世界を攻略中
あ、まん。@田中子樹
ファンタジー
仕事一筋40年。
結婚もせずに会社に尽くしてきた二瓶豆丸。
定年を迎え、静かな余生を求めて山奥へ移住する。
だが、突如世界が“数値化”され、現実がゲームのように変貌。
唯一の趣味だった15年続けた積みゲー「モリモリ」が、 なぜか現実世界とリンクし始める。
化け物が徘徊する世界で出会ったひとりの少女、滝川歩茶。
彼女を守るため、豆丸は“積みゲー”スキルを駆使して立ち上がる。
現金化されるコイン、召喚されるゲームキャラたち、 そして迫りくる謎の敵――。
これは、還暦オジが挑む、〝人生最後の積みゲー〟であり〝世界最後の攻略戦〟である。
独身貴族の異世界転生~ゲームの能力を引き継いで俺TUEEEチート生活
髙龍
ファンタジー
MMORPGで念願のアイテムを入手した次の瞬間大量の水に押し流され無念の中生涯を終えてしまう。
しかし神は彼を見捨てていなかった。
そんなにゲームが好きならと手にしたステータスとアイテムを持ったままゲームに似た世界に転生させてやろうと。
これは俺TUEEEしながら異世界に新しい風を巻き起こす一人の男の物語。
掘鑿王(くっさくおう)~ボクしか知らない隠しダンジョンでSSRアイテムばかり掘り出し大金持ち~
テツみン
ファンタジー
『掘削士』エリオットは、ダンジョンの鉱脈から鉱石を掘り出すのが仕事。
しかし、非戦闘職の彼は冒険者仲間から不遇な扱いを受けていた。
ある日、ダンジョンに入ると天災級モンスター、イフリートに遭遇。エリオットは仲間が逃げ出すための囮(おとり)にされてしまう。
「生きて帰るんだ――妹が待つ家へ!」
彼は岩の割れ目につるはしを打ち込み、崩落を誘発させ――
目が覚めると未知の洞窟にいた。
貴重な鉱脈ばかりに興奮するエリオットだったが、特に不思議な形をしたクリスタルが気になり、それを掘り出す。
その中から現れたモノは……
「えっ? 女の子???」
これは、不遇な扱いを受けていた少年が大陸一の大富豪へと成り上がっていく――そんな物語である。
40歳のおじさん 旅行に行ったら異世界でした どうやら私はスキル習得が早いようです
カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
部長に傷つけられ続けた私
とうとうキレてしまいました
なんで旅行ということで大型連休を取ったのですが
飛行機に乗って寝て起きたら異世界でした……
スキルが簡単に得られるようなので頑張っていきます
『冒険者をやめて田舎で隠居します 〜気づいたら最強の村になってました〜』
チャチャ
ファンタジー
> 世界には4つの大陸がある。東に魔神族、西に人族、北に獣人とドワーフ、南にエルフと妖精族——種族ごとの国が、それぞれの文化と価値観で生きていた。
その世界で唯一のSSランク冒険者・ジーク。英雄と呼ばれ続けることに疲れた彼は、突如冒険者を引退し、田舎へと姿を消した。
「もう戦いたくない、静かに暮らしたいんだ」
そう願ったはずなのに、彼の周りにはドラゴンやフェンリル、魔神族にエルフ、ドワーフ……あらゆる種族が集まり、最強の村が出来上がっていく!?
のんびりしたいだけの元英雄の周囲が、どんどんカオスになっていく異世界ほのぼの(?)ファンタジー。
現代錬金術のすゝめ 〜ソロキャンプに行ったら賢者の石を拾った〜
涼月 風
ファンタジー
御門賢一郎は過去にトラウマを抱える高校一年生。
ゴールデンウィークにソロキャンプに行き、そこで綺麗な石を拾った。
しかし、その直後雷に打たれて意識を失う。
奇跡的に助かった彼は以前の彼とは違っていた。
そんな彼が成長する為に異世界に行ったり又、現代で錬金術をしながら生活する物語。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる