162 / 179
物理系魔法少女、やれば出来る
しおりを挟む
骨の身体になったドラゴン、種族名はスケリトルドラゴンと言うらしい。
魔法陣を展開するようになり、複数の魔法攻撃を駆使して来る。
生前のレッドドラゴンの時よりもブレスの火力は上がっており、黒色の炎となっている。
骨なのに炎系の魔法を使って来るし、骨なのに一番強い状態である。
だが、そんな魔法達をあまり使わずに奴は物理攻撃で攻めて来る。
「ちぃ」
地面をえぐりながら迫って来る突進をジャンプして回避する。
「わたくしもいますわよ!」
シロエさんの闇の魔法を結界で最初は防ぎ、その後は飛行で回避して行く。
スピードが上がっている事により偏差撃ちも上手く決まらない。
「オラッ!」
爪の攻撃に合わせて突き出した拳を翻して回避され、その勢いを利用した尻尾の攻撃がダメージを与えて来る。
俺の攻撃タイミングが相手に完璧に読まれている。
『まじで何回も蘇っただけはあるな』
『戦闘パターンを把握されるのは厄介だな』
『アカツキに関してはそれも分かりやすいしな』
『天敵はこんなすぐ近くに⋯⋯』
『新しい事をしないとな』
『学習能力がアカツキ以上だな。脳ないのに』
『アンデッドの方が賢い⋯⋯いつもの事か?』
『今までと違う点は喋らない事やね』
『がんば』
『負けそうじゃない?』
『ついに敗北か?』
『逃げてくれぇええええ!』
ドラゴンが俺からシロエさんにターゲットを切り替え、瞬時に魔法を連射する。
シロエさんは闇でその魔法群に立ち向かい、防いで行く。
俺も走って接近して、闇を破壊するために振るわれた爪を蹴飛ばす。
大したダメージではないが、攻撃は通った気がする。
「ぬっ!」
俺を囲むように魔法陣が展開されている。確実に分かっていたんだ。
シロエさんに爪を振るおうとすれば俺が弾くと、アイツは分かった上で行動しているんだ。
罠にハマった訳か。
「クソっ」
ステッキを投げて魔法陣を一つ破壊し、もう一つを拳で破壊する。
まだ放たれてないので、一つの魔法陣は掴んで回収しておく。
減った魔法陣から炎が飛ばされるが、魔法陣を横薙ぎに振るって切断する。
「そんな事もできましたの!」
「人間やればできるもんさ!」
『できねぇよ!』
『触れないわ!』
『人間、じゃなくて脳筋魔法少女だからだろ!』
『これぞマジカル』
『不思議だなぁ』
『魔法陣カッターだ』
俺は空を飛び回るドラゴンに向かって魔法陣をぶん投げた。
回転の乗った魔法陣は手裏剣のようにまっすぐ飛来し、途中で消えた。
魔法陣は掴むと魔法を放たれないが、一定時間で消えるらしい。
「今の一撃で当てたかったな」
また学習されるだろう。
俺達の上空に巨大な魔法陣を形成する。
「アカツキさん!」
「あいよ!」
危険だと判断した俺はシロエさんの誘いに乗って闇の中に避難する。
上に広がった闇に落とされる落雷のごとき炎に闇が徐々に押されていく。
「わたくしはまだ、終わりませんわよ!」
魔法が収まり、シロエさんは闇で大砲のようなモノを形成する。
「吹き飛びなさい!」
そこからチャージした闇を発射した。
「グガアアアアアアア!」
炎を纏って伸ばした爪を振るい、その闇を破壊した。
放たれた闇の中に入っていたが、ギリギリで俺には当たらなかった。だから反撃に移る。
「吹っ飛べや!」
「グガアアアアアアア」
何となく予想してたのか、驚いた様子は見せずに冷静に、俺の腹辺りに結界を広げた。そのせいでパンチができなかった。
「お前、人体の構造を学習したのか?」
パンチを防いでも意味は無いと判断したのか、パンチをさせない方法を取りやがった。
だけどそれは愚策だぜ。なぜなら、俺の足場に⋯⋯。
「ぬおおおおおおお!」
くっそアイツ結界消しやがった!
だけど俺にはステッキがあるんだよ!
スケボーに見た目を変えて、それを足場にジャンプする。
「これはどう防ぐよ!」
ドラゴンを中心に炎の竜巻が広がり、俺の身体が巻き込まれて引っ張られる。
さすがにこれは厄介だな。
「オラッ!」
拳を振るって破壊すると、既にドラゴンはさらなる高みに到達していた。
「落ちなさい!」
シロエさんがドラゴンの魔法をぱくったかのように、先程と同じくらいの大きさの魔法陣を展開する。
剣でありながら落雷のような一撃、それを闇で作り出してドラゴンに落とした。
結界も間に合わずに地面に向かって落ちて行く。
「沈め!」
シロエさんの生み出した闇の海に沈んで行くドラゴン。
「白き闇に呑まれ、絶叫すら響かない、永遠の孤独を噛み締め沈め、白闇牢獄」
先程まで、水のように柔らかかった闇がコンクリートのように固まる。
ドラゴンの頭がある位置にそれらしいマークを闇で残してくれている。
「ステッキ!」
俺はステッキを戦鎚のようにして質量を上げる。
「砕け散れ!」
俺は硬くなった闇に向かってハンマーを叩き落として、闇ごとドラゴンを砕いた。
つもりだった。
「いない!」
「どうしてですわ!」
シロエさんの驚愕も分かる。確実に決まったはずなのに、ドラゴンに当たった感触がなかった。
すると、アイツは火球となりながら地面に落下して来た。
「転移?」
「いえ⋯⋯まさかっ!」
シロエさんがそこで気づいた。
「自分を魔法にして放ったのですの?」
なんじゃそりゃ。
魔法陣を展開するようになり、複数の魔法攻撃を駆使して来る。
生前のレッドドラゴンの時よりもブレスの火力は上がっており、黒色の炎となっている。
骨なのに炎系の魔法を使って来るし、骨なのに一番強い状態である。
だが、そんな魔法達をあまり使わずに奴は物理攻撃で攻めて来る。
「ちぃ」
地面をえぐりながら迫って来る突進をジャンプして回避する。
「わたくしもいますわよ!」
シロエさんの闇の魔法を結界で最初は防ぎ、その後は飛行で回避して行く。
スピードが上がっている事により偏差撃ちも上手く決まらない。
「オラッ!」
爪の攻撃に合わせて突き出した拳を翻して回避され、その勢いを利用した尻尾の攻撃がダメージを与えて来る。
俺の攻撃タイミングが相手に完璧に読まれている。
『まじで何回も蘇っただけはあるな』
『戦闘パターンを把握されるのは厄介だな』
『アカツキに関してはそれも分かりやすいしな』
『天敵はこんなすぐ近くに⋯⋯』
『新しい事をしないとな』
『学習能力がアカツキ以上だな。脳ないのに』
『アンデッドの方が賢い⋯⋯いつもの事か?』
『今までと違う点は喋らない事やね』
『がんば』
『負けそうじゃない?』
『ついに敗北か?』
『逃げてくれぇええええ!』
ドラゴンが俺からシロエさんにターゲットを切り替え、瞬時に魔法を連射する。
シロエさんは闇でその魔法群に立ち向かい、防いで行く。
俺も走って接近して、闇を破壊するために振るわれた爪を蹴飛ばす。
大したダメージではないが、攻撃は通った気がする。
「ぬっ!」
俺を囲むように魔法陣が展開されている。確実に分かっていたんだ。
シロエさんに爪を振るおうとすれば俺が弾くと、アイツは分かった上で行動しているんだ。
罠にハマった訳か。
「クソっ」
ステッキを投げて魔法陣を一つ破壊し、もう一つを拳で破壊する。
まだ放たれてないので、一つの魔法陣は掴んで回収しておく。
減った魔法陣から炎が飛ばされるが、魔法陣を横薙ぎに振るって切断する。
「そんな事もできましたの!」
「人間やればできるもんさ!」
『できねぇよ!』
『触れないわ!』
『人間、じゃなくて脳筋魔法少女だからだろ!』
『これぞマジカル』
『不思議だなぁ』
『魔法陣カッターだ』
俺は空を飛び回るドラゴンに向かって魔法陣をぶん投げた。
回転の乗った魔法陣は手裏剣のようにまっすぐ飛来し、途中で消えた。
魔法陣は掴むと魔法を放たれないが、一定時間で消えるらしい。
「今の一撃で当てたかったな」
また学習されるだろう。
俺達の上空に巨大な魔法陣を形成する。
「アカツキさん!」
「あいよ!」
危険だと判断した俺はシロエさんの誘いに乗って闇の中に避難する。
上に広がった闇に落とされる落雷のごとき炎に闇が徐々に押されていく。
「わたくしはまだ、終わりませんわよ!」
魔法が収まり、シロエさんは闇で大砲のようなモノを形成する。
「吹き飛びなさい!」
そこからチャージした闇を発射した。
「グガアアアアアアア!」
炎を纏って伸ばした爪を振るい、その闇を破壊した。
放たれた闇の中に入っていたが、ギリギリで俺には当たらなかった。だから反撃に移る。
「吹っ飛べや!」
「グガアアアアアアア」
何となく予想してたのか、驚いた様子は見せずに冷静に、俺の腹辺りに結界を広げた。そのせいでパンチができなかった。
「お前、人体の構造を学習したのか?」
パンチを防いでも意味は無いと判断したのか、パンチをさせない方法を取りやがった。
だけどそれは愚策だぜ。なぜなら、俺の足場に⋯⋯。
「ぬおおおおおおお!」
くっそアイツ結界消しやがった!
だけど俺にはステッキがあるんだよ!
スケボーに見た目を変えて、それを足場にジャンプする。
「これはどう防ぐよ!」
ドラゴンを中心に炎の竜巻が広がり、俺の身体が巻き込まれて引っ張られる。
さすがにこれは厄介だな。
「オラッ!」
拳を振るって破壊すると、既にドラゴンはさらなる高みに到達していた。
「落ちなさい!」
シロエさんがドラゴンの魔法をぱくったかのように、先程と同じくらいの大きさの魔法陣を展開する。
剣でありながら落雷のような一撃、それを闇で作り出してドラゴンに落とした。
結界も間に合わずに地面に向かって落ちて行く。
「沈め!」
シロエさんの生み出した闇の海に沈んで行くドラゴン。
「白き闇に呑まれ、絶叫すら響かない、永遠の孤独を噛み締め沈め、白闇牢獄」
先程まで、水のように柔らかかった闇がコンクリートのように固まる。
ドラゴンの頭がある位置にそれらしいマークを闇で残してくれている。
「ステッキ!」
俺はステッキを戦鎚のようにして質量を上げる。
「砕け散れ!」
俺は硬くなった闇に向かってハンマーを叩き落として、闇ごとドラゴンを砕いた。
つもりだった。
「いない!」
「どうしてですわ!」
シロエさんの驚愕も分かる。確実に決まったはずなのに、ドラゴンに当たった感触がなかった。
すると、アイツは火球となりながら地面に落下して来た。
「転移?」
「いえ⋯⋯まさかっ!」
シロエさんがそこで気づいた。
「自分を魔法にして放ったのですの?」
なんじゃそりゃ。
0
あなたにおすすめの小説
役立たずと言われダンジョンで殺されかけたが、実は最強で万能スキルでした !
本条蒼依
ファンタジー
地球とは違う異世界シンアースでの物語。
主人公マルクは神聖の儀で何にも反応しないスキルを貰い、絶望の淵へと叩き込まれる。
その役に立たないスキルで冒険者になるが、役立たずと言われダンジョンで殺されかけるが、そのスキルは唯一無二の万能スキルだった。
そのスキルで成り上がり、ダンジョンで裏切った人間は落ちぶれざまあ展開。
主人公マルクは、そのスキルで色んなことを解決し幸せになる。
ハーレム要素はしばらくありません。
『冒険者をやめて田舎で隠居します 〜気づいたら最強の村になってました〜』
チャチャ
ファンタジー
> 世界には4つの大陸がある。東に魔神族、西に人族、北に獣人とドワーフ、南にエルフと妖精族——種族ごとの国が、それぞれの文化と価値観で生きていた。
その世界で唯一のSSランク冒険者・ジーク。英雄と呼ばれ続けることに疲れた彼は、突如冒険者を引退し、田舎へと姿を消した。
「もう戦いたくない、静かに暮らしたいんだ」
そう願ったはずなのに、彼の周りにはドラゴンやフェンリル、魔神族にエルフ、ドワーフ……あらゆる種族が集まり、最強の村が出来上がっていく!?
のんびりしたいだけの元英雄の周囲が、どんどんカオスになっていく異世界ほのぼの(?)ファンタジー。
最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。
みこみこP
ファンタジー
高校2年の夏。
高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。
地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。
しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。
ゲームコインをザクザク現金化。還暦オジ、田舎で世界を攻略中
あ、まん。@田中子樹
ファンタジー
仕事一筋40年。
結婚もせずに会社に尽くしてきた二瓶豆丸。
定年を迎え、静かな余生を求めて山奥へ移住する。
だが、突如世界が“数値化”され、現実がゲームのように変貌。
唯一の趣味だった15年続けた積みゲー「モリモリ」が、 なぜか現実世界とリンクし始める。
化け物が徘徊する世界で出会ったひとりの少女、滝川歩茶。
彼女を守るため、豆丸は“積みゲー”スキルを駆使して立ち上がる。
現金化されるコイン、召喚されるゲームキャラたち、 そして迫りくる謎の敵――。
これは、還暦オジが挑む、〝人生最後の積みゲー〟であり〝世界最後の攻略戦〟である。
掘鑿王(くっさくおう)~ボクしか知らない隠しダンジョンでSSRアイテムばかり掘り出し大金持ち~
テツみン
ファンタジー
『掘削士』エリオットは、ダンジョンの鉱脈から鉱石を掘り出すのが仕事。
しかし、非戦闘職の彼は冒険者仲間から不遇な扱いを受けていた。
ある日、ダンジョンに入ると天災級モンスター、イフリートに遭遇。エリオットは仲間が逃げ出すための囮(おとり)にされてしまう。
「生きて帰るんだ――妹が待つ家へ!」
彼は岩の割れ目につるはしを打ち込み、崩落を誘発させ――
目が覚めると未知の洞窟にいた。
貴重な鉱脈ばかりに興奮するエリオットだったが、特に不思議な形をしたクリスタルが気になり、それを掘り出す。
その中から現れたモノは……
「えっ? 女の子???」
これは、不遇な扱いを受けていた少年が大陸一の大富豪へと成り上がっていく――そんな物語である。
40歳のおじさん 旅行に行ったら異世界でした どうやら私はスキル習得が早いようです
カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
部長に傷つけられ続けた私
とうとうキレてしまいました
なんで旅行ということで大型連休を取ったのですが
飛行機に乗って寝て起きたら異世界でした……
スキルが簡単に得られるようなので頑張っていきます
現代錬金術のすゝめ 〜ソロキャンプに行ったら賢者の石を拾った〜
涼月 風
ファンタジー
御門賢一郎は過去にトラウマを抱える高校一年生。
ゴールデンウィークにソロキャンプに行き、そこで綺麗な石を拾った。
しかし、その直後雷に打たれて意識を失う。
奇跡的に助かった彼は以前の彼とは違っていた。
そんな彼が成長する為に異世界に行ったり又、現代で錬金術をしながら生活する物語。
異世界帰りの元勇者、日本に突然ダンジョンが出現したので「俺、バイト辞めますっ!」
シオヤマ琴@『最強最速』発売中
ファンタジー
俺、結城ミサオは異世界帰りの元勇者。
異世界では強大な力を持った魔王を倒しもてはやされていたのに、こっちの世界に戻ったら平凡なコンビニバイト。
せっかく強くなったっていうのにこれじゃ宝の持ち腐れだ。
そう思っていたら突然目の前にダンジョンが現れた。
これは天啓か。
俺は一も二もなくダンジョンへと向かっていくのだった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる