能力者とダンジョンがありふれた世界の最高位迷宮管理者〜ようこそ神が救いし世界へ

ネリムZ

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二章 能力専門学校

19話 花蓮目線

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 今日は山登りの実習です。全学年対象で、好きな人とグループが作れるみたいです。
 なので私は零さん、亜依さん、麻衣ちゃんと一緒のグループに成ります。

「はぁ。山場まで転移で行くなら、登らなくてもいいじゃない」

「零さんは山登り嫌いなんですか?」

「めんどくさいじゃない! それに虫とか多そうだし⋯⋯」

「大丈夫ですよ。ここの虫は大抵大きいのですぐに見つけて逃げれます。人の足で逃げれるかは別ですけど。皆さん良い人達です!」

 私が熱弁するが、零さん含めた三人はとても嫌そうな顔をした。虫が嫌いなようです。可愛いんですけどね。

「ま、そもそも虫が住める環境の山じゃないので大丈夫ですよ」

 迷宮都市の中央が私達の住んでいる都市部。都市部は外に似ているような雰囲気を出しているが、素材が違い、外の何十倍も頑丈な素材になっている。戸建ては都市部には無く、マションだけである。

 しかし、拡張魔法が施されており、一部屋がとても広いので問題がない。

 都市部には基本的に居住区、学校、お店など、必要な建物が多い。一層全域の大きい温泉もきちんと行ける。

 そして今回行く山は、都市部の北側に位置する山岳地帯である。

 そこはとても気温が低い設定で、雪が積もっている。私はアビリティで寒さにも暑さにも耐性があるが、一般の人は防寒服が無いと辛い。

「それでは皆さん行きますよ~」

 今回の担任は、私のクラスの担任である純粋天使のラファエル様です。呼称はラエル様です。

 山の下までは転移で行き、そこからグループ事に登ります。迷子に成っても、監視役のモンスターが居るので安心です。

「それでは皆さん。楽しんでくださいね。私は先に頂上で待ってます」

 ラエル様が転移していくが、私達は転移が出来ない。迷宮用のスマホから転移機能が消えているのです。

「さぁ、皆さん! 行きましょう!」

「花蓮、元気ね」

 零さんが掠れる様な声で言ってきます。

「防寒服用意しなかったんですか? 亜依さんも麻衣ちゃんも」

「「「だって花蓮が制服なんだもん」」」

 なるほど。でも、周りの人達はきちんと着込んでいる。
 この制服なら問題ないですね。

「でしたら私がアビリティで熱を送りますね」

 三人の服に熱を込めて、防寒させる。

 山岳地帯にある迷宮都市唯一の山は地球で一番高い山よりも高い。そのせいで、頂上が見えません。唯一と言っても、迷宮都市のダンジョン内なら富士山とかがありますが。

 今更ながら、登るのがとても億劫になって来ました。

「花蓮、手握って~」

「私をカイロ代わりにしようとしてませんか?」

 様々なグループが登って行くので、私達も続いて行く。

「はぁはぁ」

「麻衣ちゃん。大丈夫?」

 迷宮都市の内部は魔力が濃く、普通の人でも日々の生活をしていれば体力などが強化されて行く。

 それでも、雪に覆われた山を一時間も休憩無しで登れば疲れる。それに、私以外はアビリティを持ってないので尚更だ。

「休みますか」

「ごめんなさい」

「良いんだよ麻衣、ここはお姉ちゃん達に甘えなさい」

 私は同年代なんですけどね。

 私はポッケから今日用に用意していたスペルカードを取り出す。流石に一日でこの山を登れるとは思っていない。

「スペルカード、発動」

 地面に置いて発動すれば、一瞬でカマクラが出来上がる。

「何それ何それ!」

 亜依さんが私の肩を揺らしながら問い詰めて来る。そう言えば迷宮都市の方ではスペルカードの販売は行っていなかったんですよね。

「魔法です」

 私がアビリティを持っている事は知っているので、これで納得してくれる事でしょう。

「でも、花蓮のアビリティって炎系じゃ⋯⋯」

「中に入って休みましょう。そろそろ吹雪が来る設定です」

 迷宮都市の天候はスマホで分かる。きちんと決まった設定天候があるので、気温も天気も正確だ。

 天井に付いている鉱石が雨などを降らしている。朝も夜もその鉱石が変えている。

「麻衣ちゃん。おにぎりです」

「良いの?」

「はい。こっからもまだまだありますからね」

 自然的に抉られている外の山と違い、ここは人工的で、しかも生物的な山なので崩れる事は無い。

 足場は安定して、登山が趣味な人が居て、この山を登るなら物足りなさを感じる事でしょう。

「⋯⋯あ、具ってウインナーなんだ」

「はい」

 アイテム袋があれば弁当の持ち運びも簡単。

「そう言えば、迷宮都市の全体図を見ても工場と言うか、生産場なんて一つも無いわよね」

「見てみたいな~」

「お姉ちゃんと行く?」

「うん!」

 私は心の底で冷える何かを感じだ。

「ダメ!」

「「「⋯⋯ッ!」」」

 普段大声を出さない私が大声を出した事に驚く皆。私は屈んで、頭を抑える。

「あそこは地獄です! 一応見学可能ですが、絶対にダメです! 世の中知らない方が良いってモノはあります! 絶対にダメです! あれを見たら数ヶ月お肉が食べれなくなります。ダメですよ絶対に、絶対にダメです」

「わ、分かった」

「うん。お姉ちゃん、やっぱりいいよ」

「そうだね。花蓮がこんなに必死に、しかも目が死んでるよ」

 あそこは地獄だ。あそこは、ね。

 ◇

 この山はジャイアントタートルと言う超巨大の亀の甲羅の上である。

 なので、勝手に地形変化は許されない。しかし、流石にお風呂に入らない、と言うのは辛い。

 そこで用意するのが、迷宮都市名物アイテム、『簡易拠点』である。ダンジョン攻略のお供としてアドベンチャーラーの中でとても人気である。

 ならば何故カマクラなんて作ったかと言うと、一時的に休憩するなら、すぐに出来るカマクラの方が良いからです。簡易拠点は掌サイズの箱で、設置すると数分かけて完成する。

 そして、なんやかんやで、途中でイエティ家族と会いながらも二日間かけて頂上に到着した。

『着いた!』

 皆で大声で叫ぶ。流石に疲れました。

「お疲れ様です。花蓮⋯⋯さんチームは下から四番目です」

 人間とモンスターを比べたら、ダメです。

 そして、皆で頂上の景色を眺めていると、私はラエル様に呼び出された。

「花蓮、山登りの途中でモンスターは見かけた?」

「はい。一日前の夜、一時四十六分に虎型のモンスターが徘徊してました」

「倒した?」

「はい。純粋モンスターですが、動物型と言う弱いモンスターですので」

「そうね。マリカの弟子として恥の無いようにね」

「はい」

 現在迷宮都市にはかなりの人が住んでいる。そして、人間とある程度の魔力があると、ダンジョン内でも管理外の、純粋モンスターが発生する。

 ここ最近で判明した事で、迷宮内純粋モンスターの特徴は、瞳のない真っ赤な目と闇のようなオーラーを纏い、夜にのみ活動する夜行性である事。

 私は基本的に狩りには参加してませんが、見つけて手の届く範囲は倒してます。現在、この現象の解決に向かって調査が得意なモンスターの部隊が動いているようです。

「速く、解決して欲しいモノです」

「そうね」
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