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俺、お前なら男でもいける
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てっきり大学に行くと思ってたのに、おるが高校を出てすぐ東京で就職したことを知ったのは4月になってからだった。
なんで?なんて思いながらも会う機会が無いまま俺も大学を出て就職して、今の奥さんに出会った。
その頃、LINEにおるが友だちかも?と表示されるようになって、また連絡を取るようになった。
『おるー!俺、結婚するわ』
『人違いだったらどうすんの笑 結婚おめでとう!式はこれから?間に合うなら呼んで(親指)』
(避けられてなかったんだ)
ホッとした。その後に地元の皆で飲んだ時も、結婚式にも来てくれたし、前みたいな笑顔で祝ってくれた。
少数派な考え方をする妻には結婚式の場でも微妙な反応をする奴が多かった。そんな中、おるは「自分も、相手も大事にしてくれる人だと思う。良かったなぁ」と自分事のように喜んでくれて、泣きそうになった。
いつも俺を受け入れてくれる、大事な親友だった。
それを狂わせたのは俺だった。
-----
(今日は…あの人のとこか)
妻の予定はクラウド上で皆が見られるようになっている。
そう、皆。
俺と、恋人Aと、恋人Bと、ほか良い感じの人。
こんな日に限って残業が無い。アプリで女の子を探すのもくだらない。試しに誘った会社の子と飲みに行った。
飲んでも飲んでも、妻より綺麗になってこない。新婚の頃は、罪悪感で余計に燃えたりもしたのに。
(この子だったら、おるの方が可愛いよなぁ)
会社の子とはバイバイして、その足でおるの部屋に向かった。
ダメ元で連絡したのに、玄関で出迎えてくれたおるはいつも通り優しかった。
「お前、結婚したんだから落ち着いたら?」
「知ってるよね?奥さんのこと」
「あぁ…そっか」
「そう。今日は違う恋人のとこ。俺も大事な人ができたら紹介して、ってさ」
おるの部屋にはここ数か月すっかり通い詰めて、着替えまで置くようになった。
Yシャツと靴下を脱ぎ捨て、おるに促されるまま水を飲んだ。
「はい。シャワー浴びる?」
「おるは?」
「え?まだだけど、いいよ先」
(おるはいつも、俺を受け入れてくれる)
酒浸りの頭は、水の一杯くらいじゃ正気にならなかった。
「もう遅いから一緒に入ろうぜ」
「はっ?」
独り暮らしの浴室は綺麗にしているものの、男二人で入るには手狭だった。
男同士なのにおるは恥ずかしそうに俺を避けるし、それが妙に興奮した覚えがある。
「狭い!本当に酔ってるってお前」
「もう、先に出るから…おい、ちょっと」
「嘘、待って…やだって…羽場…やめて…お願い…」
狭い浴室に響くおるの声は、俺を拒んでばかりだった。
拒むほど、反応している矛盾したおるの身体に興奮しながら、貪るように触れた。
「…なんで…?」
そんなの、俺が聞きたかった。
(なんでお前は俺を受け入れてくれるの?)
「次は挿れたい、おるの中に」
そのまま抱き合って眠ったあの夜、おるがどんな気持ちだったかなんて俺は今まで考えたことも無かった。
俺を無条件に受け入れてくれる体温に安堵して、早々に寝てしまった。
なんで?なんて思いながらも会う機会が無いまま俺も大学を出て就職して、今の奥さんに出会った。
その頃、LINEにおるが友だちかも?と表示されるようになって、また連絡を取るようになった。
『おるー!俺、結婚するわ』
『人違いだったらどうすんの笑 結婚おめでとう!式はこれから?間に合うなら呼んで(親指)』
(避けられてなかったんだ)
ホッとした。その後に地元の皆で飲んだ時も、結婚式にも来てくれたし、前みたいな笑顔で祝ってくれた。
少数派な考え方をする妻には結婚式の場でも微妙な反応をする奴が多かった。そんな中、おるは「自分も、相手も大事にしてくれる人だと思う。良かったなぁ」と自分事のように喜んでくれて、泣きそうになった。
いつも俺を受け入れてくれる、大事な親友だった。
それを狂わせたのは俺だった。
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(今日は…あの人のとこか)
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そう、皆。
俺と、恋人Aと、恋人Bと、ほか良い感じの人。
こんな日に限って残業が無い。アプリで女の子を探すのもくだらない。試しに誘った会社の子と飲みに行った。
飲んでも飲んでも、妻より綺麗になってこない。新婚の頃は、罪悪感で余計に燃えたりもしたのに。
(この子だったら、おるの方が可愛いよなぁ)
会社の子とはバイバイして、その足でおるの部屋に向かった。
ダメ元で連絡したのに、玄関で出迎えてくれたおるはいつも通り優しかった。
「お前、結婚したんだから落ち着いたら?」
「知ってるよね?奥さんのこと」
「あぁ…そっか」
「そう。今日は違う恋人のとこ。俺も大事な人ができたら紹介して、ってさ」
おるの部屋にはここ数か月すっかり通い詰めて、着替えまで置くようになった。
Yシャツと靴下を脱ぎ捨て、おるに促されるまま水を飲んだ。
「はい。シャワー浴びる?」
「おるは?」
「え?まだだけど、いいよ先」
(おるはいつも、俺を受け入れてくれる)
酒浸りの頭は、水の一杯くらいじゃ正気にならなかった。
「もう遅いから一緒に入ろうぜ」
「はっ?」
独り暮らしの浴室は綺麗にしているものの、男二人で入るには手狭だった。
男同士なのにおるは恥ずかしそうに俺を避けるし、それが妙に興奮した覚えがある。
「狭い!本当に酔ってるってお前」
「もう、先に出るから…おい、ちょっと」
「嘘、待って…やだって…羽場…やめて…お願い…」
狭い浴室に響くおるの声は、俺を拒んでばかりだった。
拒むほど、反応している矛盾したおるの身体に興奮しながら、貪るように触れた。
「…なんで…?」
そんなの、俺が聞きたかった。
(なんでお前は俺を受け入れてくれるの?)
「次は挿れたい、おるの中に」
そのまま抱き合って眠ったあの夜、おるがどんな気持ちだったかなんて俺は今まで考えたことも無かった。
俺を無条件に受け入れてくれる体温に安堵して、早々に寝てしまった。
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