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「さっき風呂入りましたよね?」って言うのは野暮
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向井にとって、織はこんな風に近付きたい存在ではなかった。
(本当はこの人から求めて欲しい。でも、きっと待ってたら逃げられる)
「痛くない?織さん」
「じゃあ痛いから離して」
「ダメです」
「…てか屁理屈じゃない?どっちが手出したかとか、詭弁だから!」
押し倒された状態にも慣れてきた織がわめき始めた。
「ちょっと、一回やりましょう?それか俺のこと刺してください」
「極端なんだよ!」
「俺のこと嫌い?」
「だから……」
「織さん、好き」
「……」
ようやく静かになった織のあちこちに、向井は何度も口付けを落とした。
「わかるでしょ?誰かを好きになれたのが奇跡なのに、お互い好きなんてもうファンタジーでしょ」
(それは…そう思う)
織はもう自分が何に抵抗しているのか分からなくなってきた。
「あの、離して」
「まだ言うか」と言いたげな向井をたしなめるように、自分を閉じ込める彼の手に頬を寄せた。
「…お風呂入ってくる」
「……はい。待ってます」
-----
リビングに入るドアの前で、織は立ち尽くしていた。
(これどんな顔で入るの?いかにも過ぎない?え、入ったら始まるの?)
織は自身の経験不足を呪った。
(大体なんで準備が必要なんだよ!いやでもやりましょうって言ったのはあっちだよな、そういう意味じゃなかったらどうしよう…どんな顔で入ればいいんだ?)
思考が堂々巡りした頃、突然リビングのドアが開いた。
「ひっ」
「永遠に入ってこないじゃん。何なんすか」
「何で分かんの?」
「早く来ないと担ぎ上げてベッドに落としますよ」
不覚にもドキッとしてしまったが、織は観念して自らベッドに急いだ。
(てか向井君、強すぎない?なに慣れてんの!?)
理不尽な逆ギレに至った織は、振り返って向井を睨んだ。
「!」
(向井君でもそんな顔することあるんだ…)
織と目が合った向井は、織を手繰り寄せて強く抱きしめた。
「…ほんとに織さん?酔ってないっすよね…?」
「うん。本当…」
織は向井の背中に手を伸ばし、力を込めて身体をぎゅっと寄せた。
「本当に好き。龍君。…へへ」
今度は互いにキスを交わした。
「今度は忘れないでよ」
「そっちこそっすから」
-----
何度も同じベッドで寝ているのに、何故こんなに恥ずかしいのか。
ベッドには入ったものの、織は向井にしがみついたままガチガチに固まっていた。
「織さん」
「ハイッ」
(アラサーだよな?)
(シラフでは無理かもしれない)
お互い大変だったが、向井の方が大変だった。
(まぁでも、こういう人だもんな)
向井は自分の腕に収まった織の髪をゆっくりと撫でた。
「俺、こうしてるだけで幸せっすから」
そこで織はハッとした。
彼の言葉は嘘ではないかも知れないが、仮にも先輩がこんなことを言わせていいのか?
奮起した織は、なけなしの勇気を振り絞って向井の両頬を押さえ、唇を奪った。
「えっ…」
そのままキスを繰り返すうちに、恥ずかしさを上回る熱に浮かされ始めた。
「龍君…」
その熱に応えるように、向井は織の服をたくし上げ、直に身体を撫でた。
(くすぐったい…)
織は声を抑えていたが、敏感な部分に指が触れると、その我慢も限界に達した。
「あっ…ぅ」
「くすぐったい?」
「うん…」
だからと言って止めるでもなく、邪魔な服と布団を剥いだ向井は、引き続き織の身体を貪り進めた。
「う…んっ…何か…僕のこと、食べてない…?」
「食べてますし舐めてます」
触れるに留まらず、向井があちこちを吸ったり噛んだりする度に、織の身体は敏感になっていった。
「はぁ…あっ…ちょっと…ずるくない?」
「絶対俺の方が我慢したし。嫌?」
「やじゃな…、っあ!ああっ!」
織の答えに調子づいた向井が、更に愛撫を進めた。
「え?ぬるぬるする…なんで?」
「俺はただ織さんのシャワーを待つだけの男じゃないんすよ」
(うわぁ…うわぁ…あんま考えたくない…)
希望通り、それ以降の織には考える余裕が無かった。
「あっ!?や、ああ…はあぁ…」
「ここ触るだけでガクガクしちゃうの?」
「だって…あ…指っ…、気持ちいい…」
やがて、向井の指にぐっと力が込められた。
「あああ!はーっ、ああっ…」
「あ…入る。もう全部入りましたよ」
「や…待って!」
「痛い?」
「ちが…」
「じゃあ待たない」
向井は痛くするつもりは無いが、言うことを聞くつもりも無かったため、着々と織の身体を拡げていった。
「織さんここ好き?」
「んっ…んん…好き、気持ちいい…」
(何で分かるんだろう)
(前回があって良かったな)
乳首を食われながら弱いところを何度も擦られ、織は泣きながら向井にしがみついた。
自分の手で淫らに泣き悶える反応に、向井は際限なく欲望が沸き上がるのを感じた。
どちらも限界だったが、先に音を上げたのは織だった。腰を揺らしながら向井に懇願した。
「もっ…だめ…ゆび、やだ…」
「挿れていい?織さん」
向井は織の両足を広げて前に倒し、露わになった織の身体に覆い被さった。
あられもない恰好だが織からの文句は無く、織は待ち焦がれた熱がゆっくりと自分を貫くのを感じた。
「はああっ…ああーっ…」
「…っ」
(龍君が…入ってきてるっ…)
向井が自分に興奮している、犯されているという事実を突きつけられ、彼の身体にゾクゾクと快感が走った。
「は…龍君…もっと…全部……っあああ!」
「痛くないですか?」
シーツを握りしめながら、織は首だけで何とか頷いた。
たまらなくなった向井が織に顔を近づけた。織は彼の肩に縋りつき、そのまま何度かキスをした。
「苦しくない?」
「うん…」
織の答えを聞き、向井は更なる密着を求めて織の頭を抱き寄せた。
卑猥な音が上からも下からも響き、織は頭まで彼に侵されていった。
「龍く…好き…」
言い終えた端から織の目を濡らした涙に、向井が口付けを落とした。
「好き。織さん…大好き。…照れてます?」
「…」
織が向井の首元に顔を隠して黙り込んだ。向井は織の両足を掴み、勢いよく腰を打ち付けた。
「ああ!ひあっ…あああっ、龍っ!ちょっ、うあっ」
「黙っちゃうから」
「だって!はあっ…あっ?それだめ、あっ、ああっ!ああっ…」
弱いところを激しく擦られ、織の口から壊れたように声が漏れた。
(クソッ)
向井にはまだまだ織とやりたいことがあったが、限界が近かった。
「織さん、もうイキそう…」
「んっ、うんっ…あっ…あっ!?」
向井はピストンの速度を速め、織の攻めを強めた。
「ああっ、両方、だめっ、あっ!あっ…」
強すぎる快感に、織は一気に射精感が強まった。
「織さん…エロい…好き…もう…っ」
「はあっ!はっ、龍くっ、んあっああっ、~~~!」
織は自分のひときわ奥で、向井が果てたのを感じた。
その瞬間の向井に、窒息しそうなキスに、自分も達したことをぼんやりと感じた。
(本当はこの人から求めて欲しい。でも、きっと待ってたら逃げられる)
「痛くない?織さん」
「じゃあ痛いから離して」
「ダメです」
「…てか屁理屈じゃない?どっちが手出したかとか、詭弁だから!」
押し倒された状態にも慣れてきた織がわめき始めた。
「ちょっと、一回やりましょう?それか俺のこと刺してください」
「極端なんだよ!」
「俺のこと嫌い?」
「だから……」
「織さん、好き」
「……」
ようやく静かになった織のあちこちに、向井は何度も口付けを落とした。
「わかるでしょ?誰かを好きになれたのが奇跡なのに、お互い好きなんてもうファンタジーでしょ」
(それは…そう思う)
織はもう自分が何に抵抗しているのか分からなくなってきた。
「あの、離して」
「まだ言うか」と言いたげな向井をたしなめるように、自分を閉じ込める彼の手に頬を寄せた。
「…お風呂入ってくる」
「……はい。待ってます」
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リビングに入るドアの前で、織は立ち尽くしていた。
(これどんな顔で入るの?いかにも過ぎない?え、入ったら始まるの?)
織は自身の経験不足を呪った。
(大体なんで準備が必要なんだよ!いやでもやりましょうって言ったのはあっちだよな、そういう意味じゃなかったらどうしよう…どんな顔で入ればいいんだ?)
思考が堂々巡りした頃、突然リビングのドアが開いた。
「ひっ」
「永遠に入ってこないじゃん。何なんすか」
「何で分かんの?」
「早く来ないと担ぎ上げてベッドに落としますよ」
不覚にもドキッとしてしまったが、織は観念して自らベッドに急いだ。
(てか向井君、強すぎない?なに慣れてんの!?)
理不尽な逆ギレに至った織は、振り返って向井を睨んだ。
「!」
(向井君でもそんな顔することあるんだ…)
織と目が合った向井は、織を手繰り寄せて強く抱きしめた。
「…ほんとに織さん?酔ってないっすよね…?」
「うん。本当…」
織は向井の背中に手を伸ばし、力を込めて身体をぎゅっと寄せた。
「本当に好き。龍君。…へへ」
今度は互いにキスを交わした。
「今度は忘れないでよ」
「そっちこそっすから」
-----
何度も同じベッドで寝ているのに、何故こんなに恥ずかしいのか。
ベッドには入ったものの、織は向井にしがみついたままガチガチに固まっていた。
「織さん」
「ハイッ」
(アラサーだよな?)
(シラフでは無理かもしれない)
お互い大変だったが、向井の方が大変だった。
(まぁでも、こういう人だもんな)
向井は自分の腕に収まった織の髪をゆっくりと撫でた。
「俺、こうしてるだけで幸せっすから」
そこで織はハッとした。
彼の言葉は嘘ではないかも知れないが、仮にも先輩がこんなことを言わせていいのか?
奮起した織は、なけなしの勇気を振り絞って向井の両頬を押さえ、唇を奪った。
「えっ…」
そのままキスを繰り返すうちに、恥ずかしさを上回る熱に浮かされ始めた。
「龍君…」
その熱に応えるように、向井は織の服をたくし上げ、直に身体を撫でた。
(くすぐったい…)
織は声を抑えていたが、敏感な部分に指が触れると、その我慢も限界に達した。
「あっ…ぅ」
「くすぐったい?」
「うん…」
だからと言って止めるでもなく、邪魔な服と布団を剥いだ向井は、引き続き織の身体を貪り進めた。
「う…んっ…何か…僕のこと、食べてない…?」
「食べてますし舐めてます」
触れるに留まらず、向井があちこちを吸ったり噛んだりする度に、織の身体は敏感になっていった。
「はぁ…あっ…ちょっと…ずるくない?」
「絶対俺の方が我慢したし。嫌?」
「やじゃな…、っあ!ああっ!」
織の答えに調子づいた向井が、更に愛撫を進めた。
「え?ぬるぬるする…なんで?」
「俺はただ織さんのシャワーを待つだけの男じゃないんすよ」
(うわぁ…うわぁ…あんま考えたくない…)
希望通り、それ以降の織には考える余裕が無かった。
「あっ!?や、ああ…はあぁ…」
「ここ触るだけでガクガクしちゃうの?」
「だって…あ…指っ…、気持ちいい…」
やがて、向井の指にぐっと力が込められた。
「あああ!はーっ、ああっ…」
「あ…入る。もう全部入りましたよ」
「や…待って!」
「痛い?」
「ちが…」
「じゃあ待たない」
向井は痛くするつもりは無いが、言うことを聞くつもりも無かったため、着々と織の身体を拡げていった。
「織さんここ好き?」
「んっ…んん…好き、気持ちいい…」
(何で分かるんだろう)
(前回があって良かったな)
乳首を食われながら弱いところを何度も擦られ、織は泣きながら向井にしがみついた。
自分の手で淫らに泣き悶える反応に、向井は際限なく欲望が沸き上がるのを感じた。
どちらも限界だったが、先に音を上げたのは織だった。腰を揺らしながら向井に懇願した。
「もっ…だめ…ゆび、やだ…」
「挿れていい?織さん」
向井は織の両足を広げて前に倒し、露わになった織の身体に覆い被さった。
あられもない恰好だが織からの文句は無く、織は待ち焦がれた熱がゆっくりと自分を貫くのを感じた。
「はああっ…ああーっ…」
「…っ」
(龍君が…入ってきてるっ…)
向井が自分に興奮している、犯されているという事実を突きつけられ、彼の身体にゾクゾクと快感が走った。
「は…龍君…もっと…全部……っあああ!」
「痛くないですか?」
シーツを握りしめながら、織は首だけで何とか頷いた。
たまらなくなった向井が織に顔を近づけた。織は彼の肩に縋りつき、そのまま何度かキスをした。
「苦しくない?」
「うん…」
織の答えを聞き、向井は更なる密着を求めて織の頭を抱き寄せた。
卑猥な音が上からも下からも響き、織は頭まで彼に侵されていった。
「龍く…好き…」
言い終えた端から織の目を濡らした涙に、向井が口付けを落とした。
「好き。織さん…大好き。…照れてます?」
「…」
織が向井の首元に顔を隠して黙り込んだ。向井は織の両足を掴み、勢いよく腰を打ち付けた。
「ああ!ひあっ…あああっ、龍っ!ちょっ、うあっ」
「黙っちゃうから」
「だって!はあっ…あっ?それだめ、あっ、ああっ!ああっ…」
弱いところを激しく擦られ、織の口から壊れたように声が漏れた。
(クソッ)
向井にはまだまだ織とやりたいことがあったが、限界が近かった。
「織さん、もうイキそう…」
「んっ、うんっ…あっ…あっ!?」
向井はピストンの速度を速め、織の攻めを強めた。
「ああっ、両方、だめっ、あっ!あっ…」
強すぎる快感に、織は一気に射精感が強まった。
「織さん…エロい…好き…もう…っ」
「はあっ!はっ、龍くっ、んあっああっ、~~~!」
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