【完結】悪役令息の伴侶(予定)に転生しました

  *  ゆるゆ

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トマといっしょに里帰りだよ!

またね!




「トマ、おかえり!」

「よく帰ってきたねえ!」

「トマ!」

「とま!」

 ちっちゃな子から、しわしわおじいちゃんまで、皆がトマと話したがるので、キーアはよい子で、鳥麺屋さんのお手伝いです。

 ヨニも接客を手伝ってくれるんだよ。さすがヨニ!
 対応がかんぺきすぎて、透夜とちっちゃな仲間たちが、びっくりしてる。かわいい。


「とんこつラーメンつくってよ。すんごい濃いの!」

 ねぎを刻みながらリクエストするキーアに、鶏ガラを煮込んでいた透夜が凛々しい眉をしかめる。

「豚をどうする」

「狩る?」

「どこにいるか、知ってるのか!」

 ギラつく透夜の目に、キーアは首をふる。

「魔獣とかにも会ったけど、豚っぽいのはいなかった」

「会ったのか!」

「いい子たちだったよ。魔界から落ちてきて、困ってた」

 笑うキーアに、ぽかんとした透夜も笑う。

「ぽやぽやしてそうなのに、キーアも冒険してるんだなあ。まあ強いし、当然か」

「え、俺、強い!?」

 飛びあがるキーアに、透夜がうなずく。

「強いよ。まあまあ」

「まあまあかあ」

 ちょっと唇が、とがってしまう。
 まあ、透夜、最強だからね。まあまあ評価は、かなりいいかも!

「もっと強くなりたい?」

 透夜に聞かれたキーアは、首をひねる。

「強くなるより、貧乏な家を何とかしたい!」

 キピア家、没落中でした!
 トマとヨニと自分を、ちゃんと養えるようになりたいよ!
 あと、これからできるかもしれない伴侶もね!


「なるほど。がんばれ」

 励ましてくれる透夜に、キーアは首をかしげた。

「『軟弱な』『そんなでトマを守れるか!』って、しからないの?」

「トマは、あるじを守りたいタイプだろ。守られてやって、あるじさま」

 ふうわり笑う透夜が、かっこよくて困る。

 なんだ、この、かっこいー人。

 わかった、たらしだ!

 ちょっと、うろんな目になるキーアに、不思議そうに透夜が瞬いてる。


「没落した家を何とかしたい! アイデアください!」

 せっかくなので聞いてみたキーアに、透夜は首をふる。

「そーゆーのはノィユだな。ネメド王国にいる転生者。今、5歳か。逢いにいく? 紹介してもいーぞ」

「おぉお、転生者! 逢いたい! けど……」

 キーアは目を閉じる。

 誰かに頼って、転生者に頼って、領地を復興させるのは、たぶん、きっと、ちがう。


「ごめん。俺、やっぱり、自分で何とかする」

「えらいえらい」

 透夜が頭をなでてくれたら、頬が熱くなって、笑ってしまう。

「えへへ」

「あー! とーやが、またうわきしてる──!」

 ぽてぽて駆けてくるロロァが、とってもかわいい。


「ちょっと、よろめいちゃったけど、だいじょうぶ。
 たらしな透夜としあわせにね!」

 ロロァを抱っこしようとしたら、透夜に奪われました。


「たらしじゃないから! 言われなくても、しあわせだから!」

 抱っこされたロロァも、真っ赤な透夜も、とってもしあわせそうでした。







 鳥麺、しょうゆラーメン、おいしかった──!

 たくさんの人に愛されるトマに、やきもちをやいた里帰りでした。


「お世話になりました!」

「ありがとうございました」

 ヨニといっしょに、丁寧に頭をさげたキーアは、胸をたたく。

「来年は、きのこ汁を箱で買ってくるよ!」

 せっかくの善意に、透夜は思いきり眉をしかめた。

「来年とか遅すぎだろう。来週は?」

「帰るだけで1週間以上かかるから!」

 無茶、言うな!

「あー、じゃあ帰るのについてって、醤油を山ほど仕入れて来よう。
 これからもよろしくな、キーア」

 透夜が背中をぽんぽんしてくれる。

「よろしくね、透夜。でもトマは渡さないから!」

 ちっちゃい拳をにぎったら、透夜が笑った。


「いいあるじをつかまえたな、トマ」

「うん!」

 トマが、とびきりしあわせそうに笑ってくれるから。

「よかったですね、キーアおぼっちゃま」

 ヨニも、とびきりうれしそうに笑ってくれるから。

「ありがとう、トマ、ヨニ」

 キーアの胸も、ぽかぽかになって。

 やきもちでいっぱいになってしまうだろう次の里帰りも、楽しみになってしまうのです。












────────────────


 トマといっしょに里帰り編、完結です!

 遅くなってしまったのですが、きーちゃんとトマヨニの愛の動画(笑)をつくりましたー!(笑)
 もしよかったら、お話と一緒に楽しんでくださったら、とてもうれしいです。

 インスタ @siro0088
 Youtube @BL小説動画
 プロフのwebサイトから飛べるので、もしよかったら!

 つぎは、トマヨニといっしょに領地復興?(笑)

 また何か思いついたらお書きしますね! 皆が出てくるお話になったらいいなあ。


 ずっと読んでくださって、ありがとうございます!

 いいねやエールやご感想で応援してくださった方も、ほんとうにありがとうございました!






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