【完結】悪役令息の伴侶(予定)に転生しました

  *  ゆるゆ

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トマといっしょに里帰りだよ!

こっそり




「お金はいらない。トマががんばって稼いだお金は、トマが使いなさい。
 トマが帰ってきてくれるのが、いちばんうれしい」

 透夜に抱っこされたトマが、透夜の胸にちいさな顔をうずめて、うなずいてる。

 見守るキーアは、ぷっくりだ。


「……俺より、透夜のほうが大事なのかな……」

 しょんぼりになった!

 うなだれるキーアの頭を、ヨニが、なでなでしてくれる。

「それをトマに聞いたら、トマは哀しみますからね、キーアおぼっちゃま。
 どちらが大事か、選べないこともあるのですよ」

「……うん、わかってる。ごめん、ヨニ。トマも」

 しょんぼりしつつ、うなずいたら、透夜に抱っこしてもらっていたトマが帰ってきてくれた。

「俺は選びます。
 キーアおぼっちゃまです」

 迷いのない声に、飛びあがる。

「ご、ごめん、トマ、俺、ひどいこと……!」

 トマは首をふった。

「もしふたりが危機に陥っていたら、俺はキーアおぼっちゃまを守ります」

「……それは俺が弱いからじゃなくて……?」

 すねすねモードだよ。ごめん、トマ!

 トマはちょっと笑った。

「それもあります。トゥヤが勝てないなら、俺はむだな盾でしょう。
 でも俺は、キーアおぼっちゃまを守りたいと思います」

 やさしいトマの栗色の瞳をのぞきこんだキーアは、ぎゅうっとトマに抱きついた。


「……やきもち、いっぱいやいて、ごめんなさい」

 しおしおうなだれるキーアを、微笑んだトマが抱っこしてくれる。


「俺は、めちゃくちゃ、うれしかったです」

 ふうわり、笑ってくれる。


「まあ、やきもちはお互いさまだ」

 ふんと透夜が鼻を鳴らした。

「部屋は自由に使っていいから。しばらく滞在したらいい。皆もトマと話したいだろうから」

「ありがとう、透夜」

 かるく手をあげた透夜が、背を向ける。


「……はー、俺も、あんな風にかっこよくなったら、トマがめろめろに……!」

 口から出てた。

 ヨニが肩をふるわせて笑ってる。
 赤くなったトマも笑って、キーアも笑った。


「俺、全然かっこよくないし、透夜みたいに強くないけど。でもトマをだいすきな気もちは、絶対まけないから」

 ぎゅう

 抱きしめたら、トマが抱きしめかえしてくれる。


「キーアおぼっちゃまは、いちばんかっこいーです」

 ふうわり笑ってくれたら、泣いてしまう。


「お世辞は、だめなんだから!」

「ほんとうに思ったことしか言いません」

 ふわふわトマが赤い頬で笑ってくれる。

「かっこいーの基準は、人それぞれですからの」

 ほっほっほ。

 笑うヨニが、いちばんひどいよ!
 



 せっかく一緒にお泊まりなので、寝台を3つくっつけて、一緒に寝ました。

 くっつけた隙間が開いて落ちるあれな気がするけど、キーアを真ん中に、トマとヨニが右と左を固めてくれる。

「落ちそうにならない? だいじょうぶ?」

「運動神経いいので、だいじょうぶです、キーアおぼっちゃま」

 たしかに、トマなら落ちる前に回転して着地しそう。

 ベッドから落ちるまでに回転できる距離なさそうだけど、いめーじね!


「ほっほっほ。腰を打たんように気をつけます」

「だ、だいじょうぶなの、ヨニ……!」

 心配になったら、ヨニが笑う。

「キーアおぼっちゃまより、運動神経はよいかもしれませんぞ?」

 ヨニ、こっそり、めちゃ強かもしれない件について!












────────────────


 ずっと読んでくださって、ほんとうにありがとうございます!

 悪役令息なかま(笑)な新しいお話をはじめたので、もしよかったらきーちゃんと皆といっしょに楽しんでくださったら、とてもうれしいです!

 トマの里帰り編、もうすぐ終わるか、とろとろ続けるか悩みどころなのですー!(笑)

 リクエストって、リクエストしてくださった方だけが楽しい感じなのでしょうか……?? いや、リクエストしてくださった方も『思ってたのと違う……』とかありますよね……!
 でもネタをいただけると書きやすいのですよ!(笑)

 もし何かあられたら、はじめましての方も、ずっと応援してくださっている方も、おきがるにどうぞです!
 




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