【完結】オメガの俺に、推しの愛が届かない

  *  ゆるゆ

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おまけのお話

はい

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 ジークは、有言実行だった。

 ほんとうに1年、幽霊屋敷な俺の家に通ってくれた。

 着る服も、ハンカチも、ぜんぶ俺が縫ったものにしてくれた。

「ルゼにつつまれてるみたいで、うれしい」

 とろけるように笑ってくれた。


 毎日、幽霊屋敷にやってきて

「ルゼ、あいしてる」

 微笑んで、抱きしめてくれた。



 そんなことを毎日してくれていたら、幽霊屋敷に様子を見にきてくれた親父と顔をあわせてしまうのは、仕方のないことだ。

「げへへへへ! やっぱりラィエ家のぼんぼんを釣りあげていたんだな、ルゼ! 大快挙だ! よくやった!」

 跳びあがって喜ぶ親父に、俺は断固たる注意を告げる。

「ジークさまに、金をせびるの禁止だから! ぜったい絶対ぜったい、だめだから!」

 3回言った!

 せつない目になった親父は、肩を落としてうなずいた。

「……はずかしくて、ずっと言えなかったんだがな、ルゼ。俺はいちおう高位貴族の第三子なんだが、素行が悪すぎてな、ほら、お前のおかあさんのこととか。勘当されてるんだ」

「えぇ!?」

 のけぞる俺に、親父の肩がさらに落ちる。

「いちおうアルファなんだが商才も何にもなくてな、頭もよくないし、魔力もあんまりないし、貧乏で養えなくてな、それでお前を孤児院に……」

「えぇええ──!」

 ……勘当されてた……?
 だから、高位貴族の家に近寄るなって言った?
 かくまってくれなかった?

 あんぐりする俺に、親父が、はずかしそうに笑う。

「ルゼの一世一代の晴れ舞台だから、服と馬車を用意してやってくれって言ったら、当主になった兄貴が許してくれて、王宮舞踏会の招待状を、もぎ取ってくれた。ここも、放棄しているから使っていいって」

「そ、そうなの……?」

 あんぐりする俺に、親父がうなずく。

「俺のような輩もいるが、貴族はやっぱり財力があるからな。ルゼには苦労をさせたから、いいアルファを捕まえられたら、それで俺にもちょこっと援助してもらえたら最高だと思って──」

 目じりのしわを深めて、親父が笑う。

「最高のアルファをつかまえた。よくやった。さすが俺の息子だ」

 くしゃくしゃ、頭をなでてくれた。

 ぼうぜんとした俺は、親父の腹を指す。

「貧乏なのに、それは何?」

「勤め先の飲み屋で、売れ残りを喰わせてもらってたら、こうなった」

 なるほど!

「え、ほんとに、真剣に貧乏なの?」

「今のルゼと似たような部屋に住んでる」

「えぇええ──!」

 あんぐりする俺の肩を、親父が叩く。

「ちょこっと援助してくれないかなーという下心は、もちろん、めちゃくちゃあった、山盛りあった、それしかなかったとも言うが、ルゼがしあわせになるなら、よかった」

 目をぬぐって、親父が笑う。

 ぼうぜんと見つめた俺は、ささやいた。


「……勘当されて、貧乏になる原因になった俺を……ずっと気にかけて、様子を見てくれて……勘当されてるのに、それでもお兄さんに頼んでくれたのか」

「ルゼは俺の愛息だからな!」

 だるだるのお腹を揺らして、親父が笑う。


 ……最低な親だと思っていた。
 こんなひどい親は、そうそういないと。

 でも親父は、一度だって、俺を殴ったりしなかった。

 ひと月に一回は、孤児院に顔を出してくれた。

 菓子を持ってきてくれることもあった。なけなしの金をはたいて買ってくれたのだろう。

 ──……きっと、親父のせいいっぱいの、愛だった。



「……っ……ありが、とう……」

 だるだるの身体を抱きしめる。

 親父は、ちょっと泣いて、俺の背をたたいてくれた。


「しあわせになれよ、ルゼ」

 涙にうるむ瞳で、笑ってくれた。



「援助するから──!」

 後ろで心配そうに見守ってくれていたジークが、号泣してる。

「え、ほんとに!?」

 跳びあがって喜ぶ親父のお腹が、ぷよぷよしてる。


「いや、親父は俺の稼ぎから援助するから!」

「なんていい子なんだ、ルゼ!」

 おどる親父のお腹が、ぷにぷにしてる。




「……あの、俺と親父、こんな感じなんだけど。親父がジークさまに迷惑をかけたりしないように、俺が絶対に止めるけど。……それでも、俺に貴族のふるまいは難しいし、俺はジークさまに、ふさわしくな……」


「愛してる」

 抱きしめられる。


「伴侶になるのに、他になにかいる?」

 ささやくジークの唇が、俺のくちびるに、重なった。


「ルゼがいてくれたら、他になにもいらない」

 やさしく、ついばんだ唇が、やわらかに重なる。



「俺の伴侶になってください」


 ささやいてくれたら

 あいしてくれたら

 答えは、ひとつしかないのです。


「はい」











────────────────


 ずっと読んでくださって、ほんとうにありがとうございます!

 これでほんとうに完結です!(笑)

 絵がどうしてもルゼとジークが逆になるので、いっぱい作ってもらったら、もう全部逆で(笑)くやしいので、そのまま動画にしました!(笑)
 でもルゼは意外に攻めなので(笑)よい感じなのかもしれません(笑)
 プロフのwebサイトから飛べるので、もしよかったら!

 お気に入りや、いいねや、エールや、ご感想で応援してくださった皆さまに、感謝の気もちでいっぱいです。
 心から、ありがとうございます!



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感想 41

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みんなの感想(41件)

maromaro
2026.01.31 maromaro

お父さんそうだったのか💦身から出たサビだけどルゼは大切だったのね🥲

ジーク頑張ったね。ルゼを幸せにしてね💖✨️自分の力で全然幸せになりそうなルゼだけど、ジークが幸せにしてもらう方かもだけど😆(笑)でも、普通の雨風しのげるお家がいいよね。2人ともめいいっぱい幸せにな〜れ🍀✨️

2026.01.31   *  ゆるゆ

やらかしたけど、反省しているのです……! ルゼのことは、ほんとうはとっても可愛かったみたいです(笑)

ジークにも、おやさしいお言葉ありがとうございます!
ふたりでしあわせになってゆけたらいいですよね(笑)
いちおうルゼの部屋は、雨風しのげているのですが(笑)幽霊屋敷じゃないほうがいいかも?(笑)
2人で、しあわせになりますね!
ご感想、いつもほんとうに、ありがとうございますー!

解除
ちゅ2 ·͜·

㊗️完結(߹𖥦߹)グスン
終わっちゃって寂しいです😭

ジーク、良かったねぇ!!
ルゼちゃんはやっぱり最後までかっこよかった✨
今日の表紙なんて2人ともめちゃくちゃ素敵でスクショしましたよ📸
そしてまさかの親父いい奴だった🤣

寂しいですがとっても素敵な終わりでした❤︎

2026.01.31   *  ゆるゆ

お祝いありがとうございます!
さみしくなってくださったら、申しわけないのですが、でもルゼとジークといっしょに、とてもうれしいです。
ありがとうございます!

ルゼ、かっこよかったですか! ルゼ大喜び!(笑)
スクショ……!(笑)できるのですか!(笑)びっくり!(笑)
会心の一撃だと思われるのですが、立ち位置がどうしても逆に……(笑)
まさかのだったら、とってもうれしいですー!(笑)おとうちゃんもお腹ぽよぽよで喜んでいます(笑)

おやさしいお言葉、ありがとうございます!
楽しんでくださったら、皆といっしょに、とてもうれしいです。
いつもご感想、ほんとうにありがとうございますー!

解除
rinchan
2026.01.26 rinchan

ジークが可愛すぎる
αで格好いいはずなのに、魂の番いには弱い姿が(>_<)

その姿に負けないように頑張るの凄いけど、こんなに魂の番だっていわれてるのに、まだ薬の効果が残ってるせいって言い続けてるのも凄い(^_^)

ダルダウンのおじさんは、自分の父親の事なんだろうなぁ…

2026.01.26   *  ゆるゆ

ジークに可愛い、ありがとうございます!
照れ照れジークが、喜んでいます?(笑)
BLゲームのチートアイテムで、すぐいちゃらぶできちゃうので、ルゼはちょっと信じられないみたいです(笑)
お父さんのことはちょっと何とかしないとだめっぽいので、ルゼとジークでがんばれたらいいなと。
ずっと読んでくださって、ご感想、とてもうれしいです、ありがとうございます!

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