【完結】最愛の推しを殺すモブに転生したので、全力で救いたい!

  *  ゆるゆ

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愛?

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 弟と兄の愛の世界を打ち砕くように、

『話は聞かせてもらったぁアア────!!』

 バァン!

 扉が開いた音とともに、風磨が叫んだ。


 涙と愛を風磨に思いきりぶち壊されて、あんぐり口を開けるチチェの隣で、気配で解っていたのだろうエォナが吐息する。


『あまりよい趣味ではないですよ、風磨たん』

 愛らしい栗色の瞳で睨まれた風磨は、ふんと鼻を鳴らした。


『緊急事態だ!
 チチェとエォナが勇者の村に行っちゃったら、獣人さんたちを守るのは俺だけじゃんか!
 無理無理無理無理────!!
 いやだ────!! 行かないで────!!
 って俺が泣いたら困るだろ?』

 にやりと風磨が唇の端をあげる。


『全く困らず、にいちゃと村に帰ります』

 エォナの断言に、風磨が泣いた。


『ち、ちっちゃい勇者が、酷過ぎる────!!』

『まあ、本音がちょっとな』

 チチェの頷きに、風磨は更に仰け反った。


『兄もひでえ!!』

 ぐすぐす泣いた風磨は、鼻を啜った。


『お、俺さ、レベル1で、役立たずだけどさ、でも、主人公だから、チートあるんだ。
 スキル即死回避Lv99。
 俺は、どんな攻撃を喰らっても、絶対に即死しない。
 だから、どんなえぐい攻撃でも、俺が止められる』


 チチェと顔を見合わせたエォナは、頷いた。


『矢面に立ってくださると』

『いやだあぁああ────!
 こ────わ────い────!!』

 泣きじゃくる風磨に、エォナの冷たい視線が降って、チチェはぽふぽふ風磨の背を叩いてあげた。


『って言いたいけど、言ったらだめなのは、わかってる。
 絶対漏らしそうだけど、お、俺、頑張るから』

 うるうるの涙目で、風磨はふるえる拳を握った。


『キュトたんの家には、魔道具がいっぱい詰まってる。
 魔法防御も掛けてくれてて、空間拡張もしてくれてる。
 更に、攻撃を喰らった時は、キュトたんに通報までできる!
 だから、勇者の村の人たち皆を、キュトたん家に呼ぼう!』

 チチェが拍手して、エォナの栗色の瞳が細くなる。


『どうやって?』

『え、俺、走って来たぞ』

 きょとんとチチェが首を傾げて、エォナは深く頷いた。


『にいちゃは勇者だから!』

 真っ赤になるチチェに、風磨は首を傾げた。


『あれ? ふたりともルル狙いだと思ってたのに、さっきので愛、育まれちゃった?』

 によによする風磨に、ちいさなエォナが噴火した。


『配慮!!』

 真っ赤な顔でエォナが叫んで、畑仕事でごつごつになったチチェ手が、エォナのちいさな頭をかき混ぜた。


『俺は生まれた時からずーっと、エォナを愛してる』


 直球に、深紅に染まったエォナが、しゅーしゅー湯気を噴く。


『……ぼ……僕も、にいちゃを、ずっと……あ、愛して、……る』


 ぽそぽそ呟く耳まで真っ赤なエォナを、チチェの腕が抱きしめた。


『相思相愛だな!』

『いやいやいや、俺もいるから!
 ふたりの世界にならないで!!
 今、作戦会議!!』

 ちょっと赤くなった風磨が腕を振り回して、真っ赤なエォナはチチェの腕のなかで、もごもご頷いた。










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