【完結】最愛の推しを殺すモブに転生したので、全力で救いたい!

  *  ゆるゆ

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おまけのお話

レリアの最愛 7

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 ダークエルフのこととか、ジァルデのこととか、心が痛くて、でもルルはいつも真っ直ぐ立ち向かう。

 透きとおる目をしてた。

 傍にいられることが、たまらなくうれしくて

 きみの力になりたくて
 きみを、まもりたくて

 きみになら、殺されてもいいと思っていた。

 歪んだ闇の力が迸り、ルルが私に刃を向けた時も思ったんだ。


 これで、きみに、私を刻めるかもしれないと。


 私の命が終わることより、きみが私を憶えていてくれるかもしれないことのほうが、よろこびだった。


 狂気のように、きみを愛した。


「……ともに、死ぬはずだった。
 来世も、どうか、ともに」

 刃さえ抱きしめるように、腕を広げた。


 げーむの世界で、きみに殺されて死んだ私は、しあわせだったと思う。
 非難囂々だったそうだけれど、きみに殺されて、きみを殺して死ぬのは、さいわいだ。

 そう、思っていたんだ。

 きみが、私を生かすために、自分の胸に刃を突き立てるまで。


「ルル────!!」


 ルルの唇から、血が溢れた。
 噎せ返るきみの血の匂いに、絶望が喉を絞める。


「……泣か……な、で……」


「蘇りを──!」

 叫ぶ私に、ルルはかすかに首を振った。


「僕が……生き、たら……また……レト、アーレさ、ま……殺そ……と、する。
 だ、から……僕、は……この、まま……」


 血の唇で、ルルは告げる。


「僕、に……レ、……リ……ア……殺さ……せ、な……で……」


 きみが、私を殺さなくても
 きみが死んだ後に、私が生きると思っているのかな。


 それこそ、見縊りだ。



 きみが死んだ世界で生きられる訳がない。

 きみこそが、私を殺す者。

 長い長い時を生きるエルフたる私の息の根を止めるのは、きみの死だ。



「すぐ、傍にゆく。
 生きるときも、死出の路も、きっと、ともに」


 抱きしめて

 抱きしめて

 きみの最期の吐息と重ねるように、そっと唇でふれた。


 ただ、きみの傍にいたくて

 きみを、護りたくて


 なのに、きみのためにできたことは、何もなくて。
 きみを、傷つけてばかりで。

 間違って、歪んで、狂って、きみを殺したルルの世界の私が
 きみを殺して歓喜した私が

 遠くなる。


 きみは、命を投げ棄てて、私を生かそうとしてくれた。

 それ以上の愛を、知らない。


 きみが、私を愛してくれる。

 それ以上の狂喜を、知らない。


 きみが、私を変えてくれた。

 歪まず、狂わず、だから間違わずに、きみを蘇らせる。


 きみが、私を殺しても。

 決して、きみを殺したりしないから。



 私のいない世界でも、きみが笑ってくれたら、うれしい。

 心から、そう思えるほど


 きみは、私を愛してくれた。



 私は、きみを、愛した。




 意識を失ったきみの頬を、そっとなでる。

「……あいしてる」

 ささやきとともに、蘇りを始める私を止めたのは、伝説のえっち魔導士だった。

 いや、この場面にえっち魔導士がいること自体が、おかしい。
 めちゃくちゃ思ったが、めちゃくちゃ助けてくれた。



 きみと、あふれる心をつなげて

 きみと、燃える身体をつなげて


「ハルキ」

 前世のきみも、あいしてる。


 さいわいには、上には上があって
 きみとなら、どこまでも昇ってゆけることを知った。


 きみは、自分を虐げ殺そうとしたエルフを赦し、ズァビエを赦し、歪んだ闇さえ愛して、げーむの通りに進もうとする世界を、変えてくれた。

 私を盲いさせていた歪んだ闇を、祓ってくれた。

 チチェは生き、エォナは闇に堕ちることなく、勇者の村は救われ、エルフの里は滅びることなく、ズァビエに殺されたエルフたちは蘇り、私は生きた。

 きみを、殺さなかった。


 きみが変えてくれたんだ。

 世界を

 私を



 きみに愛されて

 きみを愛して

 変わった私が、まだ命のある私が、生きていてくれるきみを、抱きしめる。



「ルル」

 私がつけた名を紡いで

 至上のさいわいを抱きしめる。





 きみが、私の初恋


 最初で、最後の、最愛







──────────────

 長々した(笑)レリアのお話におつきあいくださいまして、ありがとうございます!
 レリアの心の中身はこんな感じです(笑)

 読んでくださること、いいねやエールやご感想で応援してくださること、いつもとてもとてもうれしく思っています。

 心から、ありがとうございます!



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