【完結】伴侶がいるので、溺愛ご遠慮いたします

  *  ゆるゆ

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こまるのです




 一緒にお風呂に入って、一緒に出て、一緒に部屋に帰ってきて、髪を乾かしてあげるとか、伴侶最高──!

 うっとりしながらヴィルの髪を

「ほわほわー」

 魔法で乾かすノィユを

「魔法は、おっきく、なったら」

 ヴィルが止めた。

「あ、そ、そうだった。ごめんなさい」

 ぽふぽふタオルオフに変えたノィユが、ヴィルの真っ白な雪の髪をやさしく撫でる。

「髪、きれいね」

「ノィユ、短いほうが、すき?」

 細くてやわらかい髪だからか、風が吹いたり時間が経ったりすると、すぐもしゃもしゃしてしまうらしいヴィルが首を傾げる。

 お風呂上がりはさらさら揺れる雪の髪に、指をすべらせたノィユは、囁いた。

「僕だけに、かっこいーヴィルでいて欲しい気持ちと、めちゃくちゃかっこいーヴィルが僕の伴侶だって自慢したい気持ちと、どっちも、さもしい気持ちだから。
 ヴィルは、どっちのほうが、すき?」

 いつもはもしゃもしゃの髪の向こうに隠れてしまう藍の瞳が、伏せられる。

「髪と、髭がないと、人が来て、わあわあ言われる。それが、苦手で。受け答え、できない、し、巧く……話せない、から」

「じゃあこのままで」

 微笑むノィユに、ヴィルの眉が下がる。

「……いや、じゃ、ない……? おじいちゃん、みたい、で……」

「ヴィルはとびきりかっよくて、とびきりかわいー!」

 きゅ

 抱きしめて、とろけて笑う。


「僕の、自慢の、伴侶です」


 ふうわり朱くなったヴィルが、笑ってくれる。


「ノィユが、伴侶に、なってくれて、うれしい」

「僕も!」

 おでこをくっつけて、ふたりで笑った。


 願うと、互いの額に、互いの魔紋がきらめきはじめる。


「ヴィルの伴侶にしてくれて、ありがとう」

「ノィユの伴侶に、してくれて、ありがとう」


 手を繋いで、瞳を重ねて、ふたりでそっと、目を閉じる。


 かさなる唇が、やさしくて、あまくて、切なくて。


 そっと、ヴィルのくちびるに、ふれる。

「……ヴィル……」

 あなたを呼ぶ声が、あまく、あまく、つやめいて、かすれて、消える。

「ノィユ」

 抱きしめて、やさしく背を、髪を撫でて、赤い頬で笑ってくれる。



 それだけで、とろけてしまうほど、しあわせなのに



 もっともっと、重ねたくて、困った。

 もっともっと、繋がりたくて、困った。







 ヴィルがエヴィを甘やかして可愛がる任務のため、王都にひと月滞在することになりました!

 王都はネメド王国中の情報と産業が集まる地だ。
 借金返済のヒントが、もしかしたらあるかもしれない。

「おかあさま、おとうさま、何としても借金を返さねばなりません。王都滞在を有益なものとするのです!」

 拳を握るノィユに

「おー!」

 両親も拳を掲げてくれる。

 王都にいなければできないこと、と考えて、皆で王立図書館に通うことにしました。

 トートが王陛下の側近として王宮にゆくついでに、王宮の近くの図書館まで馬車で送ってくれることになった。

 やさしい!

「ありがとうございます、トートさま。この御恩をお返しできますよう、バチルタ家一同、奮闘します!」

 胸に手をあてひざを折ったら、トートの意外にごつごつな掌が頭をなでなでしてくれた。





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