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はじめての
拍手するノィユに、真っ赤なトートが首を振る。
「……え、いや……手伝うなんて、当たり前……」
ふいと目を逸らすトートの隣で、真っ赤なエヴィがぶんぶん首を振る。
「べ、べべべべべべべ別に──!」
何が別になのか全く解らないけど、ツンデレはばっちりだ!
きゅ、と手を掴まれたノィユは顔をあげる。
もしゃもしゃの雪の髪で顔を覆ったヴィルが、ノィユの指を握って、うつむいてる。
こ、これは、トートを褒めたから、も、もしかしてやきもち──!?
やきもちですか、ヴィル──!
「……寝台、俺も、動かした」
ぽつぽつ呟くヴィルが世界の至宝です、ありがとうございます──!
「ヴィル、かわい──! だいすき──!」
跳びあがるように抱きついても、ふとももだった!
おひざからちょっと上がったけど、びみょうだ。足はぷらんぷらんだよ。
もしゃもしゃの髪の向こうで目をまるくしたヴィルが、しょんぼりするノィユを、ふわりと抱きあげてくれる。
「……胸が、ぎゅっと、した」
ほんのり朱い頬で、話してくれる。
「やきもち?」
火照る頬で聞いたら、雪の髪の向こうで、藍の瞳が瞬いた。
「……これが?」
「はじめてのやきもち! ありがとう、ヴィル」
ちゅ
背伸びして、もしゃもしゃのお髭の向こうのほっぺに口づけたら、耳まで真っ赤になったヴィルが
ぎゅ
抱きしめてくれる。
「あぁあァアア──! お兄さまがぁあァアア──!」
泣き叫んでノィユを引き剥がそうとするエヴィを、頑張るトートが止めてくれてる。
「お、落ち着いてエヴィ、お義兄さまの前なのに、せっかくのお顔が──!」
「くぅう──! ぼ、僕は、僕は、ゆるさないんだからぁあァアア──!」
泣いてるエヴィがちょっとかわいそうなのですが、ごめんなさい。
ヴィルは、僕の、伴侶です。
従僕の皆さんとトートとヴィルとエヴィとノィユの尽力で、4人で眠れる寝台ができました!
2台の寝台をくっつけてるところにゆくと、ちょこっと嵌まってきもちわるいアレだよ。身体の重みでちょっとずつ隙間が広がって、寝台の間に知らない間に落ちるアレね。
エヴィに嵌められる気しかしない。
ちょっとびくびくするノィユを抱っこして、ヴィルが寝台のうえへと上げてくれる。やさしい。
「ありがと、ヴィル」
きゅ、と抱きついたら、もしゃもしゃの髪の向こうで、藍の瞳を細めて微笑んでくれる。
尊過ぎて鼻血が出そうだよ──!
「あぁあぁ──! お兄さまがぁあアア──!」
号泣するエヴィをトートがよしよししてあげたら、すんすん鼻をすするエヴィがかわいい。
微笑んだノィユは、ヴィルを見あげる。
ちょっと愛が過激だけど
「こんなに想ってくれる弟さんがいて、よかったね」
意外に手触りが極上な、もしゃもしゃの髪をなでなでしたら、ヴィルの瞳が瞬いた。
「……そんな風に、言われた、の……はじめて」
びっくりしたように見開かれた藍の瞳が、やわらかに細められる。
「ありがと、ノィユ」
とろけるようにうれしそうに微笑んでくれるから、今度はノィユがやきもちをやきそうです──!
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