【完結】伴侶がいるので、溺愛ご遠慮いたします

  *  ゆるゆ

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はじめての




 拍手するノィユに、真っ赤なトートが首を振る。

「……え、いや……手伝うなんて、当たり前……」

 ふいと目を逸らすトートの隣で、真っ赤なエヴィがぶんぶん首を振る。

「べ、べべべべべべべ別に──!」

 何が別になのか全く解らないけど、ツンデレはばっちりだ!


 きゅ、と手を掴まれたノィユは顔をあげる。
 もしゃもしゃの雪の髪で顔を覆ったヴィルが、ノィユの指を握って、うつむいてる。

 こ、これは、トートを褒めたから、も、もしかしてやきもち──!?
 やきもちですか、ヴィル──!

「……寝台、俺も、動かした」

 ぽつぽつ呟くヴィルが世界の至宝です、ありがとうございます──!

「ヴィル、かわい──! だいすき──!」

 跳びあがるように抱きついても、ふとももだった!
 おひざからちょっと上がったけど、びみょうだ。足はぷらんぷらんだよ。

 もしゃもしゃの髪の向こうで目をまるくしたヴィルが、しょんぼりするノィユを、ふわりと抱きあげてくれる。


「……胸が、ぎゅっと、した」

 ほんのり朱い頬で、話してくれる。

「やきもち?」

 火照る頬で聞いたら、雪の髪の向こうで、藍の瞳が瞬いた。


「……これが?」

「はじめてのやきもち! ありがとう、ヴィル」

 ちゅ

 背伸びして、もしゃもしゃのお髭の向こうのほっぺに口づけたら、耳まで真っ赤になったヴィルが

 ぎゅ

 抱きしめてくれる。


「あぁあァアア──! お兄さまがぁあァアア──!」

 泣き叫んでノィユを引き剥がそうとするエヴィを、頑張るトートが止めてくれてる。


「お、落ち着いてエヴィ、お義兄さまの前なのに、せっかくのお顔が──!」

「くぅう──! ぼ、僕は、僕は、ゆるさないんだからぁあァアア──!」

 泣いてるエヴィがちょっとかわいそうなのですが、ごめんなさい。


 ヴィルは、僕の、伴侶です。





 従僕の皆さんとトートとヴィルとエヴィとノィユの尽力で、4人で眠れる寝台ができました!

 2台の寝台をくっつけてるところにゆくと、ちょこっと嵌まってきもちわるいアレだよ。身体の重みでちょっとずつ隙間が広がって、寝台の間に知らない間に落ちるアレね。
 エヴィに嵌められる気しかしない。

 ちょっとびくびくするノィユを抱っこして、ヴィルが寝台のうえへと上げてくれる。やさしい。

「ありがと、ヴィル」

 きゅ、と抱きついたら、もしゃもしゃの髪の向こうで、藍の瞳を細めて微笑んでくれる。

 尊過ぎて鼻血が出そうだよ──!


「あぁあぁ──! お兄さまがぁあアア──!」

 号泣するエヴィをトートがよしよししてあげたら、すんすん鼻をすするエヴィがかわいい。


 微笑んだノィユは、ヴィルを見あげる。

 ちょっと愛が過激だけど

「こんなに想ってくれる弟さんがいて、よかったね」

 意外に手触りが極上な、もしゃもしゃの髪をなでなでしたら、ヴィルの瞳が瞬いた。

「……そんな風に、言われた、の……はじめて」

 びっくりしたように見開かれた藍の瞳が、やわらかに細められる。

「ありがと、ノィユ」

 とろけるようにうれしそうに微笑んでくれるから、今度はノィユがやきもちをやきそうです──!





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