悪役令息を改めたら皆の様子がおかしいです?

  *  ゆるゆ

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おだやか~




 僕の指をにぎったままのノゥスが、ちいさなお家のノブに手をかけた。

 後ろからついてきてくれるカイの目が、冷えっ冷えの氷みたいになってるけど、たぶん気のせいだと思うな……!

 キィ

 ちいさなきしむ音を立てて、扉が開いてく。

 ふうわり、やさしい香草の匂いがした。
 窓から吹きぬける春の風が、ノゥスの藍の髪と僕の闇の髪を揺らす。

「ただいまー」

 さっきの低い声が嘘のような、やさしい声だった。

 ぱたぱた、駆けてくるかるい音がして、ノゥスとおそろいの、すこし長めの藍の髪が流れた。

「ああ、おかえり、ノゥス!」

 やさしい笑顔に、ノゥスのまなじりが、やわらかにさがる。
 迎えに出てきてくれたのは、つやつやの藍色の髪とやさしい藍色の瞳の、平々凡々を絵に描いたようなお兄ちゃんだ。

 お逢いした瞬間に、前の記憶がひらめいた僕は、ぴょこりと飛びあがる。

 お兄ちゃんにしか見えないけど、のーすちゃんの、おとうさん、ということは……!

「お、お久しぶりでございます、ノクさま! ユィリ・ロドアにございます」

 胸に手をあて、やわらかに膝を折る。
 ロベナ王国の王族に捧げる、最敬礼だよ。

 のーすちゃんには、したことないね。ごめんね、のーすちゃん。

 僕、なんにもお勉強しない悪役令息だったけど、こういうのは一応できるみたいだよ。
 いちおうセゥス王太子殿下の伴侶(予定)だったからね。これだけは、がんばって覚えたみたい。よかった!


 ノクさまは、ロベナ王国、国王陛下の第二王配であらせられるんだよ。
 第一王配が、セゥス王太子殿下の、おとうさんだ。

 ノクさまに、お逢いしたら、僕の記憶もちょこっとよみがえったみたい。
 よかった。

 ロベナ王国は、魔力とか優秀さとかで貴族が決まるんだけど、顔面力も外交や商談に大変有効なので、高く評価されるから、きらきらな人が多い。

 ……オンラインBL小説の世界だからかもしれないね……!

 とりあえず、出てくる人、皆きらきら!
 まぶしい人たちのなかで、おだやか~な感じで、皆の癒しになってくれるノクさま!

 もちろん僕も、だいすきでした!

 ……いや、きらきらは、とっても目の保養なんだけど……! まぶしすぎて、どきどきしたり、気後れしたり、緊張したりしちゃうんだよ。周りがきらきらばっかりだと、ちょっと疲れるんだよね……うん……

 いや、カイとか、ロドお兄ちゃんとか、サザお兄ちゃんは疲れないけど!

 かっこよさ天元突破うぇるかむだけど!

 家族以外は、たまには落ちつくお顔がほしくなるのです。

 おぜんざいについてくる、塩こぶみたいに?
 だいふくに混ざってる、お豆みたいに!


 穏やかを絵に描いたようなノクさまに、にこにこしちゃう僕の前で、ノクさまが飛びあがる。

「も、もしかして、ゆ、ユィリちゃんか……! おっきくなってなくて、すぐわかった……じゃない……!
 大怪我で昏睡って聞いたよ!」

 ……うん、僕、あんまり成長しなかったみたいだよ。
 外見も、内面もね。

 ちっともお勉強も、魔力の修練もしなかったからね……!

 がんばって牛乳飲んでないから、背もあんまりのびてないみたいだよ──!
 せつない……!


 ぷにぷにだいふくな、悪役令息だよ!


 カイの水の魔力で、本日はさらにぷよぷよしております。









────────────────


 ずっと読んでくださって、ありがとうございます!

 前のお話で、ノゥスのおかあちゃんと、おとうちゃんを、間違えていました……!(笑)

 どちらも男性なのですが、魔力の強い人がおかあさんになるので、光魔法の強い国王が、おかあちゃんです!(笑)

 自分で設定を作っておいて自分で間違えるとか、ほんとうに申しわけなく……!

 そしてすきな音をついつけてしまうので、国の名前とか家の名前とか似てて申しわけなく……!

 そして、のーすちゃんと、だいふくユィリの動画が、カイとユィリの動画のぐるんぐるんを上回る事態に……!(笑)

 のーすちゃん、大喜びです!(笑)

 ノゥス「ふふふふん」

 カイ「ぐぬぬぬぬ……!」

 ユィリ「あわわわわ……!」


 だいふくユィリ、ぷにぷにわたわた!(笑)


 見てくださった方、いいねや高評価してくださった方、フォローやチャンネル登録してくださった方、コメントくださった方、ほんとうにありがとうございますー!


 だいふくユィリのお話をお気に入りに入れてくださった方、いいねやエールやご感想で応援してくださった方、お話をずっと読んでくださるあなたさまに、心から、ありがとうございます!







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