悪役令息を改めたら皆の様子がおかしいです?

  *  ゆるゆ

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お茶会だよ




「僕、ユィリ・ロドアです」

 ちゃんと自己紹介したのに

「もっちもっち、ほっぺに、さわってもいい?」

 にこにこするトトラは、もしかして、くーちゃんと同じ種族なの……!?

 そして、ほっぺには、さわらせないよ──!


 カイが

「シャ──!」

 ってなってる。かっこかわいー!

 トトラが、ぷるぷるしてる。

 よわよわなところには、親近感をおぼえてしまう僕なのです。



 そういえばトトラにもくーちゃんにも、初対面で『伴侶になってください』って言われたね。

 くーちゃんはとっても可愛かったけど、トトラは…………うん。

 
 しかし主人公を応援したいからと言って、勝手に主人公を紹介しちゃうのは、よくなかったかも!

 国にとっても、アーシェにとっても!

 というわけで、いきなり王陛下に『やらかしました、ごめんなさい』って言うのは怖いので、のーすちゃんにお手紙を出しました。


『ラゼン王国の王太子が、おけがで大変らしくて、もしアーシェがいいって言ってくれたら、第11王子のトトラ殿下に紹介してもいいかな?
 もちろんアーシェが、やだって言ったら、丁寧にお断りしておくよ!』

 お手紙が帰ってくるかと思ったのに、のーすちゃんだけじゃなく、くーちゃんまでお家に遊びに来てくれました。


「……ゆーり、なんか、またややこしいことに首を突っこんでないか……?」

 のーすちゃんの目が、うろんです。


「うぅん! もっちもっち、すぐに、わるいむしが、ついちゃうんだから!
 ぼくが、まもって、あげるからね!」

 ぎゅうっと抱きついてくれる、くーちゃんが天使です。


「とりあえず、お茶会するなら、俺と、くーが同席するから。
 やばそうになったら、俺が止める。
 ゆーりは、俺が、守るから」

 ぎゅう

 手をにぎってくれる、のーすちゃんが、かっこよくて、くらくらしちゃう!


「では、最初にアーシェさんに、お手紙でご意向を伺いましょうか」

 話を進めてくれるカイの切れ長の目がのーすちゃんを刺して、つりあがるのーすちゃんの目が、カイを刺してる。

 ばちばちしてる……!





 また登校して、人混みをかき分けてアーシェくんに近づく勇気がなかったので、お手紙を送ることにしました。

 すぐにぴんくの可愛いお手紙でお返事が来たよ!

『僕、言われてるほど、すごくないからね。噂がおかしくなってるだけだからね。話を聞いてみるだけならいいけど。
 クリームたっぷりのケーキもよろしくね!』

『まかせといて!
 じゃあ僕の家でお茶会するから、是非来てね!』

 お返事して、うちの料理長に

「クリームが、たっぷり掛かったケーキ……焼き菓子をお願いします!」

 おねだりしてみました。


「??? くりーむ……???」

 おぉう……!

 実演必須ですね!

 理解!

 しかしケーキを食べたことはあるけど作ったことはないんですけど……


「カイ、僕のお手伝いしてくれる?」

 上目づかいで見あげてみました。


 まあ、もっちもっちだいふくが、見あげてもね。意味ないけどね。

 ふうわり紅くなったカイが、とろけるように笑ってくれる。


「喜んで、ユィリおぼっちゃま」

 というわけで

「ぐるぐるして、カイ」

「かしこまりました、ゆりさま」

 クリーム、泡立て、大作戦だよ!


「ふあふあになるまで頑張って、カイ」

「はい、ゆりさま」

 涼やかに微笑んで、何でも完璧にこなしてくれるカイが、クリームたっぷりのケーキを作ってくれました!


「カイ、すごい!」

「ユィリおぼっちゃまの発想が素晴らしくていらっしゃるのです」

 ……いやそれは前世の知識チートなんだよ……

 切ないよ!



 というわけでケーキの準備も万端です!

 今回は、家族の皆は、壁に耳をつけるで我慢してくれるみたいです。


「こんにちはー!
 アーシェです。
 お招きありがとうございます!」

 ふわふわのぴんくの髪の可愛い主人公と

「お招きありがとう。トトラだよ」

 もしゃもしゃだったのに、別人みたいにかっこよくなった、長めの月の髪に陽の瞳の青年が微笑んだ。


「……え……かっこいい……」

 アーシェの、このみだったようです?





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