悪役令息を改めたら皆の様子がおかしいです?

  *  ゆるゆ

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しこみ?




「……別人さんだよ。どうしたの」

 ぽそぽそトトラに聞いた僕に、ささやきが返る。

「治癒魔法で、お兄さまを助けてくれるかもしれない方だろう。
 僕の精一杯で、印象を良くしておかないと。
 うちの宰相に言われてるんだ。髪をあげて、背筋を伸ばして、しゃべるなって」

 素晴らしく的確な指示をされてる……!

 さすが宰相!

「でも、話さないって無理だよ。
 嘘つきは、必ず、はがれちゃうんだよ」

 大人の余裕を見せようとした僕のように──!

「……そうかな……」

「嘘つきで頑張って、後から、『こんな人だと思わなかった!』って言われちゃうの、さみしくない?」

「さみしい」

 こっくりトトラが、うなずいた。
 僕は、ちっちゃな両手をにぎる。

「いつもの自分で、精一杯がんばるのがいいんだよ!」

「……そうかな」

「きっと!」

「……もっちもっちが、そう言うなら頑張ってみるよ」

 陽の瞳を細めて、トトラが笑う。
 顔面は、セゥスさまと戦えるほどの、かっこよさだよ……!

 きゃ──!


 もだもだしてたら、玄関が、さわさわしました。

「ゆーり、こんにちは。
 近くに来たから寄ったんだ」

 まるで偶然立ち寄ったように、のーすちゃんが微笑んでくれました。

「もっちもっち!
 あいたかった……!」

 くーちゃんが、ぎゅむぎゅむしてくれました。

「もしかして仲間……?」

 トトラの目が、きらきらしてる。


「わー! これからお茶会なんだよ!
 もしよかったら、のーすちゃんと、くーちゃんも、一緒にどうかな?」

「よろこんで」

「おかし、たべる!」

 にこにこしてくれる2人を後ろに、僕はにっこり微笑んだ。

「一緒にお茶会してもいいかな?」

 ろいやるな2人の圧を背負って言ってみたよ!

「……何この仕組まれたのが丸バレの、白々しい偶然」

 さすが転生主人公!
 的確に突っ込んでくれました……

「……紹介していただけるかな……?」

 不穏を感じたらしいトトラが、引きつってる。

「こちらラゼン王国第11王子、トトラ・11・ラゼン殿下です。
 こちらは、一緒に魔法学園に通っている、ロベナ王国の王太子殿下の伴侶(予定)でもあられるアーシェくんです」

「も、もうすでに……!」

 トトラには衝撃だったみたいだよ。

 クギは早いうちに、さしておかないとね。
 お話のとおり、これを乗り越えてくるのは隣国の王太子なんだよ、たぶん!


「こちらはロベナ王国第二王子、ノゥス・ロベナ殿下です。
 こちらはロベナ王国第三王子、クゥス・ロベナ殿下です」

 僕、やりきった!

 胸を張ったら、カイが頭をなでなでしてくれました。

 みんなの前なのに、うれしい。

 そしてこのお茶会、とっても、ろいやる!


「……どうしてこんなに王族ばっかり呼んでるの……」

 可愛いアーシェのお顔が、引きつってる。

「アーシェくんが、国の宝だからだよ。
 隣国の人に、さらに王子に、勝手に紹介したら、だめらしい」

「……そうなの……?」

 ぴんくの瞳が、まるくなる。

「この世界の主人公なんだよ、アーシェくん!」

「いやその話と混ぜるの?」

「たぶん常に混ざってくる」

「えぇ……!」

 泣きそうなアーシェくんも、可愛いです。



「では皆様どうぞお席へ」

 ちゃんと5人分が用意されてると、仕込みがバレバレなので、一応3人分の用意から、2人分を急遽出してくれたよ。

 さすがカイ!

 カイが作ってくれたクリームたっぷりのケーキで、お茶会なのです!




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