183 / 255
りっぱに!
倒れそうなセァナを、あわてて支える僕と一緒に、セァナを椅子に座らせたセゥスが告げる。
「ごめんなさい、おとうさま。
僕はもう、おとうさまのセゥスではありません」
セゥスの腕が抱きしめてくれる。
「ユィリのセゥスです」
とろけるような笑みを浮かべたセゥスが、ささやいた。
「ユィリのためだけに生きたい僕には、とってもすてきな職業だね」
セゥスが、僕のひもになっちゃう……!?
きゃ──!
「ぼ、僕、つよつよ治癒士になって、セゥスを養えるように、がんばるよ!」
ちっちゃなこぶしを掲げてみました。
「うれしい、ユィリ」
僕を抱っこしてくれるセゥスが、かわいーです!
「えへへ。僕が、養ってあげるからね」
ちいさなセゥスの頭をなでなでしてあげた僕は、宣言する。
「セゥスは、僕のかわいい伴侶(予定)として、僕が立派に養います!
今までがんばりすぎたセゥスに、おやすみをください!」
王も、セァナも、あんぐりした。
ノクが、肩を揺らして笑ってる。
のーすちゃんが、仕方ないなって笑って、くーちゃんはちっちゃな手をセゥスにのばした。
「せーおにーたま、いままで、がんばりすぎだったから。
おやすみして、げんきに、なってね」
ちっちゃな手に頭をなでなでされたセゥスが、とろけて笑った。
「ありがとう、クゥス。
たぶん僕らのなかでクゥスがいちばん王に向いてる。
がんばって、クゥス」
「うぅん! それは、ちがう、おはなしなのー!」
ぴょこんと跳びあがったクゥスに全力で拒否された王が泣いてる。
「まあもうちょっと、がんばれってことだよ」
ノクに肩をぽんぽんされた王が、うなだれた。
「……あ、あの……わ、私も、お支え、して、あげなくも、ない、かもしれない、から──」
耳まで真っ赤なセァナが、もごもごしてる。
「こ、これが、デレ──!」
感動したらしい王が、泣いてる。
「王になりたい人はたくさんいる。王族を排して、民のなかから最も優秀な人を王にする、カィザ選王国のような国になってもいいと思うよ」
セゥスの言葉に、王は眉をさげた。
「……民が王を選ぶ、選王か」
つぶやく王の隣で、ノクが微笑む。
「民のなかから最も優秀な人を王に選ぶなら。きっとセゥスさまが選ばれますよ。
あなたの尽力を真似できる人は、この国にはいないでしょう。
あなたがノゥスとクゥスの兄でいてくださったことを、僕は誇りに思います。
セゥスさまが、ユィリちゃんの、ひもになられても!」
片目をつぶったノクに、セァナが泣きそうだ。
「セゥス、ほんとに、ほんとに、ひもになっちゃうのか──!」
「ユィリを傷つけた最低な輩を改め、ユィリだけを愛する伴侶(予定)になりたいので。
しばらくユィリを愛することだけ、させてください」
きゅうっとセゥスが抱っこしてくれるから、僕は胸をたたいた。
「もちろんだよ! 僕、がんばって、働くよ──!」
ちっちゃな拳をかかげた僕は、人脈の広そうな王を振りかえる。
「というわけで、お仕事ください」
さっそく頼ってみたよ!
やっぱりね、つよつよ治癒士としては、せっかくの人脈も、いかさないとね!
愛するひも……伴侶(予定)なセゥスのために!
「えへへ、僕、がんばるよー!」
ちっちゃな拳を掲げる僕を抱っこしてくれるセゥスが、とろけてる。
あなたにおすすめの小説
記憶を無くしたら家族に愛されました
レン
BL
リオンは第三王子で横暴で傲慢で侍女や執事が少しでも気に入らなかったら物を投げたり怒鳴ったりする。家族の前でも態度はあまり変わらない…
家族からも煩わしく思われたていて嫌われていた… そんなある日階段から落ちて意識をなくした…数日後目を覚ましたらリオンの様子がいつもと違くて…
【本編完結】攻略対象その3の騎士団団長令息はヒロインが思うほど脳筋じゃない!
哀川ナオ
BL
第二王子のご学友として学園での護衛を任されてしまった騎士団団長令息侯爵家次男アルバート・ミケルセンは苦労が多い。
突撃してくるピンク頭の女子生徒。
来るもの拒まずで全ての女性を博愛する軽薄王子。
二人の世界に入り込んで授業をサボりまくる双子。
何を考えているのか分からないけれど暗躍してるっぽい王弟。
俺を癒してくれるのはロベルタだけだ!
……えっと、癒してくれるんだよな?
なぜ処刑予定の悪役子息の俺が溺愛されている?
詩河とんぼ
BL
前世では過労死し、バース性があるBLゲームに転生した俺は、なる方が珍しいバットエンド以外は全て処刑されるというの世界の悪役子息・カイラントになっていた。処刑されるのはもちろん嫌だし、知識を付けてそれなりのところで働くか婿入りできたらいいな……と思っていたのだが、攻略対象者で王太子のアルスタから猛アプローチを受ける。……どうしてこうなった?
【完結済み】乙男な僕はモブらしく生きる
木嶋うめ香
BL
本編完結済み(2021.3.8)
和の国の貴族の子息が通う華学園の食堂で、僕こと鈴森千晴(すずもりちはる)は前世の記憶を思い出した。
この世界、前世の僕がやっていたBLゲーム「華乙男のラブ日和」じゃないか?
鈴森千晴なんて登場人物、ゲームには居なかったから僕のポジションはモブなんだろう。
もうすぐ主人公が転校してくる。
僕の片思いの相手山城雅(やましろみやび)も攻略対象者の一人だ。
これから僕は主人公と雅が仲良くなっていくのを見てなきゃいけないのか。
片思いだって分ってるから、諦めなきゃいけないのは分ってるけど、やっぱり辛いよどうしたらいいんだろう。
主人公の義弟兼当て馬の俺は原作に巻き込まれないためにも旅にでたい
発光食品
BL
『リュミエール王国と光の騎士〜愛と魔法で世界を救え〜』
そんないかにもなタイトルで始まる冒険RPG通称リュミ騎士。結構自由度の高いゲームで種族から、地位、自分の持つ魔法、職業なんかを決め、好きにプレーできるということで人気を誇っていた。そんな中主人公のみに共通して持っている力は光属性。前提として主人公は光属性の力を使い、世界を救わなければいけない。そのエンドコンテンツとして、世界中を旅するも良し、結婚して子供を作ることができる。これまた凄い機能なのだが、この世界は女同士でも男同士でも結婚することが出来る。子供も光属性の加護?とやらで作れるというめちゃくちゃ設定だ。
そんな世界に転生してしまった隼人。もちろん主人公に転生したものと思っていたが、属性は闇。
あれ?おかしいぞ?そう思った隼人だったが、すぐそばにいたこの世界の兄を見て現実を知ってしまう。
「あ、こいつが主人公だ」
超絶美形完璧光属性兄攻め×そんな兄から逃げたい闇属性受けの繰り広げるファンタジーラブストーリー
【本編完結】断罪される度に強くなる男は、いい加減転生を仕舞いたい
雷尾
BL
目の前には金髪碧眼の美形王太子と、隣には桃色の髪に水色の目を持つ美少年が生まれたてのバンビのように震えている。
延々と繰り返される婚約破棄。主人公は何回ループさせられたら気が済むのだろうか。一応完結ですが気が向いたら番外編追加予定です。
拝啓、目が覚めたらBLゲームの主人公だった件
碧月 晶
BL
さっきまでコンビニに向かっていたはずだったのに、何故か目が覚めたら病院にいた『俺』。
状況が分からず戸惑う『俺』は窓に映った自分の顔を見て驚いた。
「これ…俺、なのか?」
何故ならそこには、恐ろしく整った顔立ちの男が映っていたのだから。
《これは、現代魔法社会系BLゲームの主人公『石留 椿【いしどめ つばき】(16)』に転生しちゃった元平凡男子(享年18)が攻略対象たちと出会い、様々なイベントを経て『運命の相手』を見つけるまでの物語である──。》
────────────
~お知らせ~
※第3話を少し修正しました。
※第5話を少し修正しました。
※第6話を少し修正しました。
※第11話を少し修正しました。
※第19話を少し修正しました。
※第22話を少し修正しました。
※第24話を少し修正しました。
※第25話を少し修正しました。
※第26話を少し修正しました。
※第31話を少し修正しました。
※第32話を少し修正しました。
※第33話を少し修正しました。
────────────
※感想(一言だけでも構いません!)、いいね、お気に入り、近況ボードへのコメント、大歓迎です!!
※表紙絵は作者が生成AIで試しに作ってみたものです。