悪役令息を改めたら皆の様子がおかしいです?

  *  ゆるゆ

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りっぱに!




 倒れそうなセァナを、あわてて支える僕と一緒に、セァナを椅子に座らせたセゥスが告げる。

「ごめんなさい、おとうさま。
 僕はもう、おとうさまのセゥスではありません」

 セゥスの腕が抱きしめてくれる。


「ユィリのセゥスです」

 とろけるような笑みを浮かべたセゥスが、ささやいた。


「ユィリのためだけに生きたい僕には、とってもすてきな職業だね」

 セゥスが、僕のひもになっちゃう……!?

 きゃ──!


「ぼ、僕、つよつよ治癒士になって、セゥスを養えるように、がんばるよ!」

 ちっちゃなこぶしを掲げてみました。


「うれしい、ユィリ」

 僕を抱っこしてくれるセゥスが、かわいーです!


「えへへ。僕が、養ってあげるからね」

 ちいさなセゥスの頭をなでなでしてあげた僕は、宣言する。


「セゥスは、僕のかわいい伴侶(予定)として、僕が立派に養います!
 今までがんばりすぎたセゥスに、おやすみをください!」


 王も、セァナも、あんぐりした。
 ノクが、肩を揺らして笑ってる。
 のーすちゃんが、仕方ないなって笑って、くーちゃんはちっちゃな手をセゥスにのばした。

「せーおにーたま、いままで、がんばりすぎだったから。
 おやすみして、げんきに、なってね」

 ちっちゃな手に頭をなでなでされたセゥスが、とろけて笑った。

「ありがとう、クゥス。
 たぶん僕らのなかでクゥスがいちばん王に向いてる。
 がんばって、クゥス」

「うぅん! それは、ちがう、おはなしなのー!」

 ぴょこんと跳びあがったクゥスに全力で拒否された王が泣いてる。

「まあもうちょっと、がんばれってことだよ」

 ノクに肩をぽんぽんされた王が、うなだれた。

「……あ、あの……わ、私も、お支え、して、あげなくも、ない、かもしれない、から──」

 耳まで真っ赤なセァナが、もごもごしてる。

「こ、これが、デレ──!」

 感動したらしい王が、泣いてる。



「王になりたい人はたくさんいる。王族を排して、民のなかから最も優秀な人を王にする、カィザ選王国のような国になってもいいと思うよ」

 セゥスの言葉に、王は眉をさげた。

「……民が王を選ぶ、選王か」

 つぶやく王の隣で、ノクが微笑む。

「民のなかから最も優秀な人を王に選ぶなら。きっとセゥスさまが選ばれますよ。
 あなたの尽力を真似できる人は、この国にはいないでしょう。
 あなたがノゥスとクゥスの兄でいてくださったことを、僕は誇りに思います。
 セゥスさまが、ユィリちゃんの、ひもになられても!」

 片目をつぶったノクに、セァナが泣きそうだ。

「セゥス、ほんとに、ほんとに、ひもになっちゃうのか──!」

「ユィリを傷つけた最低な輩を改め、ユィリだけを愛する伴侶(予定)になりたいので。
 しばらくユィリを愛することだけ、させてください」

 きゅうっとセゥスが抱っこしてくれるから、僕は胸をたたいた。


「もちろんだよ! 僕、がんばって、働くよ──!」

 ちっちゃな拳をかかげた僕は、人脈の広そうな王を振りかえる。


「というわけで、お仕事ください」

 さっそく頼ってみたよ!

 やっぱりね、つよつよ治癒士としては、せっかくの人脈も、いかさないとね!

 愛するひも……伴侶(予定)なセゥスのために!


「えへへ、僕、がんばるよー!」

 ちっちゃな拳を掲げる僕を抱っこしてくれるセゥスが、とろけてる。







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