悪役令息を改めたら皆の様子がおかしいです?

  *  ゆるゆ

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びみょう?




 あんなことを叫ばれたのに、セゥスの顔には一片のくもりも、疑いもなくて、びっくりした僕は若葉の瞳を見あげる。

「セゥスは、僕をしからないの?」

 きょとんとしたセゥスが笑った。

「ユィリが男の下衣を、はぎ取ろうとしたことなんて、今までなかったでしょう?
 診察で大切だったんでしょう。比較したかった?」

 僕の頭をなでなでしながら聞いてくれる。

「う、うん」

 きゅう。

 セゥスの衣のすそをにぎって、熱い頬でうなずいたら、長い腕につつまれる。


「ユィリを、信じてる。
 だいすきだよ、ユィリ」

 ささやいて、笑ってくれる。


「セゥス、だいすきー!」

 ぎゅう!

 抱きついたら、とろけるように笑ってくれた。



「当主の前で、何をやってる! 不敬だぞ──!」

 後ろのセゼァおばあちゃんが、激おこです。

「……いや、初対面の男の前に、下着で堂々と立つのも、まあまあ、びみょう……?」

 海のつっこみに、セゼァが真っ赤になった。

「ぎゃ──!」

 診察で脱ぐと思っていなかったからか、白のぴったりした、ちっちゃいのな感じで、そう、見えないけど、透けちゃうかも……? ということに気づいたらしいセゼァが、耳まで真っ赤になって前を隠してる。

「ご立派なので、はずかしがることは、ないのではないでしょうか」

 カイが、笑顔だ!

「そ、そうか……!」

 セゼァおばあちゃんが、元気になったよ! よかった!


「診察のために脱いでほしいなら、俺が脱ごうか?」

 首をかしげる海を、セゥスが止める。

「それは僕の役目だよね?」

 カイが襟元に指をかける。

「ここは従僕の、わたくしが脱ぎましょう」

 火花がバチバチしてる気がする──!

 あわあわ僕は手をあげる。

「あ、あの、セゥスも海くんも、カイも若くて、きらきらしてるから、よかったら同年代のコホさんと、セゼァおばあちゃんを比べたいんだけど……」

「おばあちゃん!?」

 真っ赤になって、のけぞるセゼァに、僕はこっくりうなずいた。

「僕はセゥスさまの伴侶(予定)なので。セゥスさまのおばあちゃんは、僕のおばあちゃんです」

 胸を張った!

 ぱくぱく口を動かしたセゼァの耳が赤くなる。
 肩を揺らして笑ったコホが、やさしくセゼァの肩をたたいた。

「ようございましたね、セゼァさま」

「ふ、ふん──! ふ、不敬であるぞ!」

 つりあがるまなじりが、ほんのり赤い。

 ふわふわ笑った僕は、セゼァとコホを見あげる

「ちょっとコホさんに脱いでいただきたいんですが、よろしいでしょうか?」

「セゼァさまのためなら、脱ぎましょう」

 胸を叩いてくれました。

「ありがとうございます!」

 感謝を表すために胸に手をあて、膝を折る。

「じゃあ、お部屋で。セゥスとカイと海くんは、お外で待っててね」

「いや、もう見たから、いいでしょう、おばあさま」

「ぐぅ……!」

 セゼァおばあちゃんが、セゥスに圧されてる!

 おお、セゥスが、つよつよに!


「ゆりさまは、魔力がすくなめでいらっしゃるので、治癒魔法を使うと魔力枯渇の恐れがあります。わたくしたちが魔力を補給いたしますので」

 カイが微笑む。

「鍛えられた、いい身体だと思う。尊敬する」

 海の言葉に、セゼァの瞳が輝いた。

「そ、そうか──!」



「……もしかして、おばあさま、ちょろい……?」

 こっそりセゥスが、首をかしげてる!






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