【完結】もふもふ獣人転生

  *  ゆるゆ

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最愛の約束

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 ふわふわの雪が舞い降りて、帝都は冷たく凍えてく。
 けれど街の明かりはきらめいて、露店に吊るされたランタンが橙のひかりを投げかけた。

「ジゼしゃま、寒、なぃ、でしあ?」

 きゅ、と繋がった手を握って見あげるリトに、ジゼがふうわり笑ってくれる。

「へいき。リトは?」

「僕、寒さ、つぉい、でし!」

 ふあふあの真白なしっぽが、誇らしげにぽふぽふしてる。
 ほんのり赤くなったジゼがつながる指を握ってくれた。

 獣化できる獣人は、かなり寒さに強い。

『ふにゅにゅにゅにゅ!』全力を振り絞ればラヴァリアになれるようになったリトも、ふあふあもふもふの毛皮装着の獣人なので、寒さに強い。

 それでも吐く息は真っ白で、ちっちゃな鼻は赤くなる。
 とろけるようにジゼが笑って、手を引いてくれる。

 頬が熱くて、胸がとくとく駆けてゆく。

 たくさん並んだ露店には焼きたてのお菓子や、あつあつの果実酒が売られているのだけれど、ぽふぽふ揺れるしっぽで、帝宮前の広場を目指す。

 今日はルディア帝国で一年が終わる、お終いの日だ。
 皆で帝宮前の広場に集まって、帝宮の塔に吊るされた大きな鐘を見あげる。

 非常事態や火事、吉報、訃報を知らせるのにも使われる大きな鐘は、一年の終わりにも鳴らされる。

 リンゴン響く鐘の音とともに『今年一年ありがとう』感謝を伝えるのが、ルディア帝国の風習だ。

 鳴り響く鐘のもとで『伴侶になってください』申しこんで、受け容れてもらえて、ちゅうしてもらえたら、生涯しあわせな伴侶になれるという帝都伝説が囁かれているので、大きな広場は恋人たちでいっぱいだ。

 満月が中天に昇ったら、鐘が鳴らされる。

 真白な雪が舞い降りるなか、皆で月を見あげて、鐘を待つ。

 吐く息が白く揺れた。

 たくさん人がいるのに、緊張でふるえるみたいに、音がしない。
 ただ雪が降りつもり、月がゆうるり、夜の天を昇ってゆく。

 ジゼが手を握ってくれる。
 リトもぎゅっとジゼの手を握った。

 月が、昇る。
 塔の天辺で、大きく鐘が揺れた。

 リ──ン──ゴ──ン──
 リ──ン──ゴ──ン──

 鐘が鳴る。

 リトの手を握ったまま、ジゼは膝をついた。

「俺の伴侶に、なってください」

 まっすぐな蒼の瞳で、見あげてくれる。

 リ──ン──ゴ──ン──

 涙があふれそうになるから、ぎゅっと目を閉じたリトはちいさな手で、ジゼの頬をつつんだ。

 はちきれそうな鼓動をかかえた指先が、ふるえてる。


 リ──ン──ゴ──ン──


 そっと、そっとジゼのかんばせに近づいた。

 桜色のくちびるに、そっと、そっと、口づける。

 リ──ン──ゴ──ン──

「あい」

 しあわせの涙で笑ったら、ジゼの腕が抱きしめてくれた。


「一生、大事にする」

 あふれる涙を、ジゼの唇が、すくってくれる。


「僕も、でし!」

 最愛の背を、抱きしめる。


「ジゼしゃま、だぃしゅき」


 ずと、ずと、いしょ、いてくだ、しあ



 ささやきが、ジゼのくちびるに、とけてゆく。



 リ──ン──ゴ──ン──

 鳴り響く鐘の向こうに、雪が降る。



 明ける年にくれたのは、最愛の約束で。

 生涯で最高の、贈り物なのです。











────────────

 ずっと読んでくださって、ありがとうございます!

  しょこら。 様のリクエストで、ジゼとデート、雪が降る中ドキドキのプレゼント交換でした!

 年末にお書きできればよかったのですが……!(笑)ものじゃなくて、約束とちゅうでした(笑)


 登場人物ご紹介は、おまけのお話の一番うえに移動しました!
 お話のなかでいちおう説明するように心がけているのですが(笑)お困りのときはお使いください!(笑)

 これでいただいたリクエスト、ぜんぶお書きしたと思うのですが『私のがない!』という方、いらっしゃいましたら、どうぞご遠慮なく仰ってくださいー!

 あばばばお書きします!(笑)

 
 

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