僕の、しあわせ辺境暮らし

  *  ゆるゆ

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ひさく!




 しょんぼりな、むーちゃんを励ますための秘策が、僕には、あるのです!

 それは!

「ほっかむり、すりゅ!」


 ゴタとゴナのお店で、敷布といっしょにお願いして、ムニャが買ってくれたお掃除用のボロがあるのです!

 おかね1枚で5枚!

 ゴタとゴナが、おおやすうり、してくれたんだよ。

 顔に巻きつけたら、ちょこっと、ほこりを防げるかも!


 くるくる、お顔に巻いてみた。

「おお!」

 目を輝かせたムニャが、拍手してくれた。
 うれしい。

「ぼく、かっこぃー?」

 ぴょこんと跳ねた。
 ほっかむりも、いっしょに、ぴょこんと揺れる。

「とっても、とっても、かっこいーよ、ぽて!」

 僕を抱きあげて、むーちゃんが、笑ってくれる。

「えへへ。うれしい、むーちゃん」

 ぎゅう

 抱きついたら

 ぎゅうう

 抱っこしてくれる。


 あちあちのほっぺで笑った僕は、ほこりで、まっしろに染まった、何が何だか分からないけれど、たぶん、台所っぽいところに足を踏み入れる。

 うず高く降りつもる、ほこりが、もわもわしてる……!

「ぽ、ぽて、あぶないよ……!」

 心配してくれるムニャに、どんと、ちいさな胸をたたく。

「ぼく、がんばゆ、よ!」

 むーちゃんのためなら、僕は、なんだって、できるのです!

 あちあちのほっぺで、ちっちゃな拳をかかげる。


「ぽて、とちゅげき!」

 ボファアァア──!

 舞いあがる、ほこり!
 白くなる視界!

「ぴゃー!」

 びっくり!

「ぽて──!」

 涙目になったムニャが、ほっかむりせずに駆け寄ってくれようとして

「げへがはごは──!」

 大変なことになってる!


「むーちゃん、ここ、きけん! むこぅで、ゆくり、してて!」

 叫ぶ僕に、ムニャが泣きそうだ。

「で、でも、ぽてが、がんばってくれているのに……!」

「ぼく、つぉいこ!」

 どんと、ちいさな胸を叩いた僕は、ほこりの海をかき分けて、奥へと進む。

 かまどがあるなら、きっと壁際だ。
 その近くに、おなべが置いてある、はず……!

「けほ、こほ、くしゃん!」

「ぽて……!」

 ムニャの悲鳴に、ちっちゃな手をあげる。

「へぃき!」

 自分のためなら『……なまで、いいや……』思ってしまうけれど。

 むーちゃんのためなら、あったかいご飯をつくってあげたいのです。


 今までは、しないと殴られた。
 それは義務で、痛くて、さみしいことだった。

 今は、むーちゃんのために、料理できるなら、わくわくする。

 むーちゃんが、よろこんでくれるかな。

 思うだけで、胸があったかくて、どきどきして、ほっぺが熱くなるのです。


「ひかり!」

 茜のひかりが射しこむのは、きっと、窓だ。
 ほこりに、うもれていた窓へと、ほこりの海を進む。

 ボッファアァア──!

「ぴゃー!」

「ぽて──!」

「へぃき! ほっかみゅり!」

 元気に、手をあげた。

 窓っぽいのの近くに来た僕は

「うんしょ、ぅんしょ」

 ちいさな手をめいっぱい伸ばして……も無理だったので、近くの台に足をかけて、よじ登ろうとしたら

「わぁあ──!」

 台が、落とし穴でした──!

「ぽて──!」

 ほこりをかき分けて、突撃してくれたムニャが、僕を抱きあげてくれる。

「げほごほがは──!」

「むーちゃん!」

 あわあわ、のばす僕の手を、ムニャの大きな手がにぎってくれる。

「ぽて、ケガは……!?」

「へぃき。むーちゃん、ごめんなしゃい」

 しょんぼりする僕に、ムニャは首をふった。

「ぽては、なんにも、わるくない!」

 叫んだムニャが、僕の身体からほこりを払って、やさしく腕や足を確かめてくれる。

「どこも痛くない?」

「へぃき!」

 そして僕は、たいせつな発見をしたのです!

 ちっちゃな胸でそりかえった僕は、教えてあげる。


「むーちゃん、これ、かまどだょ!」

 夜の瞳が、瞬いた。

「え?」

「あなに、ぼくの、あし、はまっちゃったの。
 たぶん、こりぇ、したに、たきぎ、いれて、ひを、おこす、かまど!」

「そうなんだ」

 ふーんという感じにうなずくムニャは、かまどを知らないみたいです?


 さすが、むーちゃん!





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