僕の、しあわせ辺境暮らし

  *  ゆるゆ

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さいこう?




 あふれる闇の奥で、かすかな光が、ちらちらしてる。

 むーちゃんの、ちからだ。


 うっとり見あげる僕の隣で、ホーおじいちゃんが息をのむ音が聞こえた。

「お、お兄さん、そ、その力は──」

 おびえたように、あとじさるホーおじいちゃんに、ムニャはうなずく。


「忌まれる力です。
 それでも、ぽてを守ることができるなら、僕はこの力に感謝します」

 ムニャと僕を守るように噴きあがる力は、真っ暗で、けれど、その奥に星がひらめくような、あたたかな力だ。


「むーちゃん、の、ちから、やさしぃ。
 ありがとぅ、むーちゃん」

 ぎゅう。

 抱きしめたら、ムニャの夜空の瞳が泣きだしそうに歪む。


「……ぽてを、守る」

 抱きしめてくれるムニャの肩が、ふるえてる。






 ぼうぜんと口を開けたホーおじいちゃんが、ムニャと僕を凝視する。

「そ、そうか、ちっちゃいのが摘んだ薬草を、お兄さんが、その力で運んだのか──!」

 きょとんとした僕とムニャが、うなずいた。

「むーちゃん、ぉにもつ、もって、くれゆの」

「えへん」

 胸を張る、むーちゃんが、とってもかわいーです!

 熱い頬で、もだもだしちゃう僕の隣で、ぴかぴかが小さくなってゆく熱さまし草を見つめたホーおじいちゃんが、ムニャを振りかえる。

「こいつを、しまってくださるかの」

 きょとんとしたムニャが、うなずいた。

「はい」

 弱い輝きの熱さまし草に、ムニャがふれる。
 長い指がひらめいて、ムニャの影に落ちた熱さまし草が消えた。

「な、なるほど……! 他にも、ちっちゃいのが摘んだ、熱さまし草が?」

「あります」

「ちょこっと、見せてくれるかえ?
 さっきの草と違うのをお願いする。そういうことも、可能ですかの?」

「もちろん」

 こくりとうなずいたムニャの長い指が、ひらめく。

 ムニャの影にふれた指から現れるのは、まばゆいばかりにきらめく熱さまし草だ。

「おぉお! やはり! すぐしまってくだされ」

 うなずいたムニャが熱さまし草を影に落とす。
 消えてゆく熱さまし草に、ホーおじいちゃんは白いおひげをしごいた。

「……なるほどのう」

 納得したように、うむうむするおじいちゃんに、僕とムニャが首をかしげる。
 ホーおじいちゃんの瞳が、細くなる。

「おそらくですじゃ。ちっちゃいのが、緑のきみ。
 ほんとうに薬効が数倍かどうかは、試してみないと分からんが、とにかく何らかの魔法を使える人なのでしょうな。
 そうして、お兄さんも魔法が使える」

 しわの向こうの瞳が、ムニャを見つめる。

「おそらく、お兄さんがしまったものは、時間が止まる」

「……え……?」

 きょとんとする僕とムニャに、ホーおじいちゃんは、ささやいた。

「つまり、薬草は、摘まれたばかりということですの。だから、輝いておるのでしょう」

 防音の魔導具の作動を確かめるように、しわの指がふれる。

「伝説ではの、緑のきみが摘んだ薬草は、その瞬間が最も輝きと薬効が高い。
 時間が経つにつれて、つまり輝きが弱まるにつれて薬効は落ちてゆくとされる。
 輝きが全く消えた薬草は、最も力ないわけじゃが、それでもまあ、数倍の薬効はあるのですな」

 おじいちゃんの声が低くなる。

「それが、お兄さんの力と、あわさるとじゃ。
 最高の状態の薬草を、どこにでも運べるということになりますの」

 僕とムニャは顔を見あわせる。


「それは僕とぽての相性が、最高によいということですか」

 むーちゃんの瞳が、きらきらしてる。


「ぼくと、むーちゃん、さぃこぅ?」

 わくわく聞く僕に、ホーおじいちゃんは、深くうなずいた。


「これ以上ないほどに。
 おふたりがいらっしゃれば、最高の薬士に、なれますぞい!」











────────────────


 ずっと読んでくださって、ほんとうにありがとうございます!

 むーちゃんの動画をあげました!
 プロフのwebサイトから飛べるので、もしよかったら!

 ずっとお書きするのを忘れていたのですが、表紙や動画にはAIを使っていますが、文章には一切使っていません。

 ずっと読んでくださる、あなたさまが、ちょこっとでも楽しんでくださったらいいなと思って、ぽちぽちお書きしています(笑)

 ずっと読んでくださる方、お気に入りに入れてくださる方、いいねや、エール、ご感想で応援してくださる方に、いつもとても励まされています。

 心から、ありがとうございます!



 
感想 60

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