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隠居生活はじめます。
【閑話】勇者13
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『ん~とねぇ、簡単に言うとねぇ、力のある人をアルゼが殺しちゃったからだよォ~』
「はい、守護龍エナベル様のおっしゃる通り、力ある者が殺されたことによりその知識や技術の継承ができなくなってしまったのです。」
「でも、知識や技術は継承できなくても本とかで残せるでしょ?」
「それは…」
『んとねぇ~その戦いの場が何も無い平野とかだったら残ってたかも?』
「はっ?」
「邪龍アルゼは、各国の王都を襲撃しました。貴重な書物は全て王都で保管してありました…」
「だから、残ってないの?」
「はい…ただ、このネテル神聖国は、戦いを逃れた唯一の国で、この国に保管されていた書物を元に各国は復興致しました。だから全て失われた訳ではないのですよ。」
「……ねぇ、ネテル神聖国は、戦いを逃れたって…?」
『セイラの結界だよぉ~』
「はい!大聖女セイラ様の結界が護ってくださったのです!!だからこそ、私たちは大聖女セイラ様を祀るのです!」
シスターネロは興奮した顔で紫織に詰め寄り、言った。そのシスターネロに若干、紫織や他の皆が引いたのは言うまでもない。
「えっと、、、すいません、シスター。」
「は、はぃ!」
我を忘れ大聖女セイラについて語っていたシスターネロは、綺月の言葉で我に戻る。
「風月達に話したいことがあるので…席を外してもらってもいいですか?」
「え?えぇ…」
「ありがとうございます」
綺月は、聖堂からシスターネロが出ていったことを確認すると風月達に向き直った。
「実は、俺ここから離れようと思う」
「え?」
「さっき、話したセイランさんっているだろ?その人が俺の面倒というか…この世界で生きていくのに色々と面倒見てくれるって言ってくれたんだ。」
「なんで……それならここでも…」
「ごめん、風月。俺はここじゃなくてセイランさんの方がいい」
「っ!~~っ、」
「!風月!!」
綺月のここを出ていくという強い意志に、ブラコンの風月はショックを受け大聖堂から走って何処かに行ってしまった。それを紫織が呆れた顔で見ていたが、綺月に向き直って聞く。
「その人は信用できるの?」
「うん、それにセイランさんの元で学べばみんなの役に立つことが見つけられるかもしれないんだ」
「そう…わかった。行きなよ綺月」
「紫織ちゃんっ!?」
「天羽、綺月が頑固なことは知っているでしょ?」
「そ、それはそうだけど…」
「綺月くん」
「晃輝…」
「みんなのことは、僕が守るよ。だから、安心して」
いつもは、意志の弱い晃輝がハッキリとみんなを守ると言ってくれた。
「ありがとう、晃輝」
「綺月くん!わ、私もみんなを守れるように頑張るよ!」
「うん、頼りにしてるよ天羽」
「綺月、風月のお守りは任せて。あと、無茶はダメよ」
「あはは、紫織も無茶はすんなよ!」
「分かってるわよ!」
風月は、紫織、天羽、晃輝の顔を順に見てから、窓にいるエナベルの方へと視線を向けた。
『ん~?どうしたの?』
「エナベルさん、セイランさんの所へ連れて行ってくれますか?」
『ん~、わかったぁ』
「じゃあ、みんな、またどこかで会おうな!」
「「「うん」」」
「あ、これ渡すの忘れてた…」
綺月は、持っていた鞄を紫織に渡した。
「これは?」
「セイランさんから。後で風月と一緒に見てみて。」
「わかったわ」
「じゃあ、みんな元気で!」
こうして、綺月は後の勇者、賢者、聖女、聖騎士と別れたのだった。
「はい、守護龍エナベル様のおっしゃる通り、力ある者が殺されたことによりその知識や技術の継承ができなくなってしまったのです。」
「でも、知識や技術は継承できなくても本とかで残せるでしょ?」
「それは…」
『んとねぇ~その戦いの場が何も無い平野とかだったら残ってたかも?』
「はっ?」
「邪龍アルゼは、各国の王都を襲撃しました。貴重な書物は全て王都で保管してありました…」
「だから、残ってないの?」
「はい…ただ、このネテル神聖国は、戦いを逃れた唯一の国で、この国に保管されていた書物を元に各国は復興致しました。だから全て失われた訳ではないのですよ。」
「……ねぇ、ネテル神聖国は、戦いを逃れたって…?」
『セイラの結界だよぉ~』
「はい!大聖女セイラ様の結界が護ってくださったのです!!だからこそ、私たちは大聖女セイラ様を祀るのです!」
シスターネロは興奮した顔で紫織に詰め寄り、言った。そのシスターネロに若干、紫織や他の皆が引いたのは言うまでもない。
「えっと、、、すいません、シスター。」
「は、はぃ!」
我を忘れ大聖女セイラについて語っていたシスターネロは、綺月の言葉で我に戻る。
「風月達に話したいことがあるので…席を外してもらってもいいですか?」
「え?えぇ…」
「ありがとうございます」
綺月は、聖堂からシスターネロが出ていったことを確認すると風月達に向き直った。
「実は、俺ここから離れようと思う」
「え?」
「さっき、話したセイランさんっているだろ?その人が俺の面倒というか…この世界で生きていくのに色々と面倒見てくれるって言ってくれたんだ。」
「なんで……それならここでも…」
「ごめん、風月。俺はここじゃなくてセイランさんの方がいい」
「っ!~~っ、」
「!風月!!」
綺月のここを出ていくという強い意志に、ブラコンの風月はショックを受け大聖堂から走って何処かに行ってしまった。それを紫織が呆れた顔で見ていたが、綺月に向き直って聞く。
「その人は信用できるの?」
「うん、それにセイランさんの元で学べばみんなの役に立つことが見つけられるかもしれないんだ」
「そう…わかった。行きなよ綺月」
「紫織ちゃんっ!?」
「天羽、綺月が頑固なことは知っているでしょ?」
「そ、それはそうだけど…」
「綺月くん」
「晃輝…」
「みんなのことは、僕が守るよ。だから、安心して」
いつもは、意志の弱い晃輝がハッキリとみんなを守ると言ってくれた。
「ありがとう、晃輝」
「綺月くん!わ、私もみんなを守れるように頑張るよ!」
「うん、頼りにしてるよ天羽」
「綺月、風月のお守りは任せて。あと、無茶はダメよ」
「あはは、紫織も無茶はすんなよ!」
「分かってるわよ!」
風月は、紫織、天羽、晃輝の顔を順に見てから、窓にいるエナベルの方へと視線を向けた。
『ん~?どうしたの?』
「エナベルさん、セイランさんの所へ連れて行ってくれますか?」
『ん~、わかったぁ』
「じゃあ、みんな、またどこかで会おうな!」
「「「うん」」」
「あ、これ渡すの忘れてた…」
綺月は、持っていた鞄を紫織に渡した。
「これは?」
「セイランさんから。後で風月と一緒に見てみて。」
「わかったわ」
「じゃあ、みんな元気で!」
こうして、綺月は後の勇者、賢者、聖女、聖騎士と別れたのだった。
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ハマりました‼次の更新をキリンになりながら楽しみに待ってます( ^ω^)
ありがとうございます(т-т)
こちらも時間が出来たら書きますね( ´›ω‹`)
おもしろい!
お気に入りに登録しました~
ありがとうございます!!
頑張って執筆したいと思います!