僕と父と弟(妹)の話

河まきじ

文字の大きさ
3 / 6
最初に

しおりを挟む
 ベッドの上で固まっていると

「どうされました?」
「いや、中に誰かいるのかと」
「坊っちゃんは、まだ寝ていらっしゃると思います」

「そうだな、ひょっとしたら起きていれば…」
「様子を見てみましょうか?」
「いや、また後にしょう」


 二人分の足音がして、ドアの前から遠ざかっていった。

 ………。

 助かった~。

 勘弁してくれ。今はまだ、誰にも会いたくない…。
 でも、どうしようか?
 このままずっとってわけにはいかないし、なんとかしないと…。

 考え込んでいるうち、また寝てしまった…。


 ……え~と。
 おはようございます↷?
 …自分どんだけ寝てるんだ…。


 あれから、どれぐらい時間が経ったのかわからないけど、だいぶ頭がスッキリしてきた。

 だけどスッキリしても、どうにも思い出せない…。
 前?前世の記憶も微妙なところだ。もちろん、日本だったのは間違いけど、どこに住んで、何をしていたのか…。

 思い出せない…。
 ついでにいえば、池(自分の中で確定)に落ちる前は何をしていたんだ?

 ……これもわからない。俺ってこんなにも記憶力悪かったけ?

 そもそも、ここ本当に自分の部屋か?一度目が覚めた時は、そう思ったけど今は?
 改めて見れば、なんとなく病院で入院したような感じもするし…、
 なんなんだろうか。

 やっぱり、ずっと寝てたってことは、具合悪くて入院してたってと?
 だめだな。諦めて誰かと話をして色々確認しないと。自分じゃ、まったくわからないし、もうどうしようもないや。

 グダグダと考え込んでいるうちに、また(なのか?)ドアをノックする音した。そして、そのまま女の人が部屋に入ってきた。
 その様子を俺はボ~と見ていた。(だって、どう見てもメイドさん風なんだもん!!)

「!!、目が覚められましたか!」
「…あの」
「よかった、寝込まれてもう5日ほどになります」
「……」
「少しお待ちください、旦那様をお呼びします!」

 ……まって…俺の話も聞いて…。

 メイドさん風のその人は、俺がしゃべる暇を与えてくれないまま、走るように(走ってないのにそう見えた…、すごいな…)部屋を出ていった。


 ……うん、ある意味すごいや。
 しゃべる暇もなく、なんか出てったし。
 いやそうじゃなくて、誰か呼ぶ前に俺と話してよ!!

 何で、説明無しで他の人よぶかな…。せめて説明ちゃんと終わってからなら、よかったのに…。

(普通こういう時って、メイドさんが説明してくれたりするもんじゃないの……)

 そして、次は旦那様とやらに対峙しないといけないらしい。

どうなることやら。もうしらん。


しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

何故よりにもよって恋愛ゲームの親友ルートに突入するのか

BL
平凡な学生だったはずの俺が転生したのは、恋愛ゲーム世界の“王子”という役割。 ……けれど、攻略対象の女の子たちは次々に幸せを見つけて旅立ち、 気づけば残されたのは――幼馴染みであり、忠誠を誓った騎士アレスだけだった。 「僕は、あなたを守ると決めたのです」 いつも優しく、忠実で、完璧すぎるその親友。 けれど次第に、その視線が“友人”のそれではないことに気づき始め――? 身分差? 常識? そんなものは、もうどうでもいい。 “王子”である俺は、彼に恋をした。 だからこそ、全部受け止める。たとえ、世界がどう言おうとも。 これは転生者としての使命を終え、“ただの一人の少年”として生きると決めた王子と、 彼だけを見つめ続けた騎士の、 世界でいちばん優しくて、少しだけ不器用な、じれじれ純愛ファンタジー。

乙女ゲームのサポートメガネキャラに転生しました

西楓
BL
乙女ゲームのサポートキャラとして転生した俺は、ヒロインと攻略対象を無事くっつけることが出来るだろうか。どうやらヒロインの様子が違うような。距離の近いヒロインに徐々に不信感を抱く攻略対象。何故か攻略対象が接近してきて… ほのほのです。 ※有難いことに別サイトでその後の話をご希望されました(嬉しい😆)ので追加いたしました。

偽物勇者は愛を乞う

きっせつ
BL
ある日。異世界から本物の勇者が召喚された。 六年間、左目を失いながらも勇者として戦い続けたニルは偽物の烙印を押され、勇者パーティから追い出されてしまう。 偽物勇者として逃げるように人里離れた森の奥の小屋で隠遁生活をし始めたニル。悲嘆に暮れる…事はなく、勇者の重圧から解放された彼は没落人生を楽しもうとして居た矢先、何故か勇者パーティとして今も戦っている筈の騎士が彼の前に現れて……。

強制悪役劣等生、レベル99の超人達の激重愛に逃げられない

砂糖犬
BL
悪名高い乙女ゲームの悪役令息に生まれ変わった主人公。 自分の未来は自分で変えると強制力に抗う事に。 ただ平穏に暮らしたい、それだけだった。 とあるきっかけフラグのせいで、友情ルートは崩れ去っていく。 恋愛ルートを認めない弱々キャラにわからせ愛を仕掛ける攻略キャラクター達。 ヒロインは?悪役令嬢は?それどころではない。 落第が掛かっている大事な時に、主人公は及第点を取れるのか!? 最強の力を内に憑依する時、その力は目覚める。 12人の攻略キャラクター×強制力に苦しむ悪役劣等生

シナリオ回避失敗して投獄された悪役令息は隊長様に抱かれました

無味無臭(不定期更新)
BL
悪役令嬢の道連れで従兄弟だった僕まで投獄されることになった。 前世持ちだが結局役に立たなかった。 そもそもシナリオに抗うなど無理なことだったのだ。 そんなことを思いながら収監された牢屋で眠りについた。 目を覚ますと僕は見知らぬ人に抱かれていた。 …あれ? 僕に風俗墜ちシナリオありましたっけ?

お荷物な俺、独り立ちしようとしたら押し倒されていた

やまくる実
BL
異世界ファンタジー、ゲーム内の様な世界観。 俺は幼なじみのロイの事が好きだった。だけど俺は能力が低く、アイツのお荷物にしかなっていない。 独り立ちしようとして執着激しい攻めにガッツリ押し倒されてしまう話。 好きな相手に冷たくしてしまう拗らせ執着攻め✖️自己肯定感の低い鈍感受け ムーンライトノベルズにも掲載しています。

ビッチです!誤解しないでください!

モカ
BL
男好きのビッチと噂される主人公 西宮晃 「ほら、あいつだろ?あの例のやつ」 「あれな、頼めば誰とでも寝るってやつだろ?あんな平凡なやつによく勃つよな笑」 「大丈夫か?あんな噂気にするな」 「晃ほど清純な男はいないというのに」 「お前に嫉妬してあんな下らない噂を流すなんてな」 噂じゃなくて事実ですけど!!!?? 俺がくそビッチという噂(真実)に怒るイケメン達、なぜか噂を流して俺を貶めてると勘違いされてる転校生…… 魔性の男で申し訳ない笑 めちゃくちゃスロー更新になりますが、完結させたいと思っているので、気長にお待ちいただけると嬉しいです!

推しのために自分磨きしていたら、いつの間にか婚約者!

木月月
BL
異世界転生したモブが、前世の推し(アプリゲームの攻略対象者)の幼馴染な側近候補に同担拒否されたので、ファンとして自分磨きしたら推しの婚約者にされる話。 この話は小説家になろうにも投稿しています。

処理中です...