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ストロングデーモン
魔王の要求
本当は近づかない方がいい。頭ではわかっていても自分の感情をコントロールするには俺はまだ幼かった。
昨日の魔王もといスレイヴさんのことが気にかかり、今日も図書館へ向かう。
なんで俺に正体を明かしたのか、明かした後になんで俺が逃げても追いかけなかったのか。
ブラスさんとの関係は?ブラスさんは知ってるのか?
考えれば考えるほど疑問は尽きない。
大丈夫だ。いざとなればクリスから貰ったストーンを使って攻撃を回避して逃げればいい。いける…よな?…無理かなぁ。
頭の片隅ではわかっている。こんなストーンが魔王に効くわけない。効いたとしても逃げ延びるなんて無理だ。
魔王の力がそんなやわだなんて思わない。
だからこそ気になったのだ。
スレイヴさんは何を考えて、また明日なんて言ったのだろかと。
図書館に到着したところでふと、今日は休館日ではと扉の中心にぶら下がっているcloseの板を見て思い出す。
警戒しつつ窓から中の様子が見れないかと近づくとリウを待っていたのかブラスさんが扉を開けてくれた。
「おはようございます。リウ様。中に入りますか?」
ギクッ!!
「ブラスさん!おはようございます。…えっと…昨日は挨拶もせずに帰ってしまってごめんなさい。」
ブラスさんは首を横に振り微笑えんだ。
「いえいえ滅相もない。吾君の考えなしな発言が招いたことです。リウ様は何も悪くありません。」
ブラスさんの変わらぬ穏やかさに安堵し、吾君という単語が気になるも図書館の前で立ち続けるわけにもいかず室内へ。
「吾君は昨日と同じ場所におります。決してリウ様を傷つけるつもりはありません。我々はお話がしたいのです。」
「ブラスさんはスレイヴさんの仲間ですか?」
「えぇ私も魔族、長年吾君に仕えております。」
唾をゴクリと飲み込み、ブラスさんに見守られながら魔王の元に向かう。
2日前に来た時は朝日が窓辺に差し込み心地よい暖かみをくれていた。今日はそれが、酷く暑く身体を焼いてしまうではと感じるくらい悍ましい。
背筋を伸ばし歩みを進める。
文学の板が置いてある棚に手を添えてヒョイっと頭だけ横に動かしてお目当ての人物がいるのか確認する。
そこには昨日と変わらず読書をしているスレイヴさんがいた。
美人は3日で慣れるなんて嘘なのかもしれない。端麗な容姿は今日もリウを虜にしてしまう。
「おはよう。そんなところにいないでもう少し近づいても良いんだぞ。」
警戒を緩めずに一歩、また一歩と近く。
「ククッ、そんなに警戒するな。取って食おうなんて考えていない。協力して欲しいんだ。」
「きょ、協力?…ですか?」
「ああ、お前は気づいているか?自分に勇者の素質があることに。」
勇者!勇者だって?
驚きに目をぱちくりさせる。
確かに、転生してステータスには勇者の卵と表記されているが本来他人のステータスを見ることはできないものだ。なぜスレイヴさんはわかったのだろう。
「お前は表情豊かでわかりやすいな。一定のレベルに達していれば他人のステータスを盗み見るなど容易いものよ。」
俺の思考はスレイヴさんには筒抜けだ。
「そこで提案だ。私がお前を一人前の勇者に育てあげよう。私の元で魔術を学ぶのだ。どうだ?そそられるだろう。」
魔王自ら勇者を育てる?なんで?メリットは?自分を殺す存在なのに?
スレイヴさんの優艶な笑みに惹き込まれそうになるがグッと堪えて理由を聞く。
「な、んで?ですか」
「私は前世の記憶を取り戻したいのだ。」
前世の記憶?メルトが言っていたあれか?解放すれば前世の力が使えるようになるっていう…
「そんなの俺!不利じゃないですか!魔王の力が更に強くなって俺の勝ち目無くなるやつじゃないですか!?」
プルプルとウサギのように震えながら反論する。
「ククッ。愛いやつだな。心配するな。女神の加護が十分過ぎるほど付いてるではないか。しっかりと育てば私を倒すことも出来るかもしれない。」
「俺に倒されても良いんですか?」
スレイヴさんは問題ないとばかりに手を振り、光のない瞳でリウを見据える。
「私はこの世界が誕生した時から生きている。長い年月を生き続けるこの身でやりたい事、やるべき事、大半はやり遂げた。残るは前世の記憶の解放のみ。」
会話の途中でスレイヴさんはため息を吐いた。
「だが、何をしても記憶が解放されない。記憶を取り戻すためにありとあらゆる事を試したがダメだった。あとは物語でよくある勇者とやらに倒されるか…神を殺すぐらいしかやることがないんだ。」
殺す、、?メルトをってこと!?
話し終えたスレイヴさんは頬杖をつき、室内の天井を睨みつけた。
天井?いやまさか…俺を見守ってるメルトの存在に気づいてるのか?
ウサギのように震え続けているリウと同じ様に天界にいるダ女神も魔王の睨みに震えていた。
「神殺しを視野に色々と準備をしていたんだが、運良くお前を見つけてな。」
天井への睨みを辞め、リウに向き直りにこやかな表情を作る。
これは…拒否権…ないのでは?
昨日の魔王もといスレイヴさんのことが気にかかり、今日も図書館へ向かう。
なんで俺に正体を明かしたのか、明かした後になんで俺が逃げても追いかけなかったのか。
ブラスさんとの関係は?ブラスさんは知ってるのか?
考えれば考えるほど疑問は尽きない。
大丈夫だ。いざとなればクリスから貰ったストーンを使って攻撃を回避して逃げればいい。いける…よな?…無理かなぁ。
頭の片隅ではわかっている。こんなストーンが魔王に効くわけない。効いたとしても逃げ延びるなんて無理だ。
魔王の力がそんなやわだなんて思わない。
だからこそ気になったのだ。
スレイヴさんは何を考えて、また明日なんて言ったのだろかと。
図書館に到着したところでふと、今日は休館日ではと扉の中心にぶら下がっているcloseの板を見て思い出す。
警戒しつつ窓から中の様子が見れないかと近づくとリウを待っていたのかブラスさんが扉を開けてくれた。
「おはようございます。リウ様。中に入りますか?」
ギクッ!!
「ブラスさん!おはようございます。…えっと…昨日は挨拶もせずに帰ってしまってごめんなさい。」
ブラスさんは首を横に振り微笑えんだ。
「いえいえ滅相もない。吾君の考えなしな発言が招いたことです。リウ様は何も悪くありません。」
ブラスさんの変わらぬ穏やかさに安堵し、吾君という単語が気になるも図書館の前で立ち続けるわけにもいかず室内へ。
「吾君は昨日と同じ場所におります。決してリウ様を傷つけるつもりはありません。我々はお話がしたいのです。」
「ブラスさんはスレイヴさんの仲間ですか?」
「えぇ私も魔族、長年吾君に仕えております。」
唾をゴクリと飲み込み、ブラスさんに見守られながら魔王の元に向かう。
2日前に来た時は朝日が窓辺に差し込み心地よい暖かみをくれていた。今日はそれが、酷く暑く身体を焼いてしまうではと感じるくらい悍ましい。
背筋を伸ばし歩みを進める。
文学の板が置いてある棚に手を添えてヒョイっと頭だけ横に動かしてお目当ての人物がいるのか確認する。
そこには昨日と変わらず読書をしているスレイヴさんがいた。
美人は3日で慣れるなんて嘘なのかもしれない。端麗な容姿は今日もリウを虜にしてしまう。
「おはよう。そんなところにいないでもう少し近づいても良いんだぞ。」
警戒を緩めずに一歩、また一歩と近く。
「ククッ、そんなに警戒するな。取って食おうなんて考えていない。協力して欲しいんだ。」
「きょ、協力?…ですか?」
「ああ、お前は気づいているか?自分に勇者の素質があることに。」
勇者!勇者だって?
驚きに目をぱちくりさせる。
確かに、転生してステータスには勇者の卵と表記されているが本来他人のステータスを見ることはできないものだ。なぜスレイヴさんはわかったのだろう。
「お前は表情豊かでわかりやすいな。一定のレベルに達していれば他人のステータスを盗み見るなど容易いものよ。」
俺の思考はスレイヴさんには筒抜けだ。
「そこで提案だ。私がお前を一人前の勇者に育てあげよう。私の元で魔術を学ぶのだ。どうだ?そそられるだろう。」
魔王自ら勇者を育てる?なんで?メリットは?自分を殺す存在なのに?
スレイヴさんの優艶な笑みに惹き込まれそうになるがグッと堪えて理由を聞く。
「な、んで?ですか」
「私は前世の記憶を取り戻したいのだ。」
前世の記憶?メルトが言っていたあれか?解放すれば前世の力が使えるようになるっていう…
「そんなの俺!不利じゃないですか!魔王の力が更に強くなって俺の勝ち目無くなるやつじゃないですか!?」
プルプルとウサギのように震えながら反論する。
「ククッ。愛いやつだな。心配するな。女神の加護が十分過ぎるほど付いてるではないか。しっかりと育てば私を倒すことも出来るかもしれない。」
「俺に倒されても良いんですか?」
スレイヴさんは問題ないとばかりに手を振り、光のない瞳でリウを見据える。
「私はこの世界が誕生した時から生きている。長い年月を生き続けるこの身でやりたい事、やるべき事、大半はやり遂げた。残るは前世の記憶の解放のみ。」
会話の途中でスレイヴさんはため息を吐いた。
「だが、何をしても記憶が解放されない。記憶を取り戻すためにありとあらゆる事を試したがダメだった。あとは物語でよくある勇者とやらに倒されるか…神を殺すぐらいしかやることがないんだ。」
殺す、、?メルトをってこと!?
話し終えたスレイヴさんは頬杖をつき、室内の天井を睨みつけた。
天井?いやまさか…俺を見守ってるメルトの存在に気づいてるのか?
ウサギのように震え続けているリウと同じ様に天界にいるダ女神も魔王の睨みに震えていた。
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