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第5話 呪いの復讐

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 ギャレンと共にヴァーノンの元へ向かう。屋敷内をぐるぐる回って庭に立ち尽くしていたのを発見した。


「……話は終わったのか、ギャレン」
「ああ、終わったとも」
「じゃあ、もういいだろ。出て行ってくれ」
「そうはいかない。お前は『呪い』を使い殺人の罪を犯した。このまま処刑する」


 そう怖い顔をして断言するギャレン。そうよ、そのまま処刑されてしまえばいいのよ。

「そうか。呪いを上手く解除してギャレンに伝えたのだな、リディア」
「ええ、そうです。あなたはこれまでですよ。観念して下さい、伯爵」


「ふざけるな。リディア、お前は僕のモノ。誰にも渡すワケには――」


 その直後、ギャレンが左手に黒いモノを宿していた。あれは『呪い』……?


「この方には触れさせない。ヴァーノン、ここで罪を贖え」
「黙れッ! お前程度の呪術師なんかに……!」


 お互いに黒いモノをぶつけ合う。
 激しく衝突してやがてギャレンの『呪い』がヴァーノンを圧倒する。その巨大な呪いが覆いかぶさるとヴァーノンは飲み込まれた。



「うあああああああああああああああああああ…………」



 ヴァーノンは地面に倒れ、手足どころか首さえも消えてなくなっていた。ギャレンの呪いはあんなに強いものだったの……凄い。


「彼は即死した。リディア、これで君は自由だ」
「……良かった。これでカリルは救われた」

「さあ、リディア。約束通りだ、自分の屋敷に来てもらうよ」
「もちろんです。ギャレン様はわたしとの約束を守って下さいましたから」


 こんなに強くて逞しい方だとは……わたしはギャレン様に一目惚れしてしまった。心臓がドキドキして止まらない。

 ギャレン様は、わたしの手を握って引っ張ってくれる。この方ならきっと大丈夫。彼から感じられるのは『呪い』だけではない。優しさや思い遣り、わたしを理解してくれる行動。その理念は信用に値した。


 ◆


 その後、わたしはギャレン様と共に幸せになった――。
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