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婚約破棄された令嬢

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「クララ、ごめん。俺たち、結婚できないんだ」

 レオの言葉は、クララにとって大きなショックだった。二人は生まれた時からずっと一緒に育った幼馴染であり、婚約者でもあった。

「なんで、レオ? 何があったの?」

 クララは、レオの言葉に混乱しながら必死に理由を聞き出そうとした。

「それが、エレナが嫌がっているんだ。俺たちが結婚することを許さないって言ってる」
「なんでエレナが……」

 クララは、心の中で何度も疑問を抱えた。レオの妹であるエレナとは、今まで何度も衝突を繰り返してきた。しかし、クララにとってはレオとの結婚が全てだった。

「クララ、とても悪いと思っている……すまない」

 レオは、クララに謝罪の言葉を残して、立ち去っていった。クララは、自分自身に何が起こったのか理解できなかった。なぜ妹のエレナがそこまで執拗にわたしたちの関係を拒むのか分からなかった。

 その頃、エレナは自分が仕掛けた罠に満足げに微笑んでいた。

「こんなに簡単に別れさせられるなんて、これでもうクララに会うこともないわ」

 エレナは、邪悪な微笑みを浮かべながら、自分の計画を練り上げていた。
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