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第8話 そして、誓いの口づけを
決闘は、避けられなかった。
クライヴ・フェルザー。騎士団第二小隊の副隊長。アレンと同じ階級、同じ実力。けれど、彼の剣は己の野心と欲望のために振るわれていた。
「このまま引くこともできたんだぞ、アレン」
「おまえがリリア様に“手を出そうとした時点”で、それは選べなかった」
午後の決闘場。
観覧席には貴族たちが並び、わたしはその中で息をのんで見守っていた。
彼らの剣が交差するたびに、空気が震えた。
鋭く、美しく、残酷なほどに洗練された技と技の応酬。
けれど、アレンの剣には、一度たりとも迷いがなかった。
「俺は……彼女を守ると誓ったんだッ!!」
その叫びと共に、アレンの剣がクライヴの右手を切り払った。
剣が落ち、決闘は終わった。
クライヴは跪き、敗北を認めた。
◆
数日後。
わたしは侯爵家の庭園で、アレンとふたり、向かい合っていた。
彼はその日、軍服ではなく、帝国から正式に認められた正装の騎士礼装を纏っていた。
「リリア様。私は、貴女にふさわしい男かどうか、今でも分かりません」
「ふさわしいかどうかなんて、関係ないわ」
「……リリア様」
わたしはそっと彼の手に自分の手を重ねた。
「大切なのは……わたしが、あなたを選んだということ」
彼の瞳が、わたしを真っ直ぐに見つめた。
「リリア・フォン・シュトラール。どうか……私と婚約を結んでください」
頷いたその瞬間、わたしの世界は花が咲くように色づいた。
「……はい。喜んで」
そして、彼がわたしの頬にそっと手を添えた。
夕陽が庭を金に染める中で、わたしたちは静かに、でも確かに唇を重ねた。
それは、騎士と令嬢の隔たりを越えた、たったふたりの誓いだった。
◆
長い道のりだった。
婚約破棄、裏切り、暗殺未遂、嫉妬、決闘。
けれど、そのすべてを乗り越えて、いま、わたしは隣に彼がいることを心から誇りに思える。
アレン・クロスフィールド。
わたしが命を懸けて愛し、守りたいと願った騎士。
そして、きっと、これからもずっと……
「あなたの隣で、生きていたい」
そう告げたわたしに、彼は言った。
「命に代えても、守り抜きます」
ようやく幸せを手に入れられた――。
クライヴ・フェルザー。騎士団第二小隊の副隊長。アレンと同じ階級、同じ実力。けれど、彼の剣は己の野心と欲望のために振るわれていた。
「このまま引くこともできたんだぞ、アレン」
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午後の決闘場。
観覧席には貴族たちが並び、わたしはその中で息をのんで見守っていた。
彼らの剣が交差するたびに、空気が震えた。
鋭く、美しく、残酷なほどに洗練された技と技の応酬。
けれど、アレンの剣には、一度たりとも迷いがなかった。
「俺は……彼女を守ると誓ったんだッ!!」
その叫びと共に、アレンの剣がクライヴの右手を切り払った。
剣が落ち、決闘は終わった。
クライヴは跪き、敗北を認めた。
◆
数日後。
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「ふさわしいかどうかなんて、関係ないわ」
「……リリア様」
わたしはそっと彼の手に自分の手を重ねた。
「大切なのは……わたしが、あなたを選んだということ」
彼の瞳が、わたしを真っ直ぐに見つめた。
「リリア・フォン・シュトラール。どうか……私と婚約を結んでください」
頷いたその瞬間、わたしの世界は花が咲くように色づいた。
「……はい。喜んで」
そして、彼がわたしの頬にそっと手を添えた。
夕陽が庭を金に染める中で、わたしたちは静かに、でも確かに唇を重ねた。
それは、騎士と令嬢の隔たりを越えた、たったふたりの誓いだった。
◆
長い道のりだった。
婚約破棄、裏切り、暗殺未遂、嫉妬、決闘。
けれど、そのすべてを乗り越えて、いま、わたしは隣に彼がいることを心から誇りに思える。
アレン・クロスフィールド。
わたしが命を懸けて愛し、守りたいと願った騎士。
そして、きっと、これからもずっと……
「あなたの隣で、生きていたい」
そう告げたわたしに、彼は言った。
「命に代えても、守り抜きます」
ようやく幸せを手に入れられた――。
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