罪の空白

プリンぬ

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罪の空白(下)

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鏡の黒が、夜の海のようにうねった。

沈み込むと、目の前に俺がいた。

蛍光灯の白だけがやけに明るいオフィスで、椅子に座ってパソコンにかじりついている。

頼りないその背中が、いつもに増して弱々しく見える。

さっきまでの俯瞰は消え、呼吸の気配まで伝わる“同一視点”に変わっていた。

定時を過ぎても電話は鳴り、メールは増え、俺のデスクにだけ書類の小山が築かれていく。

「悪い、これ今日中で頼むわ」

上司はその一言で、書類を積み木のように俺のデスクに積んでいく。


嫌だとは言わなかった。

会社で上司や同僚達に頼られている。

俺は誰かに必要とされている。

そう思いたかった――。


※ ※ ※


夜のコンビニのバックヤード。

エプロンを締め、値札を張り直す。

退社後、荷物を置いて、俺はそのままアルバイトに向かっていた。

口座の管理アプリには、毎月きっちり一定額の返済履歴。

名義は俺、借金の中身は友人のもの。

「頼む、今だけ。すぐ返すからさ!」

昔の飲み仲間の言葉が、耳の奥でまだ生々しい。

返済不可能な額じゃなかった。

友人を見捨てない自分でいたかった。


断らなかった。

断らないことが、誰かの役に立つことが、俺の存在意義だと思っていた。

そう信じていた――。


※ ※ ※


コンビニのバイトが終わり、廃棄食品を持って帰路に就く。

どんなに疲れ切っていても、木造のアパートが見えると少し胸が高鳴る。

帰ると必ずポストを確認する。

それが日課だった。

夜風に揺れるのは、ポストに差さった一通の手紙。

ネモフィラの花模様の透き通る青。

いつもの便箋だ。


彼女との文通は最初、冗談半分のつもりだった。

付き合った当初は家が近かったこともあり、直接手紙を渡し合っていた。

スマホでももちろんやり取りはしていたが、直筆で思いを伝え合うのが新鮮で楽しかったのだ。

俺の転勤により遠距離となってからも、文通は続けていた。

封を切ると、インクの匂いが立つ。

少し丸い彼女の筆致は、いつも疲れた体に染み渡った。

きれいな便箋に、くだらない駄洒落や、日頃の愚痴など。

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
あなたは、人の為に頑張れる優しい人だけど、たまには休んでね。
あなたが元気なだけで私の為になってるんだからね!
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

その一文で俺は何度も生き延びた。

笑われるかもしれないが、嘘ではない。

明るくて、優しくて、人望もあって、俺には勿体ないくらいの人だ。

彼女からの手紙が、言葉が、気持ちが俺の唯一の救いだった。


彼女さえいれば、あとは何もいらない。

本気でそう思っていたはずだった――。


※ ※ ※


深夜なのに繁華街の明かりが眩しい。

日付も変わった夜の街中。

いつも通り、コンビニでのアルバイトを終えた帰りだった。

人波の隙間、ネオンの下で、俺は“彼”を見つけた。

俺が借金を肩代わりしている友人。

笑いながら肩を組み合い、チップをチラつかせ、キャバクラの勧誘に気前よく応じている。


胸の中で、細い音を立てて何かが切れるのを感じた。

俺の足は動かなかった。

怒鳴り込む勇気も、殴り倒す力もなく、ただ遠くから眺めていた。

その後、自分がどうやって家まで帰ったかは覚えていない。

街灯の影がやけに濃い。

ビルのガラスに映る自分の顔はひどく他人に見え、友人の笑い声が耳の内側でいつまでも響いていた。


吐き気がした――。


※ ※ ※


会社の昼休み、トイレで偶然同僚の話し声が聞こえた。

「アイツ、マジで便利だよな~」

「それな、めんどい仕事全部アイツにやってもらおうぜ」

「ははっ、かわいそ~」

思考が固まった。

俺のことじゃないとトイレの個室で必死に言い訳をした。

会社の同僚が笑い合う声が頭の中で木霊していた。


吐き気がした――。


※ ※ ※


上司が俺のデスクに書類を積んだ。

「君ならやってくれるよね?」

冗談交じりに軽く言うその言葉が、胸にずっしりと重くのしかかった。

同僚の笑い声が、なぜか氷水のように冷たい。

それでも俺は頷いた。

顔は笑っているのに、胸の内側では何かがどろどろと沈殿していた。


吐き気がした――。


※ ※ ※


目覚まし時計のアラームが鳴る前に目を開ける。

閉じた目をただ開けるだけ。

眠った気がしなかった。

最近は眠れない日が多い。

こころなしか毎日熱っぽい気がする。

何もやる気が起きない。

カレンダーには小さく丸がついていた。

仕事後、久々に彼女と会う約束をしていたことを思い出す。

彼女は、近くに行く用事があるから家に寄るね、と言っていた。

楽しみにしていたような気がする――。

そんなことをぼんやりと考えながら、服を着替える。


ふと、俺は部屋の中を見渡した。

散らかった汚い部屋だ。

こんな所に彼女を呼べないな、とぼんやり考える。

掃除しなければと思うが、身体が思うように動かない。


吐き気がした――。


※ ※ ※


「…どう、したの…?」

部屋に来た彼女が、床に座り込む俺を見て言葉を失う。

その手からビニール袋が滑り落ちた。

カーテンは完全に外の世界を遮り、空気が淀んだ部屋だ。

机の上には開きかけのカップ麺や丸めた紙屑、酒瓶が乱雑に転がり、床には畳まれていない布団がしわだらけで放置されていた。

薄暗い部屋に、彼女の白いセーターが浮かんで見えた。

「っ…!立てる?どっか痛いの?病院行こ!」

彼女が俺の肩に手を置き、必死な形相で声を掛ける。

「……大丈夫……もう何もかもどうでもよくなったから」

「何もよくない!こんなになるまで……手紙では元気だって言ってたのに……」

彼女が苦しそうに顔をゆがめる。

そんな彼女の声を思考の停まった俺の頭は拒絶する。

高い音が響いて頭がクラクラする。

胃の奥が軋み、イライラした。

俺は彼女の手を振り払う。

「うるさい!」

彼女が口を噤む。

「お前に何が分かるんだよ」

生気のない俺の言葉に、彼女が大声で反論してくる。

「分かるわよ!私はあなたが誰よりも人を想える優しい人だって知ってるわ!」

「そんなんじゃねぇんだよ!」

吠えるように俺も声を荒らげる。

「俺は誰にも必要とされてねぇんだよ!誰かの為にって頑張ってたつもりだったのに全部無駄だったんだっ!……必要とされなくなるのが怖かったから……そうならないように頑張って来たのによぉ!」

俺は息を切らしながら掠れた声で叫んだ。

「お前はいいよな!誰からも慕われて!大した悩みもなくて!人生楽しそうでいいよな!!」

やめろ、そんなこと思ってない――

「お前は俺とは違うんだよ…」

頼む、これ以上はやめてくれ――

「お前と俺じゃ釣り合わねぇんだよ……」

彼女から目を逸らし、俺はそう言い切った。

その一言に、彼女が硬直する。

その目には大粒の涙が溢れていた。

堪えきれなくなったように、彼女は部屋から飛び出していった。

彼女の足に引っかかったビニール袋から、白い紙箱と封筒が顔を覗かせた。


胸の奥がズキズキと痛むのを感じる。

何よりも大事なはずの彼女を傷つけてしまった。

思ってもいない言葉だ。

決して本心じゃない。

今すぐにでも取り消したい。

謝らせてほしい。

お願いだ、君まで俺を見捨てないでくれ――

しかし、そんな心とは裏腹に足は動かなかった。

横隔膜が痙攣するような息苦しさと共に、後悔がぐるぐると俺の体内を巡っていた。

しばらく呆然と立ちすくんでいた俺は、ぼんやりと目に入った白い封筒を拾い上げる。

差出人も宛名もない封筒だ。

もはや中身に少しの興味も沸かない。

俺はその封筒を乱雑にポケットにしまった。

そして、何かに突き動かされるように台所の戸棚を開ける。

そこには、鈍く光る古びた包丁が閉まってあった。

俺はそれを手に取って、包丁に映る自分の顔を見つめる。

酷い顔だ。

気分が悪い。

「もう……終わりにしたいな」

俺は一人で呟いた。

独りで――呟いた。


俺は誰にも必要とされていなかった。

裏切られたのではない。

最初から期待などされていなかったのだ。


失ったのではない。

最初から俺には何もなかったのだ。

俺はただ、人に利用されることを誰かの為になっていると勘違いして、勝手に苦しんでいただけだった。

まるでピエロだ。

なんと滑稽なことだろう。

だから大切だったはずの彼女を傷つけて見放されるんだ。

もう楽になりたい。

ふと、そう思った。

手の中の包丁に反射する光が、希望の光に見えた。

これさえあれば、俺はこの吐き気から解放される。

そう思った瞬間、吐き気が消え失せ、何でもできる気がした。

気分の高揚すら感じる。

包丁を握る手に力が入る。


一瞬、涙を浮かべる彼女の顔が脳裏をよぎった。

俺は、それに気づかないフリをした――。


そして――刃は迷わず、皮膚の向こう側へと俺の喉を貫いていった。


※ ※ ※


思い出した。

全て思い出した。

そうだ――そうだった。

一部始終を見て、記憶が蘇る。

これが――まごうことなき俺の人生だった。


しかし、鏡から顔を上げようとした時だった。

俺の部屋の扉が開いた。

映像を見ているだけの俺の息が詰まる。


彼女だった。

「やっぱり私は……何と言われようとあなたと――」

彼女が血だまりに沈む俺の体を見つける。

「……どう、して」

彼女はその場に膝をついた。

肩を震わせ、嗚咽が腹の奥からこぼれる。

彼女は震える手で俺の体を抱きかかえ、何度も何度も鼓動を確かめる。

だが、俺の体は既に冷たく、抜け殻となっていた。

「私は、あなたが……あなたに幸せになってほしかったのに……」

白いセーターがじんわりと赤黒く染まっていった。


俺は再び暗闇に尻もちをついていた。

肩で息をしながら、天使の方を見る。

天使は相変わらず顔に微笑みを張り付けたまま、尋ねる。

「思い出しましたか?」

「最後の……最後のはなんだ!?あれは知らない、俺の記憶じゃない!」

動揺で声が裏返る。

だが、最後のあれは紛れもなく俺の死後の光景だった。

「あれは記憶ではなく、事実です。あなたの選択があの結末を招いたのです」

天使が無情にもそう告げる。

「あなたは罪を犯しました」

天使が淡々と言葉を吐く。

「あなたは彼女を傷つけ、そして人を殺しました――“あなた自身”を」

殺人。自殺。

意味は違えど、結果はひとつ。

俺は、俺に出来る唯一の暴力を、俺自身に向けたのだ。

だが、俺は――俺の死に泣き崩れる彼女の姿を見て、初めて自分の罪に気が付いた。

俺は彼女を言葉で傷つけたのに、彼女は俺を見放さなかった。

こんな俺の為に涙を流してくれる人のことを俺はちゃんと見ていなかった。

自分を蔑ろにする人々ばかりに心を奪われ、本当に大切なものを見ようとせず、目を逸らしたんだ。

彼女さえいてくれたら、俺は何もいらないと――そう思っていたはずなのに。

激しい後悔に襲われ、俺はうなだれた。

だが、後悔してももう遅い――。


「ネモフィラの花言葉を知っていますか?」

力なく地を見つめる俺に天使が囁く。

唐突な質問に俺は困惑する。

質問には答えず、虚ろな目で天使に視線を向ける。

「あなたの人生は終わりました。しかし、あなたの物語にはまだ空白があるのです」

「……空白?」

「あなたのポケットには何が入っていますか?」

天使に言われ、のそのそと自分のポケットに手を突っ込む。

クシャクシャに折れた紙の感触が手をくすぐる。

「これは……」

「あなたはその手紙を開封していません。つまり、その手紙の中身は未だ“空白”です。 “まだ”届いていない言葉は事実として扱いません。事実のない空白を裁くことはできないのです」

そう言って、天使はどこからともなく万年筆を取り出す。

見覚えのある代物だ。

握りやすいからと、俺が彼女に手紙を書く時いつも使っていた万年筆。

「そこには宛先も差出人もありません。誰に書くか、何を書くかはあなた次第です。もちろん書くか書かないかもあなたが決めてください」

俺は封筒を開いて中から空白の便箋を取り出し、天使から万年筆を恐る恐る受け取った。

懐かしいような感覚に見舞われて、気分が落ち着く。

それは包丁なんかよりもよっぽど温かくて、安心感がある握り心地だった。

万年筆を握ると勝手に手が動いた。

自分の中にある後悔、感謝、苛立ち、いろんな感情が溢れてくる。

ポケットに入っていたせいかグシャグシャな上に、勝手に瞳から零れ落ちる涙で汚れ、
おまけに感情をそのまま言葉にしたような拙い文章。

およそ人に読ませる手紙とは言えないものとなっていたが、それでも俺は書いた。

やがて、俺は便箋を白い封筒に丁寧に入れ、手紙を天使に差し出した。

「……届けてくれ」

天使は受け取ると、封筒をしげしげと眺める。

「宛名……俺、差出人……俺。なるほど、そうきましたか」

「あんたは誰に書くかも俺に委ねた。だから俺は俺に手紙を書いた。変わるべきなのは俺自身だと思うから……」

涙と鼻水を拭いながら、俺は天使の目をまっすぐに見据える。

「この手紙を自殺する前の俺に届けてくれ」

俺は真剣な眼差しでそう言った。

天使はしばらく黙っていたが、ふふっと笑い出した。

不気味な微笑み以外の表情を初めて見た気がした。

「これは“地獄からの手紙”――生と死のあわいを、ひとつだけ渡る橋のようなものですね」

天使が鏡へそっと触れる。

封筒は薄い光に包まれ、鏡面の向こうへ滑り込んだ。

「手紙は確かに、この地獄の天使の名の下にあなたに届けましょう」

天使がそう言い残した瞬間、暗闇の世界がひび割れた。

割れ目から光が差し込み、咄嗟に目を閉じる。

「願わくば、二度とお会いすることのありませんように」

耳の奥で、そんな言葉が薄っすらと聞こえたような気がした――


※ ※ ※


気づくとそこは見慣れた景色だった。

六畳一間の薄汚い部屋。

ビニール袋が転がり、白い紙箱と封筒が顔を出している。

どのくらい呆然としていたのだろう。

ぼんやりと床に落ちている白い封筒を拾い上げる。

宛名――俺。差出人――俺。

「は?」

思考が一瞬停止する。

なんだ、このふざけた手紙は。

しかし、俺は無意識に封を開けて中身を取り出していた。

なぜか見なければならない気がしたのだ。

封筒の中には一枚の便箋が入っていた。

しかし、なぜかしわクチャで、所々何かこぼしたように濡れている。

「汚い手紙だな……」

そう思いながら、俺は手紙の文章に目を落とした。

酷い文章だ。

およそ人に読ませる気など感じられない。

だが、俺は何度も何度もその文章を読んだ。

食い入るように、縋るように、文字の一つ一つを噛みしめるように読んだ。

そして、何かに突き動かされるように、床に転がる紙箱を開けた。

彼女が持って来たその中には、落とした衝撃で形の歪んだケーキが入っていた。


(誕生日おめでとう!)


ケーキプレートには、そう書かれていた。

ふっ、と息を吐く。

誕生日――それすらも忘れていた。

だから、彼女は理由までつけてわざわざ会いに来てくれたのだ。

今更ながらそれに気づいた。

やっぱり、俺なんかじゃ釣り合いのとれないくらい素晴らしい彼女だと思った。

ふと、ケーキの箱に入っている、透き通った青い花柄の便箋に目が行った。

一瞬、先程の彼女の泣き顔が脳裏にチラつき、躊躇う。

しかし、俺はその見慣れた紙を手に取る。

いつも通り、心が安らぐ温もりを感じた。

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
誕生日おめでとう!これからもよろしくねっー!!

誕生日に言うことじゃないかもだけど、あなたが背負っている分の借金、私も勝手に肩代わりしちゃった。
全部とはいかないけれど、半分は返しました。
残りは一緒にやっていこ!
あなたが一人で戦わなくていいように、私がいつだって隣にいるから。
困ったときはいつでも相談してね!あと、頑張り過ぎて疲れたらたまには弱音を吐いていいんだからね!!

あなたの愛しい文通相手より
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

文字が滲んだ。

視界が、水の中のように歪む。

俺は玄関へ駆け出す。

スニーカーの踵を踏み、ドアを開け放つ。

涙と鼻水でぐしゃぐしゃな顔で、よれたスーツにスニーカーという不格好な姿のまま、彼女を追って走った。

走らないとダメな気がした。

ここで追いかけなければ、とてつもない後悔をしそうだったから――


誰もいなくなった静かな部屋の中で、カーテンの隙間から一筋の光が差し込む。

白い羽が一枚、ひらりと便箋の文字をなぞった。

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